♪わが家のピアノです。ヤマハのアップライト。
「なぜベースという楽器を選んだのか?」と訊ねられることがままあります。
ぼくの場合は、高校時代、吹奏楽部に所属したのが事の始まりです。当時ぼくはドラムをやりたくて、打楽器のパートを担当していました。しかし、ポップスの曲を演奏する場合は、先輩ドラマーがいたため、ぼくは割と手持ちぶさたでした。
ところで、吹奏楽のポップス曲にはエレキ・ベースのパートが加えられている場合が多く、手持ちぶさたなおかげでそのオハチがぼくに回ってきた、というわけなのです。
ベーシスト同士で「なぜベースという楽器を選んだか」を告白しあうことがありますが、ぼくの理由などマシな方でしょう。
よくあるのが、「ほかに誰もいなかったから、仕方なく」という理由です。これに近いものとして「ジャンケンで負けたから」とか、「先輩に脅されて」というのがあります。ひどいのになると、「罰として」とか、「ダマされて」などというのがありました。スマンけどこれには笑った。
いろんな奏法が開発されたりしたお陰でベースも目立つようになり、今でこそ「オレはベースをやりたいのだ!」と自発的に選ぶ輩も多いようですが、ぼくが高校の頃は、ベースにスポットが当たることなんてまずありませんでした。ほとんど日陰者に等しい存在だったのです。
「でも今、一番好きな楽器はベースでしょ?」というのもよく訊ねられることです。う~ん、まあ、今はそうかな。ベースの大切さ、面白さも年々分かってきたしね。でもね、憧れの楽器はまた別なんですよ。
ぼくが憧れる楽器、それはピアノです。
理由その1 ピアノを習ったことがありません。だからよけいに憧れます。
理由その2 エレガントなイメージがある。かつジャズなど弾いてるのを見ると、アーティスティックな感じがしてカッコいい。とってもウラヤマシい。
理由その3 ひとりで好きな曲を弾くことができるから。ピアノで弾いてみたい曲、たくさんあったんですよ。「レット・イット・ビー」とか、「いとしのレイラ」の後半部とか、ビリー・ジョエルやエルトン・ジョンなどの弾き語り系の曲とか。ひとりでベースを弾いてみてもボンボンいうだけで、何弾いてるんだか自分でも分からなくなるし、面白くもなんともないもんね。
理由その4 モテそう。バラードなんかを弾いてるピアニストに向けられた客席の美女の目が←こうなっているのを何度見たことか・・・。
幼稚園の時、オルガン教室に通ってたことがあります。正確に言うと、「入れられた」んですが。でも、同じ町内のガキ共から「オンナみたい」(女の人ゴメンナサイ。でも男の子ってアホだからすぐそういうことを言うんですよ)と言われそうなのがイヤで、一日で脱走しました。今ではとても悔やんでいます。
中学3年の時、どうしても「レット・イット・ビー」を弾いてみたくて、当時の音楽の先生に簡単にアレンジして貰いました。それからは、家にあったエレクトーン(姉が習っていた)をひんぱんに触るようになりました。少しでも弾けるようになると楽しくて面白くて。「青い影」なんかも大好きだったから、オルガンのパートを耳コピーして、自力で弾けるように頑張ったんですよ。
高校時代はよく学校の音楽室でピアノをイタズラ弾きして遊んでました。
そのおかげで、コードはひと通り弾けるまでにはなりました。
そして、ひとり暮らしを始めてから、ようやく念願のピアノを買いました。「コルグ」のエレクトリック・ピアノです。
わが家のエレクトリック・ピアノ。「コルグ」製。
ライブ・ハウスで、本番中にいきなりピアノを弾かされたことがあります。兵庫県内のあるライブ・ハウスで演奏していた時のこと。当然ぼくはその時ウッド・ベースを弾いていたわけですが。
突然ピアニストのAさんが、「次の曲、MINAGI君がピアノ・ソロで何か弾いてくれ」。
なんですと!!!(◎д◎;)
ピアノを習ったこともない、ろくに指も動かないこのぼくに、ライブ中にピアノを、しかもソロで弾け、と!? ソロッとなら弾けないこともないが・・・(寒)
ヤバイ・・・(-_-;) というか、あまりにも無謀な命令ではないでしょうか、Aさん。
