<続き>
先に錫鉛釉緑彩盤の写真を3点掲載した。そのうち2点は鳥が主文様である。これはハムサ(ハンサ)と呼ぶ霊鳥で、白鳥ないしは白い鵞鳥で、ヒンズー教におけるブラフマー神の乗り物である。
つまり、Mon族の地はヒンズー教が流布された地で、モウラミャイン(モン州)の南であるマレー半島も同じである。彼の地は現在もヒンズー寺院とイスラムのモスクが共存する。マルタバンもモウラミャインも行った経験はない。過日、グーグルアースを見ていると、モウラミャインの南にヒンズー寺院の写真が掲載されていた。錫鉛釉緑彩盤に鳥文様が、多い理由が理解できる。
そのヒンズー寺院の対面に、独立峰とも呼ぶべき小高い岩山がある。その独立峰をナガ(蛇のナーガとは異なる)山と呼ぶらしい。とすれば、これも仏教徒のナガ族と関係があるのか? いずれにしても、これは須弥山に見立てられたものであろう・・・等と、暫く夢想の世界に遊ぶことができた。そのナガ山の写真をグーグルアースから借用して掲げておく。
自己満足と云うか夢想・妄想の長文を綴ったが最後である。Kaw Don村の窯形状については、続報を待たなければならない。津田武徳氏はダゴン(ヤンゴン)の南で、ヤンゴンからフェリーで川を渡り、トワンテの手前に在るパヤジーの窯跡を発掘調査された(出典・東南アジアの古陶磁9:富山市佐藤記念美術館刊図録)。C-14年代法で測定した結果は16世紀中頃を示すという。このパヤジーの窯は、日干し煉瓦の横焔式地上窯で長さ15.9m、幅5.8mであったと記載されている。北タイのパーン、シーサッチャナーライ、スコータイの窯と似ているとも記載されている。
東南アジアの窯形状は、ほぼいずれも横焔式単室窯で、大きくは地上式と地下式の2系統に分かれる。その中で地上式は、大雑把ながら長方形と楕円形に分かれる。
(図上、黄色は横焔式単室窯の地下式、半地下式分布、青色は長方形の地上式、赤色は楕円形の地上式の各分布を示す)
以下、写真を御覧願いたい上からパーン・ポンデーン窯址(チェンマイ国博へ移設復元)、シーサッチャナーライ窯址である(パヤジー窯址については、「東南アジアの古陶磁(9):富山市佐藤記念美術館発刊」を参照願いたい)。
時代背景がやや異なることもあり、同一視はできないが、窯形状は似ていると云わざるを得なく、同じような楕円形の横焔式単室窯の地上式である。Kaw Don村の窯址はどのようであったろうか? 上の図のようにシーサッチャナーライ窯址と同じ、地上式で楕円形の横焔式単室窯であったろうと思われる。続報が待たれる。
<了>
先に錫鉛釉緑彩盤の写真を3点掲載した。そのうち2点は鳥が主文様である。これはハムサ(ハンサ)と呼ぶ霊鳥で、白鳥ないしは白い鵞鳥で、ヒンズー教におけるブラフマー神の乗り物である。
つまり、Mon族の地はヒンズー教が流布された地で、モウラミャイン(モン州)の南であるマレー半島も同じである。彼の地は現在もヒンズー寺院とイスラムのモスクが共存する。マルタバンもモウラミャインも行った経験はない。過日、グーグルアースを見ていると、モウラミャインの南にヒンズー寺院の写真が掲載されていた。錫鉛釉緑彩盤に鳥文様が、多い理由が理解できる。
そのヒンズー寺院の対面に、独立峰とも呼ぶべき小高い岩山がある。その独立峰をナガ(蛇のナーガとは異なる)山と呼ぶらしい。とすれば、これも仏教徒のナガ族と関係があるのか? いずれにしても、これは須弥山に見立てられたものであろう・・・等と、暫く夢想の世界に遊ぶことができた。そのナガ山の写真をグーグルアースから借用して掲げておく。
自己満足と云うか夢想・妄想の長文を綴ったが最後である。Kaw Don村の窯形状については、続報を待たなければならない。津田武徳氏はダゴン(ヤンゴン)の南で、ヤンゴンからフェリーで川を渡り、トワンテの手前に在るパヤジーの窯跡を発掘調査された(出典・東南アジアの古陶磁9:富山市佐藤記念美術館刊図録)。C-14年代法で測定した結果は16世紀中頃を示すという。このパヤジーの窯は、日干し煉瓦の横焔式地上窯で長さ15.9m、幅5.8mであったと記載されている。北タイのパーン、シーサッチャナーライ、スコータイの窯と似ているとも記載されている。
東南アジアの窯形状は、ほぼいずれも横焔式単室窯で、大きくは地上式と地下式の2系統に分かれる。その中で地上式は、大雑把ながら長方形と楕円形に分かれる。
(図上、黄色は横焔式単室窯の地下式、半地下式分布、青色は長方形の地上式、赤色は楕円形の地上式の各分布を示す)
以下、写真を御覧願いたい上からパーン・ポンデーン窯址(チェンマイ国博へ移設復元)、シーサッチャナーライ窯址である(パヤジー窯址については、「東南アジアの古陶磁(9):富山市佐藤記念美術館発刊」を参照願いたい)。
時代背景がやや異なることもあり、同一視はできないが、窯形状は似ていると云わざるを得なく、同じような楕円形の横焔式単室窯の地上式である。Kaw Don村の窯址はどのようであったろうか? 上の図のようにシーサッチャナーライ窯址と同じ、地上式で楕円形の横焔式単室窯であったろうと思われる。続報が待たれる。
<了>
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