小島教育研究所

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去年の今頃、あなたは何をしていましたか?なでしこジャパンの活躍を見て。

2011-07-21 | 日記

女子サカーの「なでしこジャパン」はよく頑張った。

女子リーグ結成30年

ワールドカップ挑戦20年

やっと掴んだ栄光

あらゆる面で男子と比較にならない、劣悪な環境にめげず、ついに頂点にたつ。

お見事というほかない。

「自分たちが勝つことによってしか、女子サッカーは認めてもらえないんだ。」

という認識の下、よくぞ頂点を極めた。

勝負に勝つとは、日頃からのなみなみならぬ努力が必要なのは言うまでもない。

しかし、努力をすることは、敵も味方も同じ。ならば、どこで勝負、勝敗がつくのだろうか。

 

昨年の今日7月21日、私は教え子の一人である、M君の自宅を訪問していた。

M君は高校3年生。幼い頃より囲碁をたしなみ、中学、高校時代は全国大会の愛知県代表を務めてきた。全国大会出上の常連ではあったが、全国大会の予選リーグ(5名による総当り)を勝ち抜けず、一昨年までは予選敗退。最後の年となる高校3年生。少しでも成果が出せるよう2,3のことをアドバイスするために、早朝から彼の自宅にお邪魔した。

自身の体験から、「全国大会に出場してくる生徒の実力にはそれほど差はない。では、どこが勝利の分け目になるか。それは、どれだけ平常心でおれるかにすべてかかっている。実力以上のことをやれとは言わない。実力どおり、普段どおりの碁を打て。対局場が自宅の居間だとおもってみよ。顔なじみの選手がいても、軽口はたたくな。ひたすら冷静に振るまえ。

勝ち進むにつれて、周りが騒がしくなってくるが、ひたすら冷静でいろ。「碁を楽しめ」なんて自分は決して言わない。苦しんで、もがいて、もうだめだといった瞬間にも勝機は必ずあるものだ。大いに、冷や汗、脂汗をかいてらっしゃい。自分が苦しいとき、相手も苦しいのだから。

 

概ね、以上のような話をして、彼を全国大会に送り出した。

 

彼が中学3年のときのこと、彼の数学試験の答案を前に、「実にシンプルで、無駄な言葉がなく、本質を捉えた答案だ。一体彼は、何部の生徒だろうか?」と彼の素性が気になっていた。授業後の放課、彼の教室を覗くと、彼が囲碁の本を読んでいた。とっさに、彼の答案の背景が分かった気がした。教室に入ると、囲碁のこと、将来のこと、家族のことなど一通り話してくれた。

 

私自身、囲碁については、個人的に大学時代、お世話になった人へのお礼で、囲碁を覚え、その方と対局してきた。めぽう強いので、先輩は何段でいらっしゃるか伺うと「アマ5段です。」とのご返事。どおりで強いわけだ。その後、しばらくして、先輩が学生時代、大学囲碁部の主将であることを聞き、その強さが半端でないことを確信した次第です。

 

インターネットの速報を確認すると、M君は順調に勝ち進み、予選リーグは4勝0敗で勝ち抜けた。

決勝リーグでも順調に勝ち進み、とうとう決勝進出を果たした。

決勝でも、序盤、中盤、彼の強さは遺憾なく発揮された。優勢に戦いを進めていたが終盤にかけて、思いもかけぬ反撃にじりじりと失地し大差で敗れた。一瞬の気の緩みが惜しまれる。敗れたとはいえ、立派な全国大会準優勝。M君おめでとう。

 


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