毎日が夏休み

LEAVES THAT ARE GREEN TURN TO BROWN

17ページ 6行目 196

2017-03-09 23:54:54 | 本 2

 

今回は図書館でだいぶ前に予約していた本、それも上下巻が2セット4冊、

さらに極地本が2冊も届き、図書館本はありがたいけれどどうしてこう一度に届いてしまうのか、

私の意思で操作できればいいんですけどね、これだけはいつまわってくるのかわからないので、

西加奈子さんのサラバ! なんて600番待ちだったのが忘れたころに届いたし。

ちなみにこのサラバ! の装画も上下巻でつながらないかとあちゃこちゃいじっているのですが、

なんだかパズルの絵合わせみたいな図柄となっているのだけれど、これは無理かなぁ。

成功したら次回登場となることでしょう。

 

それでは今回は2月19日から今日3月9日までに読んだ本の17ページの6行目をアタマから書き写しています。

あとは感想にも紹介にもならない雑文です。

 

 

 

 

 

 ミスター・メルセデス 上/スティーヴン・キング 白石朗訳

 

 ミスター・メルセデス 下/スティーヴン・キング 白石朗訳

 
 

・・・キングの上下巻は次の人が待っているだろうなと早々に返却し、

17ページの6行目に何が書いてあったのかメモるの忘れてしまいました。

 なので、私が「やっぱりキングだわ」と感激した一文を。

 

四方八方クソだらけだ。

  

今作のキングは便器の中にグログロのエイリアンが詰まっていたり、

死を予告する猫や首の縫い目からタバコの煙がもれる化け物もヴァンパイアも出てきたりしない。

くそ(失礼)はいっぱいでてくるけれど。

今回のキングはミステリー。

しかも、アメリカ最高のミステリーに与えられるエドガー賞受賞。 

ミ、ミステリー。

いったい中はどうなっているんだ、と開いてみたらやっぱりそこはキングの世界でした(笑)。

グレイのメルセデスが職を求めて並ぶ人々の列に突進、容赦なく逃げ場の無い人たちを轢き撥ね走り去る。

その犯人を逮捕することができぬまま退職したのが主人公の退職刑事ホッジス62歳。

メルセデスの持ち主オリヴィアは車を降りる際にきちんとキーを抜き、

ドアロックをしたと主張するものの誰かが車をこじ開けた痕跡が見当たらないため信じてもらえず、

キーをつけっぱなしのまま路上駐車しているところを犯人が盗み犯行に及んだとみなされてしまう。

キーの提出を求められ差し出したのはむき出しの、キーホルダーもアクセサリもなにもついていない鍵1本だけ。

スペアキーの提出も求められるが、最初からキーは1本しか受け取っていないと主張。

断然不利な状況の中オリヴィアは自殺をしてしまう。

だれもが、自分(オリヴィア)の犯した罪の重さ―直接オリヴィアが人々を轢き殺したわけではないけれど、

キーを挿しっぱなしのまま車を離れなかったらこの事件は起きず、

8人もの命が奪われずにすんだ―そのことに耐え切れずに自殺したと結論づけたのだけれど、

オリヴィアの妹ジャネルが登場し、そこからじりじりとからくりが明らかになってゆく。

 

にしても。やっぱりキングは何をどの本を読んでも「必ず最後に愛は勝つ」で、

密かに水戸黄門に通じるのかなと思ってしまう。いつもそうだけど。

序盤の、ジャネルが登場して姉オリヴィアのことを語るまでが長かった。

そこを過ぎると後はすいすいすいすいとあっという間に読了。

 

にしても。やっぱりキングは恋愛系はどうも下手(巨匠に対して失礼ですが)だなぁと思ってしまいます。

愛情友情人情はもう鷲掴みなのに、恋愛パートとなるとどうもどうも。

今回も無理がある設定&背景だなと思ってしまったのは、

どうも私のアタマの中で退職刑事ホッジスのイメージが毒蝮三太夫で固定化してしまったからでしょか。

彼と行動を共にする高校生のジェロームはオコエ瑠偉、

同じく行動を共にするオリヴィア・ジャネル姉妹のいとこのホリーは「ラスト・フライデー・ナイト」のケイティ・ペリー、

下巻はこの三人がアタマの中で行動していました。

で、この「ミスター・メルセデス」は三部作の第一作目だそうで、

アメリカではすでに第二作第三作発売されていると訳者あとがきに書いてあった。

極地本以外では北欧ミステリーを立て続けに読んできたので、

ちょっと感覚的に開きがあるけれど、

やっぱなんといってもキングが好きなので次回作も読んでしまうこと、間違いなし。

 

