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歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

盗られ妄想の原因は・・・?

2009-07-26 22:36:49 | Weblog
私のまわりで盗られ妄想の対象が3件出ている。

詳しくは書けないが、「盗られた!」と名指しされる犯人は、
比較的、親しく付き合ってきた他人。
その中には「ギリの関係」が含まれる。
法律上でどのような近親関係になっていても、
「以前から信用していなかった」
「自分の名義のものを勝手に処分する」
「ン千万円盗られた」

財産の話題を出そうものなら、表情がこれまで見たことがないほど豹変する。
まさに「怒り心頭」である。
認知症のなせる業なのだが、犯人扱いされているほうは、
「もとから持っていた性格を病気になる前は隠していたのではないだろうか?」
と、疑心暗鬼になるようだ。
大好きだった人の暗闇を見てしまったように感じてしまう。

「他にも同じような方がいらっしゃるんですよ。」
「一番身近でお世話した方が対象になってしまうようですね。本当に気の毒だと思います。」

このようにお話しすると「あ、他にもあるんですか」と、自分だけではないのだと安心なさる。

妄想は、その方にとっては「事実」である。
否定しても治まらないし、エスカレートしていく。
否定し続ければ、こちらも「犯人」の仲間だと誤解され信用を失う。
入居者からも家族からも本音を引き出し、関われる立場にいないといけない。


入居前から妄想が出現していた方の家族は、心を開いてくださるまで時間がかかる。
こちらが信用できるかどうかを見ておられるのではないだろうか。
「何をどうせよと思っているのかなあ?」
「どうして会いに来ないのだろう?」
靴の上から足を掻いているような感じなのだ。
どうにか関わりに困っているところや、付き合い方などを話し合うことが出来るようになった。

どの方も1年がかりである。
面談の時間は盗られ妄想のない方より時間もかかる。
ケアマネジメントは家族の援助を含めてだと思う。


盗られ妄想は、一番身近で世話をしてくれた人が対象になりやすい。
情けなく辛いことで、対象になってしまった人の心の傷は深い。

血が繋がっていないという事は、認知症になると、それまで実の親子姉妹以上に付き合っていても、その人にとっては「信用というエニシ」が切れてしまうようだ。


現場とケアマネ業務と50%づつで勤務している中で、スタッフに負担をかけないように面談を丁寧に行うのは至難の業である。
「面談日を決めてもらったら」
「土日をケアマネで出勤したら」
とか、いってくれるが、面談も勤務日も私だけの都合で決められるはずがない。
「どこに言えばいいの?私がいう」とかよく言ってくれる。
そういう君のおかげで残業が増えていたというのに。
気付かないのは当人ばかりなり・・・か。

最近、疲れがたまると咽喉に炎症が残る。
このところ、ずっとイガイガ・・・。
昨日なんか研修だったので、ほとんど喋っていないのだけど?
会社内で本音で話せる相手がいない。
愚痴なんか、ウッカリ言えない恐さがある。

「**さん(スタッフ)がそうしたいのなら好きなようにしたら」
時々こういう返答をしてしまう。
投げやりなのかな?
命にかかわらなければ、ド~でもいいと思ってしまう。