しかしここでひるんではいられない。というか、弱気なとこは見せられないではないですか。一瞬のうちに決断し、ピアノに座ります。いや、ピアノに座っちゃいかんな。ピアノの前に座ったんだった。
「テンポの速い曲は指が動かないからムリ」「スローなバラードにしよう。それならまだ余裕がある」などと頭を巡らせて選んだ曲が、ジャズのスタンダードで、ぼくの大好きな曲でもあり、自分の部屋でもよく弾いていた「イン・ア・センチメンタル・ムード」という曲です。
テーマをなんとかこなし、アドリブに入ります。もう必死。というか、ヤバけりゃワン・コーラスで終わればいいものを、何を血迷ったか(ぼくには目立ちたがりの性質がある、というのも関係があります。ワハハ)指がそんなに動くわけでもないのに、調子に乗ってツー・コーラス目、スリー・コーラス目と、どんどん突入していったのです。
もうヤケクソです。(ナゲヤリ、とは違うんですよ)
しかしこの場合、お客に「なんやねんあれは!」と思われることだけは避けたい。しかしできないものはできない。どうするか。もう開き直りのキレまくりでムチャクチャをして見せるしかないではないですか。もう指さばきなんてもんじゃないです。グーチョキパー、ついでにヒジ撃ちで弾き倒してやりました。もう冷や汗とアブラ汗とコーフンで服はビショビショ。。。
そのお店のマスターは、いい加減な演奏をすると、すぐに「もうオマエは帰れ!」と激怒することで有名な人なのですが、不思議なことにその時まったくクレームがつかなかったんですよ。
あとでAさんに、「なんでろくに弾けもしないぼくにピアノを弾かせたんですか?」と訊ねると、「生徒たち(Aさんの生徒さんが数人聴きに来ていた)に、ピアノの腕がなくても、気合だけで何かができるということを見せてやって欲しかったんや」ということでした。「あのマスターに文句つけられずに1曲弾き通したのはスゴイ」とホメても貰いました。もっとも、「もっとブチ切れて欲しかったなァ」とも言われましたけれどね。
3年ほど前に、中古ですが、アップライトのピアノをとうとう買いました。アコースティック・ピアノ、ずーっと欲しかったんです。今では好きな時に好きなだけピアノを弾いています。弾いていると、やっぱり、「もっとうまくなりたいな~」なんて欲が出るものなんですね。
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MINAGIさんって、すごいお方なのですね。
やはり、才能なんでしょうねぇ。
私、楽譜読むの やっとかっとです。
ヘ音記号になると、パニックになります。
娘と一緒に自分もピアノ弾けるようになろうと決心したのは、なんだったんでしょう。
とっくにおいてけぼりになってます。
私も目立ちたがりなんでしょうね、ギターやベースをセッションで弾くんですが、天罰のようにソロがまわってきたりします。
げっ!
といいながらもけっこうひいてしまいますね。
もちろん聴けたもんじゃないですが、死に物狂いの表情がいいといわれます。
もしかしたらベースは一番偉いんじゃないかな?と先日師匠と丁度話していたのです。師匠も同じ意見でした。ベースの有り様によってバンドはどうにでも変わるとも言っていました。ジャズの先生について一年、未だに難しくて慣れません。ベースをやる人が一番音楽が解っている人かもしれないと思います。(だからピアノでもアドリブってすぐ弾けるんですね。これが非常に難しいのです。。)この話し、最初からするとすご~く長くなるので割愛しますが、今まで一番ドラムが凄いと思っていましたが、実は一番地味に見えるベースが一番凄いと気付いた今日この頃。。(遅!)ピアノははっきり言って「良いとこ取り」ですね。(笑)誰かの様にブルーズを遊ぶ様に弾くピアニストを目指して日々精進中です。
MINAGIさんこんばんは☆
罰として・・・騙されて・・・(笑)なんでだろう。
ベースは渋くてめちゃめちゃかっこいいのにー。
基本的に目立ちたがり屋さんが多いのでしょうか。
個人的には、ベースとドラムばかりに目がいってしまいます。
わわわ、ピアノだ!習わなくても弾ける人は弾けるんだ!
