goo blog サービス終了のお知らせ 

とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

田崎史郎よく言った!(本人の意図は知らないけれど)

2021-06-16 22:00:01 | 社会
 政治ジャーナリストの田崎史郎氏がすばらしい発言をした。

 田崎氏は、「ひるおび!」で、オリンピックが無観客で開催されたとしても「忘れてはいけないことは、日本人の観客は入れなくても観客は入るんです。IOCの主催者側の人たちが数百人か数千人が観客として入るんです」と発言したと言う。

 「そうするとテレビを見ていて、例えば開会式をやっていました。日本人は誰もいませんでした、でもなぜか人がいっぱいいますねと」と例え、もしそうなった場合「そうすると、国内世論的にもたないんじゃないかと。だから観客を出来るだけ入れたいと。そういう事情もあるということです」と説明したという。

 田崎氏は政府を擁護しようと発言したのだと思われるが、擁護どころか、政府とIOCの本音を伝え、政府の観客数にこだわる政府の姿勢の愚かさを明確にしてくれた。さすがに政府の犬、田崎史郎だ。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画『ファーザー』を見ました。

2021-06-15 21:26:03 | 映画
 アンソニー・ホプキンスが今年アカデミー主演男優賞を受賞した映画『ファーザー』を見ました。意図的に視点を混乱させ、見ている観客の認知が混乱してしまう映画でした。狙いが見事に成功しています。

監督 フロリアン・ゼレール
出演 アンソニー・ホプキンス、オリビア・コールマン、マーク・ゲイティス、イモージェン・プーツ

(あらすじ)
ロンドンで独り暮らしを送るアンソニーは認知症による言動のために、娘のアンが手配した介護人を拒否してしまう。しかしアンは新しい恋人とパリで暮らすことになり、アンソニーはアンに日常的に面倒を見てもらうことはできなくなる。アンソニーの認知機能は混乱し、アンは苦しみの中、ある決断をする。

 私自身、老化による記憶の低下はひどくなる一方だ。人の名前はもうほとんどとっさに出なくなった。さまざまなものが覚えていられない。認知症なのではないかという恐怖と闘っている。

 アンソニーの視点による映像は、私自身の混乱のように感じられ、アンソニーの気持ちが痛いほど伝わってくる。この映画は映画でありながら映画ではない。バーチャルな体験をさせられているような作品なのだ。

 その意味で本当に怖い映画だった。そしてこの怖さは悲しくて切ないものだった。

 すばらしい映画でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今の日本は「欲しがりません勝つまでは」状況になっている

2021-06-12 10:46:53 | 政治
 日本政府とIOCはどうしてもオリンピックを開催したいようである。しかも観客を入れてだ。それに対して多くの人が反対の声をあげている。

 普通ならば議論がなされるべきだ。しかし政府は議論を避けている。菅総理は「ボケ老人」を演じているかのような迷答弁を繰り返し、閣僚は論点をずらすだけである。オリンピックを開催するための何らかの意見は言ってはいるが、その根拠がないのである。オリンピックを開催しても大丈夫なのだという科学的な裏付けがない。

 おそらく経済的な問題が一番の根本にあるのであろう。だったらその状況をしっかりと示してほしい。オリンピックを延期できない本当の理由はなんなのか、オリンピックを開催しなかった場合の経済的な損失はどうなるのか。国がどれだけ補償するのか、東京都がどれだけ補償するのか。どの企業がどれだけ損害を被るのか。オリンピックに観客を入れて行わないとどれだけの損害がでるのか。など、試算を出していただきたい。その上で、そうすればそれを最小限にとどめることができるのかを議論することができる。

 日本が本当に経済危機に陥るというのならば、日本国民全体で理解し、一丸となって対応しなければならない。もしそうでないならば、一部の企業のために政府が便宜を図っているということになる。そんなことのためにオリンピックをする必要はあるまい。

 みんなただ単に反対しているわけではあるまい。納得できるような説明がないということに不信感を感じているのであり、そんな納得できないことに協力するために活動を制限されることに怒りを覚えているのである。

 今のままでは、オリンピックを開催するために国民はただ我慢しなさいと言われているだけである。「欲しがりません勝つまでは」とまったく同じである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「羅生門」による演劇授業 「同化」と「異化」

