岸田総理大臣が所信表明演説を行い「新しい資本主義」という言葉を使った。富の分配によって中間層を拡大させることなどを目指すのだという。理念としてはとてもいい方針だ。さらに、新自由主義を「深刻な分断を生んだ」として批判し、「成長と分配の好循環」「コロナ後の新しい社会の開拓」という二つのコンセプトのもと、新しい資本主義を実現させると訴えた。ここまで来ると野党の政策なのではないかと思われるような、大きな政策転換である。
しかし分配を目的とした資本主義はむずかしい。自分の利益のためにいきるのが人間であり、だからこそ資本主義の行き詰まりを打開するためには新自由主義しかなかったのだ。岸田総理の発想は単に昔にもどるのようにも思われる。
方針はいいと思うのだが、それを実現するためにはもっと具体的な方策が見えてこないといけない。さもなければ日本は沈みゆくだけになってしまう。いまこそみんなの英知を結集して、「新しい資本主義」の実現を願いたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます