【Live Information】
ぼくの青春時代を彩ってくれたミュージシャンのひとり、渡辺美里。
聴く者を元気づけてくれる、力強く明るいボーカルが魅力です。
そして、気持ちを分かってくれているような歌詞。
彼女の歌を聴いていると、「青い空にぽっかり白い雲」「青春時代ならではのもろさ」「甘ずっぱくて少しほろ苦い」「いまは感傷的だけど前を向いていたい」「信じる気持ち」、そんな言葉がつらつらと頭に浮かんできます。
1986年初頭に放った4枚目のシングル「My Revolution」が、あれよあれよという間にオリコン・チャートの1位を獲得して、一気に美里人気に火がつきます。
続く「Teenage Walk」(5位)、「Long Night」(11位)も立て続けにヒットし、満を持して発表したのが、それら3曲を収録したセカンド・アルバム『Lovin' you』です。
「Lovin' you」は、アルバムのタイトル・チューンであり、収められている20曲の中の最後を締めくくる名ソウル・バラードです。
この歌詞に出てくる、
「きれいな夢をみつづけていると言われてもいい」というフレーズが、今でもぼくの心に大きく、力強く響くんですね。
自分以外の誰かに何を言われても、気にしなくていい。
自分の人生は自分で決めていいんだから。
そんな温かくて力強いメッセージが背中を押してくれる感じがするんです。
「口づさむロックンロールのメロディがとがった心を癒してくれる」
このフレーズもどこかジーンときちゃいますね。
分かってほしいのに分かってくれない気持ち。
「大人だってかつては子供だったはずなのに、なぜ」
「自分の道を大人に決まられるような気がする、不条理な世界」
こんなことを感じて憤ったり涙をこぼしたりしたかつての少年は、たくさんいることでしょう。
そんな中で、受け止めてくれて、分かってくれるもののひとつが、「Rock」でした。
「不良」の代名詞の「Rock」が、実は少年たちの救いでもあったんです。
美里さんの伸びやかな歌声は、まるで羽ばたいている時の気分を教わっているよう。
ちょっぴりせつなく、それでいて力強くてエネルギーに満ちたメロディです。
「to the sky, to the way」と歌う美里さんからは、未来は希望に満ちているんだよ、と勇気づけられている気がします。
それに続くサビの熱い歌声と演奏には、なんだか目が潤んでしまうんです。
バックの演奏が、これまた心地良いんです。
リズム陣の繰り出す、どっしりとした、太い幹のようなグルーブ。
全体を俯瞰して歌を包み込んでいるかのようなピアノ。
ロックなギターは、秘めている熱い気持ちを代わりに吐き出してくれている。
この頃の渡辺美里は、まだ20歳になるかならないか。
でも、どこか大人っぽさがあって、それが聴いているぼくたちに安心感のようなものを感じさせてくれたのかもしれません。
この曲はシングル・カットはされていませんが、アルバムはオリコン・チャートで1位に昇りつめました。
[歌 詞]
◆Lovin' You
■歌
渡辺美里
■発表
1986年
■作詞
渡辺美里
■作曲
岡村靖幸
■編曲
大村雅朗
■プロデュース
小坂洋二
■収録アルバム
『Lovin' you』(1986年7月2日リリース)
■録音メンバー
渡辺美里(vocal)
佐橋佳幸(electric-guitar)
今剛(electric-guitar)
浅田孟(electric-bass)
西本明(acoustic-piano, organ)
青山純(drums)
Eve(chorus)
浜田良美(chorus)
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