♪ヒゲとキャップがトレード・マーク。
もう何年も前の、ある夜のこと。
ぼくのところに「助けると思って楽器貸してください。お願いします~」という電話がかかってきた。
事情を聞いてみると、どうやらツアー中のあるミュージシャンが、不測のトラブルのために自分の楽器が使えなくなって困っているという。しかも開演まで30分ほどしかないらしい。
とりあえずエレキ・ベースでいいというので、すぐに楽器を持って家を飛び出した。
現場で待っていたのは、金澤英明という名の、ヒゲじゅう顔だらけの、いや顔じゅうヒゲだらけのベーシストだった。
そのまま客席に座らせていただき、至近距離でライブを楽しませてもらった。
存在感たっぷりな金澤さんの演奏にとても感銘を受けたので、ライブ後に話をさせて頂いた。
ぼくはその頃、ある音楽的な悩みを抱えていたので、「溺れる者は藁をもつかむ」の心境で思い切ってその悩みを打ち明けてみた。金澤氏は真剣に耳を傾けて下さった。そして、的確なアドバイスと熱い励ましの言葉をかけて頂いた。
おかげで、その夜を境に、ぼくは少しふっ切れた。
ライブのあと金澤氏は、「お礼に」と、自分のリーダーCDを下さった。しかもメンバー全員のサインを自ら貰って下さった。ちなみに、近藤房之助、ケイコ・リー、東原力哉、小山英樹というのがその夜のメンバーである。(豪華!)
「Bass Perspective」というそのアルバム、歌とベース、ドラムとベース、など、ベースとのさまざまな形のデュオを収めた、とても面白いものである。
「Bass Perspective」 (1996年)
☆金澤 英明(b)
☆日野 皓正(tp)
☆向井 滋春(tb)
☆近藤 房之助(vo&g)
☆東原 力哉(drs)
☆ケイコ・リー(vo&pf)
☆中本 マリ(vo) etc・・・
氏に再会したのは、1年ほど後、あるライブハウスにおいてである。
ぼくが「あっ」というより先に、顔を崩して「おお!」と声をかけて来てくださった。その時に「今度はハンク・ジョーンズとレコーディングする予定なんだ」などと話して下さった。
そのアルバムが「Happy Talk」である。ピアノ・トリオを基調とした、しゃれた好アルバムだと思う。
「Happy Talk」 (2000年)
☆金澤 英明(b)
☆ハンク・ジョーンズ(pf)
☆力武 誠(drs)
金澤氏の弾くベースは、木のきしみまで聴こえてくるような、温かみのある、それでいて豪快なものである。それはまるで氏の人柄がにじみ出ているかのようだ。
氏のプレイはちゃんと自己主張もしている反面、しっかりとボトムを支えているので、共演者の安心感まで伝わってくるようである。
男気があり、多くの人から信頼されているという話も伝わって来ている。
金澤英明は、現在は日野皓正グループのほか、コジカナツルなど、相変わらず多方面で活躍する、日本を代表するベーシストのひとりである。
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たまにジャズを聴きます。ピアノが多いんですが、ベースのボン、ボン、ボンという音が大好きです。でもベーシストのことは知りません。知ってるのはロン・カーターぐらいかな・・・。今、車の中で聞いているのはスタン・ゲッツ、ビル・エヴァンス、リチャード・デービス・・らしいです。古っ!
これからベーシストの名前も注目してみます。
古いといえば、以前の記事に出てきた「青い影」はプロコルハルムですか?懐かしいですね。
ぼくがジャズ聴くときはピアノ・トリオが多いんですよ。ピアノが好きだし、三人の音がよりくっきりしてる気がするから。
ビル・エヴァンスは、やはりいいですね。好きです。ゲッツはぼくの尊敬する大先輩が好きなプレーヤーでした。柔らかい音色がステキですよね。
そうでーす、「青い影」はプロコル・ハルムです。MINAGIのテーマ(笑)です。
はじめまして。感激です。
金澤氏のbassに惚れ込み2年!なかなか彼に関する情報を探しきれずにいたのですが、とうとう見つけちゃいました。
ウルウルとしながら読ませていただきました。
彼のbass 最高ですよね!
はじめまして。ようこそおいでくださいました。 返事が遅くなってごめんなさいね。二、三日家を開けていたものですから…
金澤さん参加CDこそあまりたくさん持ってないのですが、音色もスタイルも好きです。あこがれているベーシストです。
よかったらまたいろいろ情報を書き込んでくださいね。いつでも遊びに寄ってくださいませ!