世界の街角

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シリーズ⑧:タ・パ・カオハイ窯址

2016-10-29 08:19:29 | 窯址・タイ
<続き>

これから訪問してみようと思われる後学の方々のために、所在地から紹介したい。ピサヌロークの北部郊外に位置している。
赤丸と朱記したタイ字が、ワット・タ・パ・カオハイとタ・パ・カオハイ窯址をしめしている。先ずワット・タ・パ・カオハイと、行先をタクシーに示して向かうことになる。
寺院入口の山門である。この山門を潜り境内を横断すると、ナーン川沿いの土手道に至る。
寺院と窯址の位置関係については、上のグーグルアースに示した。寺院の境内を奥に進むとナーン川沿いの土手道にでる。そこを北に20m程度であろうか、窯址の覆屋が見える。そこが窯址である。



窯体に比して煙道が大きい窯で、全長は目分量で8m程度の楕円形をしている、横焔式単室窯で地上式の煉瓦構築である。窯の中に土砂が流れ込み、障焔壁の高さが、どれほどか?・・・現認できなかったのが残念である。
写真では見にくいが、矢印が雨季末期の増水したナーン河畔である。従って川土手を降りて、陶片を探す芸当はできない。そこで仕方なく土手を探索するが、期待した陶片に出会わない。なんとか2点収集した。
右が灰釉か黒褐釉が掛かった、瓶か壺の陶片で左は無釉陶片である。これでは当該タ・パ・カオハイ窯で、どのような焼物が焼成されていたかは分らない。
幸いであろうか寺院の境内の一角に、線香や蝋燭、蓮花などを販売する売店があり、そこのショウケースに数点の陶磁器が展示されていた。そこのおばちゃんに聞くと、窯址の周辺から出土したとのことだが、出自が記録されていない為、今一つとの感は拭えないが、まさか遠隔地から持ち込んだとは思えず、タ・パ・カオハイ窯の焼成品であろうと思われる。

焼締めと灰釉陶磁であった。鉄絵の鉢はスコータイか当該タ・パ・カオハイ窯か不明である。先のチンナラート国立博物館は、地元のタ・パ・カオハイ窯の焼成品を展示する、なかば義務があると考えるが、そのような展示はなく、結局どのような陶磁を焼成していたのかとの確証を、何も得ることができなかった。
境内の一角にラーフー神像を見た。上の像がそれである。どうもタイ全土にあるようだ。

                                <続く>


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