『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[保守運動が、左翼運動にすりかわった瞬間(「つくる会」教科書採択)]

2009-08-05 22:35:12 | 保守の一考
☆帰宅したら、誰もいなくて、食事も用意されていないので、閉店間際の近所のスーパーで値引きのお惣菜を買って、バリバリ食った。

   ◇

 ・・・「今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ」

                       中島みゆき『時代』より

  ・・・「まだ、負けていない!」

                       小磯健二『サマーウォーズ』より

   ◇

 朝、産経新聞を見る。

 「正論」欄の執筆者が八木秀次・日本教育再生機構理事長であった。

 偶然にも、私が、昨日に記したエントリーの内容と重なるものがあった。

     【正論】高崎経済大学教授・八木秀次 「民主党の本音隠れる政権公約」(クリック!)

 ここに、一文だけ引用しようと思ったが、それでは、誤解を招く。

 全文を引用する。

   ◇

《 ≪価値を異にする二大政党≫

 「政権交代可能な二大政党」なのだそうだ。が、わが国の場合、そこまでの条件が整っているだろうか。

 「政権交代可能」であるためには2つの政党の有する価値観、政治イデオロギーに質的差異があってはならない。安全保障、外交、経済政策、社会保障、教育などについて、2つの政党との間に質的な差異がなく、したがって二大政党はその政策をめぐって切磋琢磨(せっさたくま)する。国民は二大政党の有する政治イデオロギーに大きな差異がないことを前提として、より良き政策を支持すべくどちらかの政党に投票する。アメリカの共和・民主、イギリスの保守・労働の二大政党がそうだ。両国の二大政党はともに自由と民主主義を重視し、マルクス=レーニン主義は厳しく拒絶している。

 翻ってわが国の場合はどうか。問題となるのは民主党の体質。民主党は小沢一郎氏、岡田克也氏など自民党田中派出身者、鳩山由紀夫氏、菅直人氏など新党さきがけ出身者(鳩山氏は田中派出身でもある)、野田佳彦氏、前原誠司氏など日本新党出身者、直嶋正行氏など民社党出身者に加えて輿石東氏など日本社会党出身者によって構成される「寄り合い所帯」である。政治イデオロギーは右から左まで幅広い。

 ≪イケメンの影の左派傾斜≫

 自民党も寄り合い所帯ではある。右から左までいる。河野洋平氏、加藤紘一氏、中川秀直氏、塩崎恭久氏などリベラル色の強い議員も多い。が、両党の間には質的な差異がある。それはそれぞれが抱える「左」の体質である。

 自民党の左派が利権の関係や「何となくリベラル」といったところであるのに対して、民主党の場合は本物の左翼、職業左翼で、プロの活動家を抱えている。社会党出身者がそうだが、事務局はそちらの陣営に握られているとの指摘もある。

 民主党は7月23日、『民主党政策集INDEX2009』を発表した。そこには1ページ目から「国会図書館に恒久平和調査局を設置する国立国会図書館法の改正、(中略)慰安婦問題等に引き続き取り組みます」とか、靖国神社に代わる「特定の宗教性をもたない新たな国立追悼施設の設置に向けて取り組みを進めます」と書かれている。「恒久平和調査局」とはわが国の戦争時の「加害」行為を調査する部局のことだ。

 また、選択的夫婦別姓の早期実現、住民投票法の制定、永住外国人の地方参政権付与、アジア外交の重視、自衛権の行使は専守防衛に限定、中央教育委員会の設置、学習指導要領の大綱化などが書き込まれている。民主党の左派が年来主張してきたものだが、7月27日に発表されたマニフェスト(政権公約)には全く触れられていない。

 民主党の有力支持母体には自治労、日教組などいまだ左翼的体質を脱却していない組織がある。その組織内候補が今回の総選挙でも「民主党」の名前で立候補する。テレビの政治討論会に出てくる民主党の政治家は松下政経塾出身者などの若いいわゆるイケメンが多く、彼らの意見を聞く限り、自民党の世襲議員よりは新鮮でわが国の将来を託したくなる。そう考えている国民が大半だ。が、イケメン政治家を一枚はがせば、冷戦時代の遺物であるマルクス=レーニン主義を信奉する古色蒼然(こしょくそうぜん)とした政治家が控えている。

 加えて社民党との連立を視野に置いているとすれば、民主党の政策決定の実権はどの陣営が握るのかは目に見えている。鳩山代表は「社民党が反対することはやらない」と明言してもいる。

 ≪生き続けるマルクス信奉≫

 要するに、わが国の場合、冷戦時代のイデオロギーを清算しないままに「政権交代」を迎えようとしているのだが、民主党政権になれば、一部に旧態依然とした左翼信奉者を抱えることになる。

 そうした民主党が政権をとれば、どのような事態になるかについて私たちは15年前の村山政権で経験している。社会党の委員長を首相とした村山政権はわずか1年半の政権だ。が、その間に何を行ったか。日教組の主張を取り入れ「ゆとり教育」が強化された。ジェンダーフリーという非科学的な発想に基づいて男女共同参画社会基本法を制定すべく審議会を設置したのは政権誕生直後のことだった。歴代の政権が踏襲せざるを得なくなっている戦後50年の村山談話ももちろんこの政権の置き土産だ。自治労や日教組などが地方で活動しやすくすべく、政府の統制を奪って過度の地方分権を進めたのもこの政権だ。挙げればきりがない。彼らは政権を去った後も長く影響力を行使し得る楔(くさび)を打ち込んでいったのだ。

