★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

映画『真夏のオリオン』

2009年08月23日 | 映画鑑賞記
ちょっと古い話題ですが・・・。
先月に見た、映画『真夏のオリオン』の感想を(^^)b
というのが、この映画の感想を、ブログにUP用に、書くのは書いていたのですが・・・なぜか「下書き」フォルダに入れたままUPするのを忘れていたという・爆

という訳で。
先月、鑑賞した作品ではありますが、感想です♪

そうそう。
その他にも、映画鑑賞記が溜まってきたので、近々、サイトの「Movie」コーナーを更新しいであります。

ではでは、感想、行ってみま~す☆

※     ※     ※     ※     ※


「あの夏、祖父が何を失い、何を手にしたのか・・・・・・。それを知りたくて、こうして手紙を書いています」

---現代---
倉本いずみの元にアメリカから届いた、1通のエアメール。
英文で書かれたその手紙の差出人は、アメリカ人の青年。差出人の祖父は、第二次大戦中、アメリカ軍の駆逐艦で艦長を務め、華々しい戦歴を飾っていたという。しかし、祖父は、戦後、戦争の想い出を語ったこともなく、また、その当時の品を手元に残しておくこともなかったという。そんな祖父が亡くなり、遺品の整理をしている時に、出てきた1枚の楽譜。当時、敵だった日本軍の人物の物だと思われるその楽譜を、なぜ、祖父が大切に持っていたのか。その経緯や理由が知りたい・・・と、手紙には書かれ、そして、その楽譜が同封されていました。
楽譜には、いずみの祖母である、有沢志津子のサインが。おそらく、その楽譜は、祖母が祖父と結婚する前に書いた物であろうと、いずみは思うのでした。
けれども、なぜ、祖母の書いた楽譜が、アメリカ軍の軍人の手に?
その謎を解くために、彼女は、かつて、日本軍で潜水艦長を務めていた祖父を知るただ一人の存命者・鈴木を訪ねるのでした。
そして、鈴木によって語られる、「あの夏」の出来事・・・。

---第二次世界大戦末期---
日本海軍はアメリカの燃料補給経路を叩くために、沖縄南東海域にいくつもの潜水艦を配備。しかし、厳しい戦局の中、ここが最後の防衛ラインとされていました。

そんな最後の防衛ラインを守るイ-77の艦長・倉本孝行は、同作戦に参加するイ-81の艦長・有沢とは親友であり、また、その妹・志津子とは互いに想い合う間柄。

彼らが迎え撃たなくてはいけない敵艦・パーシヴァルの艦長・スチュアートは、見事なまでの作戦で、日本海軍を出し抜き、防衛ラインを突破しようとしてきます。
敵の攻撃により、同作戦の潜水艦は次々に沈められていき、倉本の親友・有沢の乗ったイ-81も沈没。
最後の一艦として残った、倉本のイ-77は、敵艦の奇策から、防衛ラインを守ろうと必死に戦うことになります。そして、その戦いは、単なる砲撃戦だけでなく、水面下で両艦長の頭脳戦が激しく静かに繰り広げられていたのでした。


戦争を描いた作品ですが、実話ではありません。
主人公の倉本孝行という人物も、また、彼と壮絶なる頭脳戦を繰り広げる敵艦パーシヴァルのスチュワート艦長も、そして、イ-77などの潜水艦も、架空のものです。
ただ、それらのモデルとなった人物や、戦いはあったとのことで、池上司著の『雷撃震度十九・五』もまた、この映画のモデルだそうです。

戦争物ではありますが、戦いを中心に描いた作品ではなく、人間ドラマが中心に描かれていました。
時と海を越えて、やってきた1枚の楽譜。そして、その楽譜に秘められた想い。
また、戦争中のイ-77艦の倉本を中心とする、乗組員達の信頼、絆、そして、戦い。
敵同士でありながら、互いの能力を尊敬し渾身の力で相手に挑んだ、イ-77、パーシヴァル両艦の艦長。
友や家族を残して逝く間際に、親友に伝える想い。そして、それに応える想い。
戦地に赴く愛する男性を、見送らなければならない女性の想い。