2021-06-08 22:16:49 | 国語
 「羅生門」の授業で演劇を取り入れた授業をしています。下人と老婆を演じてもらう授業です。いくつかの目的がありますが、その一つは「同化」と「異化」を学ぶことです。生徒には次のように説明しています。

 
 演劇には「同化」と「異化」という言葉があります。これは文学でも重要な概念です。

【「同化」】
 私たちは小説を読んでいると、ある特定の人物に肩入れしていきます。ほとんどの場合それは主人公です。いつの間にか主人公の気持ちになっていきます。だから主人公に危険が迫るとビクビクと恐怖を感じ、主人公に緊張すると自分も手に汗をかきます、主人公に幸せが訪れれば自分も幸せになったように思います。これが「同化」です。
 ドラマを見ていても、映画を見ていても私たちはいつも「同化」しています。逆に「同化」できないような作品はあまりおもしろいと思えません。「同化」できるからおもしろいのです。
 今回「羅生門」の劇をやってみました。この時、「下人」の役をやった人は「下人」に同化できたと思います。それによって「下人」の心理をより深く理解できたのではないでしょうか。

【「異化」】
 しかし一方「老婆」の役をやった人はどうだったでしょうか。ほとんどの人は「老婆」の立場で「羅生門」を読んでいなかったと思います。ですから「老婆」の気持ちを理解するのは難しかったのではないでしょうか。しかし、老婆の気持ちが理解できるようになった時、この「羅生門」という小説に新たな意味を発見してのではないでしょうか。下人と「同化」していたときよりもより「下人」のことが理解できるようになったのではないでしょうか。
 これが「異化」作用です。つまり「異化」とは「同化」するはずの「下人」を「同化」しないで、客観視することです。

【「同化」と「異化」の循環運動】
 私たちは「下人」と「同化」することによって小説を深く読むことになります。しかし「同化」だけしていると逆に「下人」の真の姿が見えなくなります。時には「異化」することによってより深く知ることになります。このように「同化」と「異化」を繰り返しながら、より深く読むことにつながります、深く読むために「同化」と「異化」の循環運動をすることが大切です。

【「異化」と「メタ認知」】
 最近、「メタ認知」という言葉を耳にするようになりました。「メタ認知」とは自分を客観視することです。つまり「異化」と同じです。自分を客観視することによって逆に自分のことがよくわかるようになります。困難にぶち当たった時、一歩引いて自分を客観視してみると意外なところに解決方法が見えるときがあります。それが「メタ認知」です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

舞台『終わりよければすべてよし』を見ました

2021-06-06 16:36:08 | 演劇
 シェークスピアの『終わりよければすべてよし』を、宮城県の名取市民文化会館で見ました。新型コロナウイルスのために生の舞台を見る機会は減っていたので、本当に楽しみにしていました。シェークスピアの中では解釈しにくい作品だということですが、余計な解釈を加えずきっちりと演じていました。そのためにこの作品の不思議さもしっかり伝わり、さらに、それが人間の真実なのではないかと感じることになりました。いい舞台を見せてもらいました。

演出 吉田鋼太郎
出演 バートラム:藤原竜也
ヘレン:石原さとみ
デュメイン兄弟:溝端淳平
ラフュー:正名僕蔵
ダイアナ:山谷花純
デュメイン兄弟:河内大和
ルシヨン伯爵夫人:宮本裕子
パローレス:横田栄司
フランス王:吉田鋼太郎

 この作品、普通に考えれば単なるドタバタ喜劇です。ヘレンにしてみればなんだかんだとあった上で、バートラムと結婚できたというハッピーエンドですが、バートラムにしてみれば、結婚なんかしたくなかったヘレンと無理矢理結婚させられてしまったという話です。ヘレンだって、こんなにひどい男と結婚して幸せなんだろうかと思わされます。それでも「終わりよければすべてよし」の一言で済まされるわけですから、まともな話ではありません。

 しかし実はこれが人間です。時には真面目に、時には真剣であっても、その裏にはいい加減で、卑怯な本質があるのです。そんな人間たちがごちゃごちゃ生きているのが社会なんだから、この一見でたらめに見える劇は真実を言い当てていると言えるのかもしれません。

 すぐれた役者のしっかりとした演技が、深く人間を描いているように感じられる舞台でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする