まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

ドイツ企業のガバナンス

2011-09-11 23:44:56 | 企業一般

 

 ドイツの社会的市場経済(Social Market Economy)について勉強しました。中国の社会主義市場経済(Socialist Market Economy)と言葉は似ていますが、全く違いますね。「コーポレート・ガバナンスと経営学」(ミネルヴア書房)(P.166)には以下の定義が記載されています。日本も、米国のまねばかりするのではなく、こういった考え方を積極的に導入すべきだと思います。

「第二次大戦後のドイツ連邦共和国における社会経済体制の基本理念。自由な経済活動に基づく市場経済を基本としつつも、働く人の生活や権利など社会的な公正も同時に追求しようとする考え方で、ドイツの経済成長を支えてきた。この考え方は、ヨーロッパ連合においても受け継がれている。」<o:p></o:p>

 

 この考え方を背景として、ドイツ型の企業モデルが形成されています。ドイツの株式会社(AG)の一番の特徴は、監査役会(Aufsichtsrat)が①強力な監督権限を持っていることと、②労働側から選任される者を監査役会メンバーに加えることの二つですね。即ち、株式会社 (AG) では株主総会で選任される監査役会構成員とは別に、労働側代表の監査役会構成員が選任されます。ドイツの共同決定法によれば、従業員が501人~2000人以下の場合には、監査役会メンバーの1/32000人超の場合には1/2を労働側から選任することが規定されています。労働側が選任する監査役会メンバーには、企業外部の労働組合代表と企業内部の従業員組織の代表及び管理職の代表が含まれます。産業別労働組合・従業員組織・管理職員が、選任委員会を組織して選任しているようです。<o:p></o:p>

 

○ 監査役会は監査・監督が業務ですから、通常の業務執行には関与しません。業務執行は、取締役会=執行役会(Vorstand)が執行しますが、監査役会は取締役の人事権(任免権)や取締役会の意思決定に対する同意権を留保できます。即ち、定款又は監査役会により、一定の取引をするには監査役会の同意を要する旨定めます。同意権は、即ち、同意しないことにより拒否権となりますね。<o:p></o:p>

  

○ 労働者側から監査役を選任するといっても、いきなり選任できるわけでもありません。労働者側の基礎的な組織がないと無理ですね。その基礎的な組織が労使協議会の制度ですね。労使協議会については、JETROWEBには以下の様なことが記載されていました。<o:p></o:p>

 

(1)労使協議会とは、1972年に施行された「事業所組織法」に基づき、労働者代表が経営参加と共同決定の権利を持つこと、及び情報開示を共有する代わりに、労働組合が事業所組織法に従うことが定められているドイツの企業内組織制度です。 <o:p></o:p>

 

(2)同法の適用対象となるのは、中堅あるいは大規模な株式会社、有限会社、株式合資会社、協同組合、相互保険会社などで、企業単位ではなく従業員5人以上の事業所単位で協議会の設置が義務付けられています。<o:p></o:p>

 

(3)労使協議会の目的は、労働者の地位に影響を及ぼすあらゆる経営の情報を開示・協議し、同意を得ることにあり、構成メンバーは開示された情報について守秘義務を負います。<o:p></o:p>

 

(4)EU全体でも1994年に欧州労使協議会指令が採択され、同指令に基づく各国国内法制化が進んでいます。 <o:p></o:p>

 

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