ねぇねぇMINAGIさんは知ってる?
世の中には、6年間教室に通っても楽譜を読めなかった人がいるんだよ
いやいや、ただ楽器にさわるのが好きなだけでして・・・。才能だなんて恐れ多いです
ぼくの持論ですが、「好きになるのも才能のうち」なんですよ。曲がりなりにも音楽に惹かれたということは、hiro.さんにも「才能」とか「素質」があるはずなんです。
>ヘ音記号
ぼくはベースで慣れてるから、ちょっとは助かったかな(ベースの楽譜はヘ音記号で書かれてますから)。でもぼくはメンドクサいからコードだけ見てテキトーに弾くことの方が多いんです。それがジャズのいいところ(笑)
「好きでいる」ことが一番ですよ。あせらずあわてず地道に弾きましょう、って今日の返信は先生みたいになってしまいました、てへへへ。
日頃あまり接する機会のない楽器で演奏できるのがジャム・セッションの楽しいところですよね。
ソロが回ってきてヤバイ時、それはウケを狙う時でもあります。弾けない時にはとにかくムチャクチャをやって周りをケムにまくのはぼくの常套手段ですが、なにか?(笑)
>死に物狂いの表情がいいといわれます
フフフ、にゃる@さん、きっと聴衆の心を揺さぶるような顔つきになってるんですね。それも芸のうちでっせ(笑)
まあ、その~、「偉い」などと自分で言うのは恐れ多いんですが、その通りです(笑)
冗談はさておき、ベース無しで演奏した後、ベースに入って貰うとベースの価値は分かり易いでしょうね。
リズムの面では、メンバー全員のハートの中でビートが流れているのがベストの状態なのですが、それでもコード進行の提示、グルーヴ感などなど、ベースはいわば司令塔のような役割、とでも言ったらいいでしょうか。
でもね、ボーカルさんやピアノさんがいてはじめてベースを弾く機会を頂ける、とぼくは思っているので、他のパートの人には感謝しているのです。
>誰かの様に
音楽は愛と遊び心ですよ、ジェイさん。「ブルーズを遊ぶ様に弾く」意識があるなら絶対大丈夫です!お互いに頑張りましょうね。
ムカシはねぇ~、ほんっとうにベースは目立つところがなくて、日陰の存在だったんですよ。だからベースのなり手はいなかったし、「ベースやりたい」なんてヤツは重要文化財並み(笑)の珍しさでした。
ドラムは見ているだけで面白いです。あの手足の動き、あれこそ立派な「芸」ですよね~
>6年間教室に通っても楽譜を読めなかった人
いえ、逆によく6年続けられたなあ、と思いますよ、いやホントに。ぼくなんかオルガン教室を一日で逃げ出したんですから。。。
以前スタジオでの練習ご一緒させていただいた時、少しだけピアノを弾いていらっしゃいましたよね!
ベースのMINAGIさんは言うまでも無く素敵ですが、本気でピアノを弾くお姿もぜひ拝見させていただきたいです~!
へっへっへ、覚えられておりましたか。
鍵盤があるとつい触ってみたくなるんですよ。
ミュージシャンって、それが自分の担当のものでなくても、楽器触るのって皆好きですよね。
>本気でピアノを弾くお姿
ロブさん、それ見たら後悔するかもしれませんよ(笑) でも、ピアノ弾くことで曲をベースからとは違った角度から見ることができるのです。だからピアノはやめられまへん