小島教育研究所

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インターネット前夜の頃、徳田英幸先生に聞くCMU(キャンパスネット)の秘密。

2011-07-26 | コンピュータよもやま話

みなさん、インターネットが身近になって便利になりましたね。何億台の端末があっても、たちどころに識別して、メールも簡単に送れますし、携帯電話もすぐ繋がりますね。

以前、各会社にはコンピュータ専門の部門があり、社内のコンピュータ資源の管理は彼らに任されていました。(もちろん、今でもそうでしょうが)しかし、決定的に今と異なるのは、管理する対象の端末数が驚くほど異なることです。1980年代初頭まで、一人で管理できる端末はせいぜい20台くらいまででした。例えば端末が2000台あるとすると、約100名のコンピュータ要員が必要とされていました。これは、なかなかいい数字で、金融機関はこれを元に、要員数をきめていたのではと思われます。また、コンピュータネットワークも、商用では2000台くらいの接続が限界かといわれてきました。ミニコン界の雄、DECの社内ネットとして有名だったDETネットも2000台のコンピュータが繋がったものです。また、キャンパスネットワークとして有名だった、MITでも学内の端末は2300台位が限度でした。

そんな折、キャンパスネットワークで、CMU(カーネギーメロン大学)は6700台が繋がっているという情報に、調査目的でCMUを訪れました。対応に表れたのは、なんと日本人ではないですか。1980年代末1990年まで残すところわずかな時期、破格の6700台の端末を管理している要員数を尋ねると、「自分を入れて4名です。」とまた人を驚かす、極小人数!!その秘密を再び尋ねると、新たな端末を接続すると、どこにどんな端末が接続されたか自動的に管理する「ネームサーバー」のおかげで、4名でなんとか管理できているのですよと、その日本人の方に、親切に教えていただけました。「ネームサーバー!!」コンピュータのネットワーク空間を一元管理するのに、人手ではなく、機械(サーバー機)を利用する点がまず優れており、新たな端末の接続まで監視プログラムで管理するその手法の見事さにあっけに取られていました。

今日のインターネットを支えている技術の中で、パケット・通信その他の優れた技術が数ある中で、このネームサーバーが最も優れた発想、技術だといまでも思うのは、私だけではあるまい。

せっかく日本から来たのだからと、ささやかな歓迎レセプションを開いてくださり、素敵な夕食会を楽しむことが出来ました。

話を聞くと、なんと自分と同じ大学出身ではありませんか。CMUにこられて、5年ほど経過していること、最近お子さんが(当時3歳?)がマッキントッシュで絵を描いたり、作曲ソフトで音楽を造ったりしてしている姿を見ると、頼もしい反面、どんなものを子供に与えたらよいのかを、大人が真剣に考えないといけない時期にさしかかっていますね。コンピュータは今も昔も、そしてこれから先も我々に夢と希望を与えてくれるいい道具だと思います。概ね、以上のようなお話をしてくださいました。

当時、CMUでは分散OS、MARCH(マークと発音する)を研究開発しており、彼、徳田英幸氏はその研究をここCMUでなされていた。

後年、インターネットが爆発的に普及するにおよび、改めて、「ネームサーバー」機構の技術的発想の見事さに感心した次第です。

我々絵がCMU訪問してまもなく、徳田先生はSFCに助教授として着任された。また徳田先生は、IBMより日本人初のAwordを受賞されたことも記憶に新しい。

徳田先生たちグループの発想が、今のインターネットの技術を支えているのです。

 


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