★ベルの徒然なるままに★

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映画『スマホを落としただけなのに』

2018年11月08日 | 映画鑑賞記
今日は、昨日見てきました、映画『スマホを落としただけなのに』の感想を。

昨日の日記にも書きましたが、この作品、9月頃に、本屋さんでふと目に留まって、あらすじに惹かれて購入。
既に読み終わっているので、結末も全部知ってはいたのですが。
でも、ヒロインが北川景子さんということで、凄く見たくて(*^^*)
公開を楽しみにしていました。

■映画『スマホを落としただけなのに』予告編


派遣社員として働くヒロイン、稲葉麻美には、結婚を意識した恋人が居ました。
その恋人が、タクシーにスマホを忘れ、そのスマホを見知らぬ男に拾われてしまいます。
そのことを知らずに、恋人に電話をかけた麻美は、恋人のスマホ画面に表示された名前や写真から、相手に自分のことを知られてしまうのでした。

「あなたが稲葉麻美さんだってことは、分かりますよ」

と見知らぬ男から、電話越しに言われ不審に思うものの、相手の対応は至って親切で。
拾ったスマホは、カフェに預けておく~ということで話が付き、無事、スマホをピックアップ。

が。
安心するのも束の間。

スマホを拾った男は、画面に表示された麻美の美しさに惹かれ、彼女に目を付けます。
そして、彼は、拾ったスマホのデータをコピーし、更に、そこから麻美の個人情報を調べ上げ、巧みに罠を仕掛けてくるのでした。

こうして、結婚を目前に控えた恋人達の日常は、崩されて行きます。

一方で、長い黒髪の女性ばかりを狙った連続猟奇事件が発生。
その犯人とは。。。。。。


という、あらすじです。

原作は既読です。
ですが、映像で観たかった、というのと、原作が、色々ときわどいエピソードだったので、絶対に、映画化の時に変更されているだろうなぁと想像していて。
原作と映画の違いなども楽しみたくて、映画館で鑑賞。

で。
確かに、色々ときわどかったエピソードは、マイルドになっていたと思いました。

なので、予告編から感じたほどの恐怖感は無かったです。
・・・原作を読んで、展開や結末を知っていたからかもしれませんがA^^;;

というのが、小説の方は、読んでいても、ジワリジワリと追い詰められていく感じが怖かったのですよ。
少しずつ少しずつ、ヒロインたちの平和な身の回りに犯人の罠が仕掛けられていく・・・って感じで。
迫り来る静かな恐怖があったのですが。

でも、映画の場合は、一気にいろんなことが起こって、アッサリしてる感じで。
ジワジワ来る恐怖とかは、私は感じませんでした。

とはいえ、映画ならではの変更点は、面白かったと思います。

全体的に登場人物の設定やエピソードなども、少し変更されていました。

特に、黒髪の女性連続殺人事件を追う、若い刑事さん。
彼が、幼少期の母親とのトラウマを抱えている設定は、映画オリジナルです。
そういう設定にすることによって、犯人を推理する上でのミスリード的な役割も果たしているのかなぁと勝手に想像。
また、トラウマを克服した者、トラウマに飲み込まれた者として、犯人との対比になっていましたね。
ラスト、その2人が対峙するシーンは、印象的でした。

そうそう。
私、小説では、ヒロインの麻美を、あまり好きになれなかったのですよ。
過去云々ではなくて、恋人に対する気持ちとか態度とかで・・・。
でも、映画だと、北川景子さんが演じてて(大好きです!!)、何だか、すごく好印象でした。
性格設定とかも少し変わっていたのかな。
一途で真面目な女性でしたね。

それから、そんな麻美の恋人を演じるのは、田中圭さん。
原作のイメージ通りでした。
基本的に頼りなくて、お人よしなんだけど、いざという時はシッカリと頼りになる!
カッコ良かったです。

原作より、恋愛テイストが強めになってて、サスペンスなんだけど、ラブストーリーだなぁと思いました。

そしてそして、ヒロインの知られたくない過去。

本屋さんで原作を手に取った時、この物語が単なるストーカー物だったら、わざわざ映画化されたりしないだろうから、きっと、何か、最後に大ドンデン返しがあるのだろうなぁとは思ったのですよ。
それが、ヒロインが知られたくなかった過去の話でもあるのですが。
小説で描かれているヒロインの過去は・・・これ本当に、北川景子さんヒロインとして描いて良いのかなぁと思う内容でしたが・・・やっぱり、変更されていましたよね。

ただ、その真相が暴かれる過程が、映画は、ちょっと無理があったような気がしました。

てか、犯人的には、一刻も早く片を付けたいだろうに。。。
わざわざ座って、ヒロインの過去の懺悔を聞く・・・とか、違和感ありまくりだったというか、不自然だったというか。

なので、ラストの真相が明かされるシーンは、その衝撃的な過去も含め、小説の方が面白かったですし、だからこそ、最後の最後の恋人達のエピソードにも感動するのではないかなぁと思ったのでした。


それにしても。
これはもちろん、架空の話ではありますが、でもでも、現実にも有りうるかもしれない怖さを感じる作品でした。

映画の冒頭、ヒロインの恋人がスマホを失くし、仕事先にすら連絡できず、困るシーンがありましたが。
でも、まさに、その通りですよね。

スマホが無いと、外出先から連絡を取ることすらできない・・・。

最近は公衆電話なんて、めったに見なくなりましたし。
そもそも、電話があったとしても、電話番号は??
今時、紙ベースのアドレス帳を持ち歩ている人も少ないでしょうし、余程の親しい間柄じゃないと、電話番号だって覚えていませんよね。

また、ネットの閲覧履歴、買い物履歴、SNSの投稿、もしかすると、カード番号まで・・・スマホから全部分かってしまいます。

あんな小さな小さな機械の中に、個人情報の全てが入っていると言っても過言では無い状況。

悪い人に拾われることを思うと、財布を失くすよりも、怖いです。

本当に失くさないように気を付けなきゃと思うのと同時に、でも、この物語のヒロインのようなケースもあるのだということが、更に怖い。

彼女は、自分がスマホを落とした訳でもなく、恋人がスマホを落としたことによって、そこから、自分の情報が丸裸にされちゃうのですよね。

他人から自分の情報が洩れる。。。というのは、気を付けようがないので、一層怖いと思いました。

なんでもかんでもスマがあれば出来ちゃうという便利さと裏腹に、潜む恐怖。

考えさせられる作品でもありました。