ジャニーズ事務所の元社長ジャニー喜多川氏の性加害がニュースになっている。私はジャニーズ事務所について強い関心があったわけではないが、ネットで見ているだけでこの事件について強い怒りを覚えるようになった。次の3つの問題を挙げておきたい。
問題1 ジャニー氏の性加害の問題
事務所の社長がその権力をもとにして性加害を加えていたことはほぼ事実とみてよさそうである。しかもこれは長期にわたりしかも被害者もかなりの数であったという証言もある。一体いつの時代の話なのだ。オウム真理教なみである。
この真相を解明することが最優先である。警察の介入が必要な事案であろう。
加害者がすでに死んでいるとか、被害者側のプライバシーの問題に言及する人もいる。それは当然考慮にいれなければいけないのは当然であるが、これだけの犯罪をうやむやにして終わらせようとする動きであるとすれば、あきらかな論理のすり替えである。まずは真相の究明が必要なのは明らかである。
問題2 事務所の対応問題
この問題に対する事務所の対応がいい加減だ。あきらかに隠蔽しようとする態度である。現社長は動画で謝罪、説明しただけで、きちんとした記者会見がおこなわれていない。これだけ許しがたい事件が、これで幕引きされたらたまらない。
まずはきちんとした記者会見を開いて、記者からの質問をしっかり受けなければならない。そもそも現社長が「知らなかった」というのはどうやって証明できるのか、その質問についてはきちんと回答する必要がある。そしてこの事件の対応を第三者に依頼する必要がある。自分たちで解決しようとすればどうしても自分に甘くなる。甘くはならないと思っていても、周りの目はそれを信じることはない。信用は帰ってこない。
所属タレントには罪はないというが、事務所の対応がきちんとしなければ所属タレントに対する世間の意識は落ちる一方であろう。
事務所がきちんとした対応を取らない限り、所属タレントもファンも結局は損をする。権力者の権力維持のために、非権力者がつらい立場に追いやられるという構図になってはいけない。
問題3 マスメディアの対応の問題
ジャニーズ事務所は巨大な力を持っていた。その権力によってテレビ局などのマスメディアはジャニーズ事務所に対して何も言えなくなってしまっていた。これがこの問題をさらに隠蔽してしまった。
マスメディアはジャニーズ事務所によって潤ってきた。逆にジャニーズ事務所に嫌われたら大きな損失になる。これが権力機構であり、その権力機構に取り込まれたマスメディアは批判能力を失ってしまったのだ。
ジャニーズ事務所の問題は、日本にはびこる権力構造の問題であり、権力機構に取り込まれやすい日本人の体質の問題でもある。
この問題への対応は、日本人全体の問題である。きちんとした対応ができるか見守り、それができなければ声を上げ続ける必要がある。
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