「愚直」論 私はこうして社長になったダイヤモンド社このアイテムの詳細を見る |
この本では、ヒューレット・パッカード日本社長の樋口泰行の人生を振り返ることで、いってみれば会社で社長になる方法を考えるという感じの本だ。
樋口氏は、新卒後、松下に入社し、希望しない部署に配属になる。
詩化し、彼は、「この仕事から逃げ出しても、先に明るい道は来ない」と言い聞かせ、「目の前の仕事に苦しくても打ち込んだ」。
この最初の経験がどうやら、樋口氏の後に続く愚直なワークスタイルにつながったようである。
それから、彼は、ハーバードビジネススクールに渡り、人格を積極的かつ、論理的なものへと、過酷な状況の下で磨き上げていく。
そして、帰国後は、ビジネススクールでケーススタディーで学んでいたものをボストンコンサルティングにて実践する。
ここでも、彼は、徹底的に超多忙な環境の下で強化していった。
それから、現在にもつながるアップルコンピューターにては、
営業を経験する。
ここで樋口氏が営業のコツとして挙げているのは、いわばコンサルティング的な営業をすべきであるということ。
ただ自社の商品についての知識を持っているだけではなく、顧客の業務に対する深い知識を持ち、一緒に悩みを解決していくという姿勢が大切であるという。
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もうひとつ、本書で興味深いのは、樋口氏による「働くということ」を考える部分だ。
少し長くなるが抜粋したいと思う。
「現代は飽食の時代である。熱心に働かなくても植えることはない。『仕事はほどほどに、生活の充実を図りたい』と考える人が増えている。しかし、本当にそれで人生の充実を得ることだできるのだろうか。
現実問題として、私を含めてほとんどの人にとって、仕事は目覚めている時間の大半を占める。その仕事で充実感や達成感を得られなければ、実りのない人生になってしまうのではないか。この長大な時間を割り切って過ごすわけにもいかないだろう。
会社とは、経済的な見返りを得たうえで、仕事の喜びを味わい、それを仲間と共有する場所である。家庭教師との勉強よりも学校に行って勉強するほうが楽しいように、組織の中でのインタラクション、人間同士のやりとりが何よりも楽しいのではないか。刺激があり、困難があり、それを仲間と共に乗り越えていく達成感がある。
趣味を持つのはよいことだし、家族と過ごす時間も大切だ。詩化し、それらを優先させるあまり仕事を軽んじてしまうのは、自己否定に他ならないのではないか。『ビジネスを通して自己実現するんだ』という高い志を持って努力することにより、初めて思い通りの人生が描けるのではないか。」
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