ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

サイモン&ガーファンクル (Simon & Garfunkel)

2008年11月02日 | ミュージシャン
 

 今夜はサイモン&ガーファンクルの気分です。
 やらなきゃならないことが結構立て込んでいるし、ほかにもいろいろな理由が重なって、ふと気づくと精神的な余裕が少なくなっている。
 でもそういう時に彼らの歌声を聴いていると、雨雲に覆われているような今の重苦しい気分が不思議とおさまってくるんです。アコースティック・ギターの音色は苛立ちを静めてくれる。すがすがしいハーモニーは、気持ちよい今日の秋空のようです。


 「明日に架ける橋」「ボクサー」「アイ・アム・ア・ロック」「早く家に帰りたい」「冬の散歩道」などがぼくのお気に入りの曲なんです。
 シンプルさと斬新さが同居しているサウンドと、美しいメロディは、心安らぐものがありますね。


 歌詞の良さも忘れてはならないと思います。人生や社会に対して疑問を投げかけているような内容のもの、結構目につきます。これらには強烈なメッセージが込められてはいますが、奥底にはさらりとした優しさが感じられるのです。


     
     「パセリ セージ ローズマリー アンド タイム」(1966年)


 愛や友情に絶望を感じて『ぼくは岩、ぼくは島。なぜなら岩は苦痛を感じないし、島は決して泣きはしないから』と歌った「アイ・アム・ア・ロック」。青春時代に襲われた疎外感や孤独感を思い出します。


 旅に明け暮れるシンガーが我が家を想って、『家、それは心の隠れ家。好きな音楽があり、愛する人が静かにぼくを待っていてくれる(早く家に帰りたい)』とつぶやきます。


     
     「ブックエンド」(1968年)


 何ものにもとらわれない自由な気持ち。人生っていいもんだね。『人生よ、君が好きだ。何もかもがグルーヴィーさ(59番街橋の歌)』


 冬の街角の景色と現代生活を重ね合わせて描いた「冬の散歩道」。『自分の可能性を捜すうちに僕がどうなってしまったかをごらん。僕はなかなか満足しなかった。あたりを見回せば木の葉は茶色になり、空はどんよりした冬の影に霞んでいる』


     
     「明日に架ける橋」(1970年)


 生きることに疲れている時、暗闇に覆い包まれる時、僕が味方になり、身代わりになってあげよう。『荒れた海に架かる橋のように、僕はこの身を横たえよう(明日に架ける橋)』


 賑やかな場所は裏に疎外感が潜んでいたりします。おおぜいの人が行きかうところが必ずしも賑やかだとは限りませんよね。寂しさを抱えた人がたくさん集うことが、逆に孤独感を浮き彫りにさせていることもある、という気がします。例えば、そういう寂しさを優しい目で見つめているのが、サイモン&ガーファンクルの歌詞であり、曲である、と思うんです。 


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8 コメント

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またまた・・・ (こねずみ)
2008-11-02 21:10:02
うわぁ~ぉ
今回は サイモン&ガーファンクルですかぁ
好きなんですよぉ、とっても

昨夜も ビートルズの話が出たので、ひょっとして いつか取りあげてくれるかなぁ?と、期待していたのです

レコードは良く聴きましたし、今はCDですが、待ったりしたい時に 時々聴いています

益々 親近感を覚えてしまいましたぁ

それから MINAGI節・・・私も虜になっちゃいましたぁ
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こねずみさん (MINAGI)
2008-11-02 22:50:04
S&Gの曲って、じんわりと体の中を温かく、それでいてすがすがしく染み通っていくような気がします。ぼくもとても好きなんですよ(^^)。
はじめて聴いたのは中学時代でした。音楽の時間に合唱の教材として「サウンド・オブ・サイレンス」が取り上げられたんですよ。それから「明日に架ける橋」を聴いていっぺんに好きになりました。高校時代に2枚組のベスト・アルバムを手に入れてよく聴いたもんです。

おお、ハートマークがついている(照) ありがとうございます~ 虜だなんて虜だなんて、その言葉だけで明日からも生きてゆけるってもんですよぉぉぉ(シミジミ)
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これからの季節は出番が多いですよ。 (まり)
2008-11-02 22:56:17
私の一番好きな曲は「明日に架ける橋」MINAGIさんのあげてる曲がほとんど大好きです♪
アートのソロ・アルバムも結構気に入って聴いてます。
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まりさん (MINAGI)
2008-11-02 23:17:57
「明日に架ける橋」はバッハの曲をヒントに作られた、という話を聞いたことがあります。
スケールの大きな、ドラマティックな曲ですよね。ぼくも大好きな曲です~(^^)
S&Gの曲って、澄み切った秋空に似合う曲が多いような気がします。
アートって地味な印象でしたが、ソロ・アルバムを聴くと決してポールの添え物ではなかったというのがよく分かりました。(・∀・)
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話を (オンデン1970)
2008-11-02 23:30:29
話を合わせるわけじゃありませんが、ビートルズで洋楽に目覚めた私が、ビートルズ以外で初めて買ったレコードが「明日に架ける橋」でした。
サイモン&ガーファンクルのハーモニーは「神」です。
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オンデン1970さん (MINAGI)
2008-11-03 00:23:25
いやぁ、お題に連続して反応して頂けるなんて奇遇です、オンデンさん~(^^)
ぼくも「明日に架ける橋」欲しさに2枚組ベスト・アルバムを中古レコード店で手に入れました。カラオケで時々熱唱する曲でもあります、フフフ。
彼らのハーモニーって美しくてどこか素朴で、そう、なんだか神々しさみたいなものさえ感じられるんですよね。
身のほど知らずにも彼らのコーラスをコピーしようとしたことがありましたが、無謀な試みでした(^^;)。
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おこんにちわ♪ (Nob)
2008-11-03 12:43:29
秋も深まってまいりました。
寒くなると聴きたくなってくるS&Gでございます。
MINAGIさんのお好みに「ボクサー」が入っているのは非常に嬉しいですわ♪
彼らの曲は寂しいながらもどこか希望が湧いてきそうな曲調なんですよね。
そういえば「スカボロフェア」でいろんな香辛料の名前を覚えました(笑)
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Nobさん (MINAGI)
2008-11-03 19:15:15
おこんぬつわ♪
そろそろ紅葉狩りにもでかけないといけませんね。食べ物もおいしいし、メタボの心配もせねばなりませぬ~
「ボクサー」は、年々好きの度合いが高まってきた曲でございます。中間部のホーンのソロも好きですし、後半の盛り上がりも感動的ですよね。
曲調は全く違いますが、ボクサーつながりと後半の「ライラライ」つながりでアリスの「チャンピオン」をもつい思い出してしまいます。
そう、S&Gは決して弱弱じゃないんですよね。どこかに必ず「光」が感じられます。そのへんが時代を超えて愛されている一因ではないでしょうか(^^)。
「スカボロフェア」の香辛料、ぼくもです~
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