映画『あんのこと』を見ました。家族に恵まれず、そして周囲の偽善に翻弄される純粋な子どもの悲劇を描いた映画です。現実のいやらしさを直面させられる映画でした。
主人公あんの母親は、暴力であんを自分の思うようにしてしまう女だった。あんは小さいころから売春を強要され、薬物にも手を出すことになる。そんなあんをある刑事が構成させようとする。刑事は薬物依存の人たちの更生を支援する団体を主宰し、定期的に集まり、優しく前を向かせようとする。あんは刑事やその他の支援者の助けもあり、家を出ることに成功し、仕事に就くことができ、夜間中学にも通うことができる。あんは前を向き生き始める。ある日あんの部屋に見知らぬ女が来て、しばらく預かってくれと言って、小さい子供を置いてアパートを出て行く。一瞬の出来事にあんは母親を追うことに失敗し、しかたなく子どもを育てることになる。あんはなんとか子どもを育てる。いつしか母性が目覚め、子どもを話せなくなる。その時、あんの母親があんを見つける。あんに再び売春を強要する。あんが戻ったとき、すでにこどもはいなくなっていた。あんが売春をしている間に、母親は子ども鳴き声がうるさいと、子どもを児童相談所に引き取らせていたのだ。
この映画に出て来る大人たちは結局打算的にしか生きていなません。自分勝手なのです。その大人たちの汚れた心になんども翻弄されながらも、あんは自分の純粋な心をなんども取り戻ます。その姿が感動的です。
刑事も新聞記者も結局は自分のためにだけしか生きていません。悲しいことに子どもの純粋な心は大人はもう失っているのです。だからこの国は不正が絶えないのだと思います。子どもが大人になってもきれいな心を持っていられること、それが大切なことだし、そういう風に育てることが教育の使命だと思います。
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