フランスの外交力―自主独立の伝統と戦略集英社このアイテムの詳細を見る |
この本では、GDPでは、実は日本の半分にも満たないフランスがアメリカにNONを言え、国際社会で存在感を示せるその理由を多方面から探ろうという内容の本だ。
著者は、フランスが、自主独立外交を展開し、国際社会で発言力を保てる背景として、
①ヨーロッパの中心に位置する地政学的優位性
②イスラム世界との歴史的に深い関係
③アフリカ諸国との密接なつながり
④核保有国としての軍事力
⑤国連安保理の常任理事国の地位
などを詳しく挙げ解説している。
このような具体的な事実に加えて、フランスが、アメリカと異なる発言をし、意思表示を積極的にしなければならない理由として、
偉大さを歴史的に外交目標として掲げてきたドゴールの
「フランスが大国の政策が必要なのは、フランスがもはや大国ではないからである。フランスがもはや大国でない以上、フランスは、大国としての政策を持たなければ、もはや無に等しい存在に堕してしまう」という危機感をあらわにした言葉の影響も色濃くあるようだ。
少子高齢化などで、要因は異なるにしても、ダウウサイジングが叫ばれる日本にも、この本で述べられているフランスの気概とでもいうべきものは参考になる気がする。
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