歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

虹の架け橋・・・彼方にあるのは?

2009-07-20 01:26:51 | Weblog
夕食介助の最中、誰からともなく、
「虹!」「虹が見えるよ!」
迷わず手を止め、カーテンから覗くが・・・見えない。
方向が違うのね。
この際だから、もう、観にいこう!

東の空に大きくかかる虹の架け橋。
何年ぶりだろう・・・。
ゆっくり鑑賞している暇はなかったが、心が軽くなった。
そうそう、昨日も緊急入院したご入居者のお見舞い帰りに、
車窓からだったが、打ち上げ花火を見ることが出来た。
(なんで電車遅れてるんだ?)と思っていたのが、花火だったというわけ。
沿線の行事など、うといんです。

思いがけなく、思いがけないものを観ると心が少し弾む。
まだ乙女チックなところがあるのか(笑い)
いいことがありそうな気がしてくる。


職場では、彼方が見えなくなりつつあるもどかしさ。
限定したスタッフに対するクレーム。
入居者同士のトラブル。
入居者+家族のトラブル。クレーマークレーマー。

「お年寄りって枯れるって言いますよね。」
私の知る限り枯れるなんてありえない。煩悩は年齢と関係ない。
中には「枯れる」方もいらっしゃる!
99歳で亡くなるまで枯れない方もいらした。
で、スタッフは高齢だからと自分のペースのケアを押し付けると、トラブルになる。
高齢で人生経験が豊富だから、自己が確立している。
人を見る目も確かである。

「私は気に入ってもらってる!」
そう自分が思い込んだときは要注意だ。
何を言っても許されるのとは違う。

クレームのあった家族は、こちらが謝ると、
「我儘だから、すみませんねえ。」とは言われるが、「我儘を通して」が本音である。
共同生活上のトラブルは、お互い様。
しかし、「お互い様」に行き着くまでに押したり引いたりする舵取りが必要となる。

勤務時間の半分はクレーム処理。入居者とお話して隠された本音を引き出す。
最近、後の半分が入院付き添い。
いったい何をしているんだろう?と思う。


仕事の合間の、ほんの10秒でも「虹の架け橋」を観られて良かった!
けど、疲れたア・・・