☆遅ればせながら、観て来ましたよ^^
◇
私は、『カムイ伝』は小難しいので読んでいないが、『カムイ外伝』は、昔から愛読していた。
でも、途中から、絵が漫画調から劇画調になったのが気に食わなくて、劇画調になってからの四巻以降は古本屋に売ってしまった。
でも、「変移抜刀霞斬り」が破られる物語は、劇画調になってからなんだよね。
予告編で「変移抜刀霞斬り」や「飯綱落し」は再現されているのが分かったけど、「変移抜刀霞斬り」が見切られた後にカムイが開発する「十文字霞崩し」は見られるのでしょうか?
・・・と、ここまでの文章は、見る前に書いた^^;
◇
結論から言うと、「十文字霞崩し」、見ることが出来ました。
ただ、ナレーション付きの作品なのですが、他の必殺技には説明があったのに、クライマックスのこれには解説がなかったのが、寂しいやら、それで良かったのかもやらの心境でした。
・・・この作品は、私が閲覧する映画レビューブログの悉くで酷評でしたが、私は非常に面白かったです。
松本ケンイチが芸能界で妙に評価が高いのが納得できないが、見事にカムイであったと思う。
特に、やぶにらみの視線がいい。
皆さんは、作品におけるワイヤーアクションや、粗の見えるCG技術に難色を示していましたが、
私は、あまり、ワイヤーアクションの作品に縁がなかったので、たまに、このような作品を見ると、非常に新鮮で面白いのである。
また、CGも、わざとに色調を鮮やかにしたり落としたりと加工していたので、それほどは気にならなかった。
『GOEMON』(クリック!)に比べたら、作品全体が「王道」をいっていたと思いますよ。
ここで言う「王道」の作りとは、地に足の着いた作りであることを言っている。
冒頭の、抜け忍・カムイの追忍との戦いなどは、白土三平の忍者マンガをカタログ的にちゃんと紹介してくれていて嬉しい。
と思うと、かつての郷友の「くのいち」のケレンある役柄など、現代的で面白い。
そして、物語は本題に入って行く。
かつての抜け忍・スガルを演じるのは小雪で、彼女がこんな役をできることに感心しつつ、記憶の彼方の、マンガでのスガルのイメージに近いような気もした。
確か、マンガ版では、弟に乳首を吸わせ、小雪・・・、じゃなかった、スガルがふとカムイを振り向き、「あんたも吸っていいんだよ」というシーンがあったと記憶しているのだが、小雪にそれはさせられないようだった^^;
◇
他のブロガーがこの作品を酷評したのが分からない私は、スガルが所帯を持っている漁師の村のセットが見事だったので、それでも感心したし、
スガルの夫である半兵衛が、領主の愛馬を殺してまで手に入れた蹄から、ルアーを作るという、この作品の注目どころであるアクションシーンとは全く違う場面で、妙に引き込まれるのだった。
半兵衛の屈託なさや、その埴谷雄高の小説の主人公のような奇声は、いかにも白土作品ぽいし、
村人たちの徒党の組み方もまた、いかにもで良い。
いちお、サプライズらしいので、詳しくは書かないが、上忍の化けていた老人など、白土作品の各所で出てくるキャラを踏襲している。
「変移抜刀霞斬り」を破ったフドー(伊藤英明)は、外見は違うが、白土作品的な表情をうまく演じていた。
序盤の、領主が鹿を射るシーンとモンタージュされた、追忍の矢がカムイを狙うシーンなど、表現が効果を発していない、分かりにくいシーン(破綻一歩手前のドラマツルギー^^;)などが多々あれど、私は概ね満足した。
戦いのさなかに、ふと、自然の生物の営みが挿入されていたりも、原作の雰囲気を大切にしていて良い。
また、戦いとして洗練されていたマンガ版だが、この映画版においては、カムイが力尽くで、地面を転げながら戦う姿にリアルを感じさせられた。
(2009/10/01)
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私は、『カムイ伝』は小難しいので読んでいないが、『カムイ外伝』は、昔から愛読していた。
でも、途中から、絵が漫画調から劇画調になったのが気に食わなくて、劇画調になってからの四巻以降は古本屋に売ってしまった。
でも、「変移抜刀霞斬り」が破られる物語は、劇画調になってからなんだよね。
予告編で「変移抜刀霞斬り」や「飯綱落し」は再現されているのが分かったけど、「変移抜刀霞斬り」が見切られた後にカムイが開発する「十文字霞崩し」は見られるのでしょうか?