作品の中には、たくさんの人達の想いや絆が描かれていて。
戦争物は、正直あまり好きではない私ですが、この映画は、戦争物というよりは人間ドラマとして見られたので、興味深く鑑賞することが出来ました。

物語の冒頭で登場する、いずみの祖母が若い頃書いたという1枚の楽譜。
現代と戦時中という、二つの時間軸で描かれる、この物語ですが、もしかしたら、すべてのはじまりは、この「楽譜」からなのかもしれないなぁと想いました。

志津子が愛する人へ、お守りとして渡したこの楽譜。
この楽譜を持った倉本が戦地に赴き、そして、ある出来事から、敵艦の艦長の手へと渡り・・・。
そして、60年以上の歳月を経て、今度は、倉本と志津子の子孫であるいずみの元に戻ってくる。

倉本はその楽譜に支えられながら、激戦を生き抜き、そして、敵艦の艦長も、その楽譜に込められた想いをくみ取り、倉本を敵として尊敬し、その後、平和な時代へと辿り着く楽譜です。

まあ、正直なところ、ちょっと、戦争を美談化してるような気も致しました。
でも、暗い歴史的事実である、戦争。
そんな戦争を、単なる、人間と人間との殺し合い合戦と捉えるのではなく、その暗い哀しい事実の中にも、敵同士が互いを尊敬しつつ戦ったというような、綺麗な逸話があっても良いかな~と思え、わたし的には、良い映画だったと思います。
戦争を知らない私たちですが、でも、その時代を生きていた人達にも、たくさんの想いがあった訳で。長年の歳月を経た現代だと、どうしても、「戦争」という大きな事実だけが残ってしまい、その影にあった、人々の想いというのまでは、なかなか残されていませんからね。なので、こういう作品で、その当時、懸命に生きて戦って愛する者を守ろうと必死だった「想い」が描かれるのは良いことかな、と。

映画の中では、激しい戦闘シーンなどは少ないのですが、とにかく、両艦長の頭脳戦が見応えありました。
酸素の量も限られた、潜水艦・・・密閉された海底を舞台に、命を賭けた頭脳戦。
見ている方も、手に汗握り、ドキドキでした。
倉本は次々に、相手を出し抜くための奇策を提示しますが、その作戦が成功するのは、やはり、乗組員達の艦長に寄せる信頼のなせるわざであって。イ-77の乗組員全員が心を一つに寄せていたからこそ、為し得た成功なのではないかなぁと思えました。

そうそう。
映画の中で、ちょっと面白いシーンが。

主人公のイ-77艦長の倉本は、音楽に関しては全く知識がない・・・という設定です。
一方、彼の親友である有沢は音楽を愛しており、また、その妹、志津子も元音大生。
で、潜水艦の中で、「もうダメかも・・・」という戦局の時、楽譜の読めない倉本は、初常務の若手乗組員・鈴木に、その楽譜をハーモニカで演奏してくれって頼むのですよね。ハーモニカが大好きな鈴木が、将来は音楽の教師になりたいという夢がある・・・と語るのですが、それを聞いた倉本は、
「自分も若い頃は、オーケストラの指揮者を目指したことがあった」
とひと言。
それを聞いて、ビックリする周りの乗組員達。
そして、
「冗談だ」
と笑う倉本艦長。

ちょwwwwww
これ、結構、シリアスで決して笑い所ではないシーンなのですが、劇場内、かな~り沸きました。ハイ、私も、笑ってしまいましたですよ。
これって!
これって、絶対、「ネタ」ですよね??
だって、倉本艦長役は、玉木宏さん! ドラマの「のだめ」で、千秋先輩を演じられましたよね。なので、これは、絶対、俳優さん繋がりのネタだ!!と。
ホント、シリアスな作品中、劇場が笑いに包まれた瞬間でした・爆
こういう遊び心、好きですよ(^^)b

あと、これは、私の個人的ツボなのですが、私、潜水艦とか戦艦とかって、結構好きでして(^m^)
いえ、別に、ミリタリーマニアという訳ではないのですが・・・ね。
なので、そういう潜水艦を舞台にして・・・という作品で、面白かったです。

戦争物ではありますが、激しい戦闘シーンはなく、人の想いの溢れる静かな人間ドラマで、私は好きでした。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