■メンフィス・ベル [Memphis Belle]
■1990年 アメリカ映画
■監督…マイケル・ケイトン・ジョーンズ
■音楽…ジョージ・フェントン
■出演
☆マシュー・モディン(操縦士デニス)
☆エリック・ストルツ(無線士ダニー)
☆テイト・ドノヴァン(副操縦士ルーク)
☆D.B.スウィーニー(航空士フィル)
☆ビリー・ゼイン(爆撃手ヴァル)
☆ショーン・アスティン(旋回砲手ラスカル)
☆ハリー・コニック Jr.(後部砲手クレイ)
☆リード・エドワード・ダイアモンド(上部砲手ヴァージル)
☆コートニー・ゲインズ(右砲手ユージーン)
☆ニール・ジューントーリ(左砲手ジャック)
☆デヴィッド・ストラサーン(中隊長)
☆ジョン・リスゴウ(デリンジャー大佐)
【ネタバレあります】
戦争映画といえば、「正義の」アメリカが「悪い」敵国をやっつける「勧善懲悪」パターンや、主人公の戦いぶりを英雄的に描くものなどが典型的なパターンですが、この「メンフィス・ベル」は、それらとは少し趣を異にします。
マシュー・モディン(デニス) エリック・ストルツ(ダニー)
スターがキラ星のごとく出演している従来の大作に比べると、どちらかといえば地味な出演陣(といっても、「グーニーズ」のS・アスティンや、「フルメタル・ジャケット」のM・モディンらの顔が見えます)だったため、あまり期待せずに見たのですが、
とてもよかったです
舞台は、1943年5月、イギリスにあるアメリカ空軍の基地。
「メンフィス・ベル」と名乗る爆撃機B-17は、今までの24回の出撃を無事に終えたアメリカ第8空軍唯一の機で、その強運ぶりは部隊中に轟いています。
25回目の任務を終えると、10人のクルーには除隊が待っているのですが、最後の出撃として、ドイツのブレーメンにある軍需工場への爆撃命令が下されます。猛烈な対空砲火や戦闘機の襲撃が当然待ち構えていて、無事の帰還は望めそうにありません。
メンフィス・ベルは、最後の最後で幸運から見放されたのでしょうか。
この映画の面白いところは、戦争映画なのにもかかわらず、おもな出演者(つまりメンフィス・ベルのクルー)は誰ひとりとして死なないことです(正確には、他の機が撃墜されたりはしていますが…)。
出撃後、敵機の攻撃を受けて、僚機が次々に撃墜されてゆきます。メンフィス・ベルも敵弾を何発も受けまるのですが、奇跡的に乗組員は無傷です。
ようやく目的地に着くのですが、目標の軍需工場が見えないため、隊長のデニスは部下の反対を押し切り、危険を冒して上空を旋回し、チャンスを待ちます。周囲に学校や病院があるため、無差別爆撃を避けようとするんです。
ショーン・アスティン(ラスカル) ビリー・ゼイン(ヴァル)
帰還途中もさまざまなアクシデントに見舞われます。そしてダニーが瀕死の重傷を負い、一時は敵の救助を期待してダニーにパラシュートをつけて飛行機から落とそうとさえするのです。
ようやくのことで基地にたどり着きますが、燃料はなくなり、しかも片方の車輪が出ない。
ラストの3分間は、スリリングで感動的。
バックで流れている「ダニー・ボーイ」が興奮を高めてくれます。
娯楽作品として見ても、とてもスリリングで面白い映画です。しかし、戦争映画でありながら、「敵を倒す痛快なもの」ではなく、「生き抜くこと」に主眼を置いた作品ではないでしょうか。
あくまで爆撃は軍需工場に限定するのかどうか、重傷者を助けるためにパラシュートを着けさせて落下させるかどうか、これらのさまざまな葛藤は、同時に「人間の尊厳」という命題をぼくらに投げかけているような気がするのです。
「戦争映画って、ちょっとどうも…」と思っているけれど、社会派映画は好き、という人におすすめできる作品かもしれません。
出演者の中に、ジャズ・シンガーのハリー・コニック Jr.の姿も見えますね。劇中、出撃前のパーティの席で、名曲「ダニー・ボーイ」を歌ってくれています。甘く、深みのある歌声、ステキですよ。
ハリー・コニック Jr. (クレイ)
『メンフィス・ベル』予告編
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「マスク」や「恋しくて」
その後のこの「メンフィスベル」
彼の演技はとても暖かなものが多い。
一番のお勧めは「恋しくて(Some Kind Of Wonderful)」だけれど。。。
予告編の印象からすると、友情物語の雰囲気もありますね。
この映画は観ていないんですが、こちらを真似っこした(?)日本映画「君を忘れない」は何故か観にいったんですよ。友達がキムタクファンなので無理矢理連れて行かれました(笑)
ポスターの雰囲気などもそっくりなんですよ。
ぼくは彼の出演作はたぶんこれしか観てないんですよ。「マスク」は持っているので、どこに出ているか見直してみたいと思います~
そういえば彼は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主役を演じる予定だったそうですね。
あ、違うんですよ、ジョージさんとはこの下の記事のジョージ川口さんのことだったんです~ わかりにくくてスンマソン。(^^;)
そうですね、「友情」もありですね。でも普通の友情とはちょっと違う、いわゆる戦友の友情、でしょうか。
「君を忘れない」は観てないんですが、松村邦洋さんも出てましたよね、たしか。あんなに太ってて戦闘機に乗れるんかいな、と不思議に思っておりました。あ、ポスター、たしかに似た感じがしますね。