ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

小さな偶然

2019年05月01日 | ネタをたずねて三千里
【Live Information】


 人は、たいてい「お気に入りのもの」と「師」と「小さな偶然」に出会うものです。
 
 
 ぼくは古着屋さんで服を見るのが好きでして、けっこう掘り出し物を手に入れております。
 写真右上のシャツもそのひとつ。やっぱり弦楽器(なんやろ。。コントラバス?チェロ?)がプリントされているのには食いつかずにおられませんでした。
 買ってから何年かな、、、6~7年くらいになるとは思うんだけど、相変わらず気に入って着ています。


      

 
 ぼくには師匠がおりまして。
 ある日師匠の写真を見ていると、なんだか見覚えのある感じがしてならない。
 よくよく見ると、ご本人ではなくて師の着ているシャツに既視感がある。
 すぐに自分のクローゼットの中を見てみると、、、やっぱり同じもの!(゜□゜)


      
 

 何年か前に神戸へ師匠のライブを聴きに行った時、まさにそのシャツを着ておられたので、この話をしたんです。
 「え~ほんまに!着てきたら面白かったのに」
 「いや~出演者の方と衣装がかぶったら具合わるいかと思いまして
 みたいな会話をしたのを覚えてます。
 
 
 その数週間後。
 師匠のところに伺うことになり、せっかくならば!という意気込みのもと、仕込んだ感満載でそのシャツを着ていったんです。
 いったんですが、、、
 なんと約束の時間に遅れて行くという大失態を演じてしまいまいて。。。
 師匠は非常に厳しい顔つきをしておられる。
 こちらは血の気が引いて気絶一歩手前。
 と、不意に師匠が「そのシャツ着てこられたら怒られへんなあ」と笑い出したので生き返った気がした、ということがありました。
 (ゆーときますが、いい年をしたぼくみたいな奴にでも「約束を守れない」ことに対して毅然とされる方だからこそぼくの「師」なのです)
 
 
 つい先日、また師匠のもとに伺ったんです。
 話をしている途中で、突然「それ逆とちがうん?」と師匠。
 いきなりの話題の転換となにが逆がわからなくて(?_?)←こうなるぼく。
 「その服やがな」
 そうだ、きょうはたまたまあのシャツを着てたんだった。
 で、よく聞いてみると、ぼくの胸ポケットの部分にある弦楽器の向きが上下逆だという。
 「でもおんなじシャツですよね?」
 「いや私のシャツのはちゃんとした向きになってる」
 そして取り出してもらった師匠のシャツと見比べてみると、なんとその通り!
 まったくおなじ柄だと思っていたら、ところどころ模様の向きや位置が違うんですね。まさに「リアル間違い探し」でした。
 たぶん、使っている布地は同じものだけど、「裁断の関係かなにかで模様は同じだけど配列が違う」なんてことになったんでしょう。
 

       


 しかし、そこに気づく観察眼の鋭さには恐れ入りました。
 でもそういう観察眼があるからこそ演奏者としても指導者としても素晴らしいのだと思います。
 それにしても小さな偶然に小さな発見、なんだ可笑しくてしかたありませんでした。




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