・・・と、ここまでの文章は、見る前に書いた^^;
◇
結論から言うと、「十文字霞崩し」、見ることが出来ました。
ただ、ナレーション付きの作品なのですが、他の必殺技には説明があったのに、クライマックスのこれには解説がなかったのが、寂しいやら、それで良かったのかもやらの心境でした。
・・・この作品は、私が閲覧する映画レビューブログの悉くで酷評でしたが、私は非常に面白かったです。
松本ケンイチが芸能界で妙に評価が高いのが納得できないが、見事にカムイであったと思う。
特に、やぶにらみの視線がいい。
皆さんは、作品におけるワイヤーアクションや、粗の見えるCG技術に難色を示していましたが、
私は、あまり、ワイヤーアクションの作品に縁がなかったので、たまに、このような作品を見ると、非常に新鮮で面白いのである。
また、CGも、わざとに色調を鮮やかにしたり落としたりと加工していたので、それほどは気にならなかった。
『GOEMON』(クリック!)に比べたら、作品全体が「王道」をいっていたと思いますよ。
ここで言う「王道」の作りとは、地に足の着いた作りであることを言っている。
冒頭の、抜け忍・カムイの追忍との戦いなどは、白土三平の忍者マンガをカタログ的にちゃんと紹介してくれていて嬉しい。
と思うと、かつての郷友の「くのいち」のケレンある役柄など、現代的で面白い。
そして、物語は本題に入って行く。
かつての抜け忍・スガルを演じるのは小雪で、彼女がこんな役をできることに感心しつつ、記憶の彼方の、マンガでのスガルのイメージに近いような気もした。
確か、マンガ版では、弟に乳首を吸わせ、小雪・・・、じゃなかった、スガルがふとカムイを振り向き、「あんたも吸っていいんだよ」というシーンがあったと記憶しているのだが、小雪にそれはさせられないようだった^^;
◇
他のブロガーがこの作品を酷評したのが分からない私は、スガルが所帯を持っている漁師の村のセットが見事だったので、それでも感心したし、
スガルの夫である半兵衛が、領主の愛馬を殺してまで手に入れた蹄から、ルアーを作るという、この作品の注目どころであるアクションシーンとは全く違う場面で、妙に引き込まれるのだった。
半兵衛の屈託なさや、その埴谷雄高の小説の主人公のような奇声は、いかにも白土作品ぽいし、
村人たちの徒党の組み方もまた、いかにもで良い。
いちお、サプライズらしいので、詳しくは書かないが、上忍の化けていた老人など、白土作品の各所で出てくるキャラを踏襲している。
「変移抜刀霞斬り」を破ったフドー(伊藤英明)は、外見は違うが、白土作品的な表情をうまく演じていた。
序盤の、領主が鹿を射るシーンとモンタージュされた、追忍の矢がカムイを狙うシーンなど、表現が効果を発していない、分かりにくいシーン(破綻一歩手前のドラマツルギー^^;)などが多々あれど、私は概ね満足した。
戦いのさなかに、ふと、自然の生物の営みが挿入されていたりも、原作の雰囲気を大切にしていて良い。
また、戦いとして洗練されていたマンガ版だが、この映画版においては、カムイが力尽くで、地面を転げながら戦う姿にリアルを感じさせられた。
(2009/10/01)