 

おまけ

 と 

 

互い違いにくっつけると

 

 

 

 

  。

これって携帯画面でみたらバラバラになっちゃうのかな。

 

 

 

 

 

  ザ・ロード/コーマック・マッカーシー 黒原敏行訳

 夢の中で彼の青白い花嫁が緑の葉むらの天蓋から出てきた。乳首には白い粘土が塗られ肋骨の

 

いつの話なのか、どこの国なのか、何故灰色の世界になったのか、

子供の名前も父親の名前も年齢もいっさいわからず、

「火を運ぶ」ため南に向かう親子。

何から逃げているのかどこに向かっているのか何故そうするのかなど具体的な説明は一切なし。

余分な読点もなし。なのに読み応えはずっしりあります。

隠れる場面が何度も出てくるのですが、私なら灰で咳が出て一発でアウトだな。

このお父さんのようなサバイバル技術DIYの技量もないし。

 

 

 

 

 

  シャクルトンの大漂流/ウィリアム・グリル 千葉茂樹訳

 

17ページはエンデュアランス号出航の絵でした。

岩波書店から出ている大型絵本。

評判がいいみたいなので借りてみたけれど、わかるわ、シャクルトン愛が溢れている。

このウィリアム・グリルさんはシャクルトンが大好きなんだろうな。

すっごく丁寧なつくりになっています。絵も選ぶ言葉も展開のスピードも。巻末には用語解説までついている。

隊員一人ひとりの絵に名前、犬の名前(アムンセンという犬もいた! )、

地図(特にサウスジョージア島内部には驚いた)や航路、ファンにはありがたい細かさで、

先を見込んで孫用に一冊というか実は私が欲しいだけなのだけど、

だけどやっぱり「エンデュアランス号漂流記/アーネスト・シャクルトン」,

「エンデュアランス号漂流/アルフレッド・ランシング」だよな。

この絵本を読んでシャクルトンに心動いた少年少女がもう少し大人になったとき、

上記の2冊のどれか(ランシングのほうが読みやすい)読んでくれたらなと願います。

 

 

 

 

 なぞの宝庫・南極大陸 100万年前の地球を読む/飯塚芳徳+澤柿教伸+杉山慎+的場澄人

 

17ページは目次でした。

前半はわかりやすかったけれど後半の地質学の話となるとついていけませんでした(汗)。

で、歴史としてアムンセンとスコットのことが書いてあるのだけれど、

これがスコットよりの書き方(私にはそう感じた)で、もっとフェアな立場で書き残して欲しい。

確かにアムンセンは南極点目指してまっしぐら(別動隊は沿岸部の地図作成をしている)、

スコットは標本採取もしながら進み最終キャンプまで(記憶が正しければ重さ30キロはあったと)人力で運んだけれど、

それはスコットの後ろには王立地理学協会があり学術調査も目的に含まれているのに対し、

アムンセンは個人負担(負債だらけ)の南極点初制覇を目指した探検隊だからであって、

地質学の専門家の立場からみるとスコットが持ち帰った貴重な標本から得られた数々の功績は称えられ、

アムンセンはああいう書き方になってしまうんだろな。

心の中で個人的に思うことと文字にして本に残すこと。もう少し違った書き方があったのでは。

 

 

 

 

 ジュニアサイエンス 北極・南極探検の歴史 石沢賢二監訳 鈴木理訳

 

これはヒットでした。ジュニアサイエンスだけあって私レベルにぴったりマッチ。

極地だけではなくノンフィクションも小説もそうですが、

詳しくわかりやすい地図が添えてあると理解度がぐぐんと違います。

まして北極の小さな島々の間の航路となると、言葉だけではつかみきれないものがあります。

もちろんこの本でもアムンセンとスコットの南極遠征の話が取り上げられているのですが、

フェアな立場できちんと書かれていて、さすがジュニア向け、えらい

(逆に丁寧過敏に配慮しすぎな感じもしますが)。

極地入門には最適な一冊なのでは。これも欲しい。

最近は「私が死んだら・・・」なんて考えてしまい、ちょっとマイノリティー的な本を買うのに抵抗があって、

エロ本が山ほど隠されていたよりはいいけれど、

極地本や死ぬか生きるかサバイバルノンフィクション本が何冊も何冊も残るのもどうかなぁ。

娘困るか、笑うか、泣くか。

といいつつ、フランクリン隊とシャクルトンのニムロド号の本読みたいのだけれど、あるのかなぁなんて探してたりして。

 

以上、196回目でした。

 


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