 わが国には「政権可能な二大政党」を確立するための条件はまだ整っていない。冷戦時代のイデオロギーの清算が終わっていないからだ。マルクス=レーニン主義は民主党の中で生き続けている。その状態で「政権交代」を行えば、将来に必ず禍根を残す。(やぎ ひでつぐ)     ・・・》

 ともあれ、私は、この日に、八木秀次理事長の「正論」を、あえて載せたフジ・サンケイグループのスタンスに安心する^^

 ちなみに、私は、昨日のエントリー(保守の皮をまといし左翼教科書、採択す)を、

『・・・ ある意味、保守の皮をまといし左翼「民主党(自民党の劣化コピー)」の、次期選挙での大躍進の雛形を見たような思いである・・・。・・・』

 と、結んでいる。

   ◇

 私は、まさか、到底、現「つくる会」の教科書が採択されるとは思えなかった。

 私の「つくる会」糾弾裏ブログでは、今回の採択地区の横浜での教育委員長の言動が、逐一報告されていたもので、あまりにも以前から、その教育委員長が吹聴していたので、「なにか収賄等」の理由があるのかと睨んでいたものだが、

 それでも、まさか、本当に採択されるとは思わなかった。

 仮にも、保守に属する人間が、

     (クリックして、どうぞ、それぞれを熟読して下さい!)

   ★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>
   ★自由社版教科書で菅原道真も乃木希典も消えた-扶桑社版からの改悪<中>
   ★特攻隊を「自殺攻撃」と貶める自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<下>
   ★進化論から始まり部落史を詳述する自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<4>
   ★自由社版 そんなに支那が 好きですか-扶桑社版からの改悪<5>
   ★スクープ!『日本人の歴史教科書』表紙はタイのガラクタ-扶桑社版からの改悪<6>
   ★「ポツダム宣言様ありがとう」の自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<7>
   ★悪党のくせに(笑)悪党を書かない自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<8>
   ★藤岡信勝会長、独禁法に違反してませんか?-扶桑社版からの改悪<9>
   ★乃木大将削除を開き直る「つくる会」理事-扶桑社版からの改悪<10>
   ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」と書く自由社版-扶桑社版からの改悪<11>
   ★自由社版「ラスコーの壁画」はニセ写真だ-扶桑社版からの改悪<12>
   ★みんなニコニコ古墳を造ったと描く自由社版-扶桑社版からの改悪<13>
   ★錦の御旗で威圧したと書く自由社版-扶桑社版からの改悪<14>
   ★ナチスのユダヤ人迫害を消した自由社版-扶桑社版からの改悪<15>
   ★編集趣意書から「太平洋戦争」史観の自由社版-扶桑社版からの改悪<16>

 これだけの、これ以上の左翼的言葉に彩られた言葉を使うことは、けしてないだろう。

 左翼教科書の闘士・俵義文さんよお! この教科書はあなたのサイドのものだよ・・・。

 ・・・いや、ごめん、それさえも超越した極左的な内容になっているね。

 これらの内容の全てが、八割がたコピペした扶桑社版の教科書の改訂した二割の部分に属している。

 過失ではないのである。

 ある一定の、おぞましい、とある組織(もちろん保守ではない)との「結託の絵図」の元で編集方針が企てられ、ある方向への「誘導」が如実に為されている。

 「つくる会」の300人弱まで減った正会員の多くは、その教科書の内容を知らない。

 そこまで熟読する者はいないのだ。

 運動とは、組織の初動を信じるものだ。

 「つくる会」の十年前の初動は真っ当であった・・・。

 だから、今回の採択を賞賛する在野の者はいない。

 一部の「確信犯(保守でなくとも、左翼の教科書内容でも、保守の仮面で採択を取れれば勝ち! と思っているヤカラ)」が喝采しているだけだ。

   ◇

 しかし、仮にも、「保守」を名乗る者が、こんな内容の教科書が採択されたからといって、嬉しいのだろうか?

 なあ、お前ら、こんな内容の教科書が保守扱いされて良いのかよ!

   ◇

 私は、今日の仕事の昼休み、とある著名な方に思い切って電話した。

 すると、落ち込んでいる私に、その人は言った。

「元々は、左翼教科書が牛耳っていた横浜地区なんだから、藤岡さんの左翼教科書が採択されたからといって、よく考えるとマイナスではないんだからいいんじゃないの? よーく、考えてみなよ。俺も現<つくる会>の教科書読んでみたけど、酷い内容になっている。あれを応援している人は、もはや、保守じゃないんだよ。よーく、考えてみなよ。君らは、日本を良くしようと、子供たちにより良い教科書を送ろうという運動をしているんだろ? だったら、扶桑社(育鵬社)の、自分らが良いと思っている教科書で学ぶ子供たちがいることを喜んだほうがいい。藤岡さんの教科書で学んだ子供たちは、可哀想だけど、ほぼ確実に、その成長段階で矛盾に苛まれ<空中分解>する。その手を引っ張るのが、君たちが支持した教科書で学んだ子供たちになる。それでいいじゃないか」

「・・・はあ、いや、私は、そこまで達観できませんし、高尚な考え方も持っていません。私は、<常勝無敗>がアイデンティティーなんです。勝利してこその<運動>だと思ってます」

「勝利以前の問題として、勝利の<質>があるだろ? 君は、自分の正しいと思う思想以外で勝ちたいと思うのか? ディベートみたいに? 今の<つくる会>は、<保守>じゃないぞ」

「私は、ディベートは嫌いです」

「うん。・・・ここは、スターウォーズの『帝国の逆襲』のように考えるのが得策だ。今は、悪の集団に逆襲されている時期だ。時は経つ。すぐに、勝利の季節が訪れる」

「はい・・・」

 ・・・戦いは続く・・・。

                                  (2009/08/05)
コメント (2)
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