☆仕事が忙しく、昨夜観たのだが、明日も忙しいので、簡単に書く。
話題作だが、公開からかなりの日にちが経っている。
正直、観ないでも良い・・・、と思っていた。
あまりにも予告編で煽り過ぎていた。
<ワーナーマイカル>なんて、特別予告編第一弾、特別予告編第二弾と続いていた。
その度に、小利口そうな主人公のべシャリを見せられ、子供らしい子供好きの私としては、特には見たくない作品の一つとなっていた。
しかし、昨夜、遅ればせながら観た。
よく出来た作品であった。
感動した。
難病物なので、簡単に涙が出ると御思いかもしれないが、そんな直接的なものとは一味違う。
心に深く突き刺さり、涙こそは出ないが、強烈に心を揺り動かされた。
くだんの、難病の姉を持つ、ドナーとして遺伝子操作で生まれたアナ(アビゲイル・ブレスリン)の、「姉のために生きているのではない!」と言って反抗する小利口さは、あくまでも、家族の一人の個性にしか過ぎず、それさえも、後に大きな秘密を抱えていることが分かる。
☆
この作品の魅力は、両親、息子、難病の姉、ドナーとしての妹・・・、家族それぞれが、それぞれの相対化された「正しさ」を持っているということだ。
私は「相対化」を批判することが多いが、この作品においては、それが素晴らしい効果を生む。
アナから、「ドナー拒否」の弁護を依頼される弁護士、
(どうしても、姉・ケイトを永らえさせたくて、アナにドナーを強いる母親との)アナの裁判での判決を下さなくてはならない女性裁判官、
そもそも、ケイトを救うために、遺伝子操作でドナー適合する兄弟を出産することを諭した医師・・・。
それぞれ、目の前の難問に真摯に答えを出したに過ぎないのだ。
◇
何よりも割を食うのが、母親(キャメロン・ディアス)である。
ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)のために、もう一つの命・アナに艱難を強いる存在は、物語の悪役のようだ。
でも、母親としての立場を、考えるに辛い。
究極の二者択一で、言い訳もせず、答えを出して言ってるに過ぎない。
だからこそ、末期症状にあったケイトは、最後に、母親と二人の時を過ごすのだ。
◇
何よりも、難病にかかったケイトが、ちゃんと青春を過ごせたことが素晴らしい。
次第にボロボロの体になっていくケイトが、テイラーと言う恋人(美しい瞳を持っている)と、温もりを確かめ合う関係になれたのには、さすがに涙がこぼれた。
最期の最後まで笑顔を忘れなかったケイト・・・、とてもチャーミングだ。
◇
見終えた後では、アナ役のアビゲイル・ブレスリンが、非常に高度な役を演じていたことが分かる。
この子は、利発だが、子供に過ぎなかったのである。
だが、状況が、小利口な見かけを必要としていたのだ。
あなたが、一番、辛かったね・・・。
◇
見どころは、父親や息子の優しさにもある。
二時間弱の上映時間に、多くの多角的な視点を内包している。
傑作である。
必見の作品だ。
(2009/10/21)
話題作だが、公開からかなりの日にちが経っている。
正直、観ないでも良い・・・、と思っていた。
あまりにも予告編で煽り過ぎていた。
<ワーナーマイカル>なんて、特別予告編第一弾、特別予告編第二弾と続いていた。
その度に、小利口そうな主人公のべシャリを見せられ、子供らしい子供好きの私としては、特には見たくない作品の一つとなっていた。
しかし、昨夜、遅ればせながら観た。
よく出来た作品であった。
感動した。
難病物なので、簡単に涙が出ると御思いかもしれないが、そんな直接的なものとは一味違う。
心に深く突き刺さり、涙こそは出ないが、強烈に心を揺り動かされた。
くだんの、難病の姉を持つ、ドナーとして遺伝子操作で生まれたアナ(アビゲイル・ブレスリン)の、「姉のために生きているのではない!」と言って反抗する小利口さは、あくまでも、家族の一人の個性にしか過ぎず、それさえも、後に大きな秘密を抱えていることが分かる。
☆
この作品の魅力は、両親、息子、難病の姉、ドナーとしての妹・・・、家族それぞれが、それぞれの相対化された「正しさ」を持っているということだ。
私は「相対化」を批判することが多いが、この作品においては、それが素晴らしい効果を生む。
アナから、「ドナー拒否」の弁護を依頼される弁護士、
(どうしても、姉・ケイトを永らえさせたくて、アナにドナーを強いる母親との)アナの裁判での判決を下さなくてはならない女性裁判官、
そもそも、ケイトを救うために、遺伝子操作でドナー適合する兄弟を出産することを諭した医師・・・。
それぞれ、目の前の難問に真摯に答えを出したに過ぎないのだ。
◇
何よりも割を食うのが、母親(キャメロン・ディアス)である。
ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)のために、もう一つの命・アナに艱難を強いる存在は、物語の悪役のようだ。
でも、母親としての立場を、考えるに辛い。
究極の二者択一で、言い訳もせず、答えを出して言ってるに過ぎない。
だからこそ、末期症状にあったケイトは、最後に、母親と二人の時を過ごすのだ。
◇
何よりも、難病にかかったケイトが、ちゃんと青春を過ごせたことが素晴らしい。
次第にボロボロの体になっていくケイトが、テイラーと言う恋人(美しい瞳を持っている)と、温もりを確かめ合う関係になれたのには、さすがに涙がこぼれた。
最期の最後まで笑顔を忘れなかったケイト・・・、とてもチャーミングだ。
◇
見終えた後では、アナ役のアビゲイル・ブレスリンが、非常に高度な役を演じていたことが分かる。
この子は、利発だが、子供に過ぎなかったのである。
だが、状況が、小利口な見かけを必要としていたのだ。
あなたが、一番、辛かったね・・・。
◇
見どころは、父親や息子の優しさにもある。
二時間弱の上映時間に、多くの多角的な視点を内包している。
傑作である。
必見の作品だ。
(2009/10/21)