ザ・ファースト・ペンギンス 新しい価値を生む方法論 | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
新しい価値を生み出すプロジェクト。
あの大阪ガス行動観察研究所 所長 松波氏による著書のようだ。
タイトルは、ペンギンの群れは最初の一匹が飛び込むまで、湖に飛び込まないということから来ているようである。
『ザ•ファースト•ペンギンス 新しい価値を生み出す方法論』松波晴人
気付きとしては、やはりビジネス書においても、マンガではないにしても、物語を取り入れることが増えて来ているようである。
インサイトとしては、心を揺さぶられたいとか、感動したいとか。難しいことは嫌だが、成長したいとかそういうことがあるんだろうか。
<<同じ場所に居続けようとすれば、全力で走りつづける必要がある。どこか別の場所に行こうとすれば、その2倍速く走る必要がある。『鏡の国のアリス』ルイス•キャロル 240>>
副題が痺れる「新しい価値を生み出す方法論」
面白いのが、「クリエイティビティビティを訴求する書籍である以上、本としてもクリエイティブでありたい」(3)という想いから、絵と文章の統合、謎解き形式、イラスト、物語が多用されているところ。
これもちょっとした気付きだが、「新しい価値を生み出す」とは、ドラッカーのいうところのイノベーションのわけだ。109
本書のテーマは「あらたな価値を、どうやって生めばいいのだろう?」ということに対して、「フォーサイトクリエーション」という方法論で挑むということのようである。
<フォーサイトクリエーション>
人の行動や世の中の動きなどの様々な事実を統合することで、「意外な真相は何か?」というインサイトを得ようとする。それがフォーサイトクリエーションの方法論です。90
事実から気付きを得て、それらを統合してリフレームすることで仮説を出し、そのインサイトからどうしていくかを考える。268
気づき⇒洞察⇒展望⇒行動⇒振り返り、このフォーサイトクリエーションのループを繰り返すことが「学びつづける」ことなのです。318
現状の延長線上を考えるというよりは、不連続な変化を起こすという大きな仕事。13
A. 着想力
着想力は=仮説を立てる上で重要。
仮説が必要なのは?
科学のプロセスは、「仮説を立てる」と「仮説を検証する」の2つに大きく別れる。
「仮説を立てる」ためには、「場」に足を運んで、様々な事実を集め、個々の事実について深掘りしていくことで「意外な真相」を突き止めなければなりません。118
<受容と学習のマインド>
仮面をとる、防具を外す、というのは、世の中で起こっていることから自分を守ろうとするのではなくて、まずは無防備に受け入れる、ということなのか!29
場における観察があり、そこで気づいたことが全ての発端になる。最初にするべきことは、計画を立てることではなく、アイデア出しでもなく、「気づき」を得ることです。33
★ 気付きを得るためのマインド
① 受容
自分の考え方と反することであっても、まずは共感して受け入れる。
② 学習
起こっている事実から学びを得ようとする。 34
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自ら場に足を運ぶこと
情報は場に存在しており、どんな天才でも全てを見渡すことは出来ない(フリードリッヒ•ハイエク)36
情報は、場、にまるで張り付くかのように存在しており、そこに行かなければその情報を得ることは出来ないのです。
B.アブダクション 探偵的思考/仮説的推論 61
どうしてこんなことが起こるんだろう?という違和感のある味実に気づいたとしましょう。しかしこれが背景や要因として考えれば、そういう事実が起こってもおかしくない。ということはこれが要因なのでは、と考えても良いのではないか。これがアブダクションという推論方法。
C.統合
整理するな感じ取れ 80
人はみんな、AとBどちらが正しいかという枠組みの中で議論しがち。私もそうだけど。でもAとBを統合してCを生む。これが重要なのね。87
D.リフレーム
ビジネスにおいてそれまで常識とされていた解釈やソリューションの枠組み(フレーム)を新しい視点•発想で前向きに作り直すこと。 116
ボケよ。:同じものでも、別の角度から見れば全く違ったものに見える。109
★クリエイティブとはなにか?:
統合とリフレームである。161
★ クリエイティブを発揮するために:
1セレンディピティを大切にする。
2あそび心を大切にする 161
E.メタファー
既に理解している概念と、説明したい事柄との共通点を見つけ出して、この意味で同じだと提示して、理解し易くするためのもの。184
コンビニの新しい価値のメタファー:
消滅しかかっているコミュニティを活性化させれば、いろんな人がつながってメンタル的に安定し、更にはセキュリティも向上するのでは?190
F.先見力
人を深く理解して意思決定せよ 216
新価値創造=イノベーションは、プレゼントを贈ることに似ている。よいプレゼントを贈るためにまず重要なことは、「プレゼントを贈る相手のことを深く理解する」ということ。新価値創造に置いては、これは顧客を深く理解することを意味します。234
G.メタ認知
自らを知れ 256
⇒自らの意志を持て!
★よいプレゼントをするには、送り手の意思も大切。
どういう価値を相手に届けたいのか、という意思を明確にする必要があります。278
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自社の意思を明確にする上で必要な2つのメタ認知
1.ブランディング
自分たちの会社はどういう世の中にしたいか?どういう価値をお客様に届けていきたいか?自社はどういう姿を目指すのか?278
2.強みの認知
何事かを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことは出来ない。279
H.マインドセット
自己効力感というのは、自分は何事かを成し遂げることが出来る、というマインドセットのことだ。306
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自己効力感、他己実現、チャレンジ精神のマインドセット 314
心理的安心が確保されている環境でないと、クリエイティブな発想は出来ない。315