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映画『ホットロード』

2014年09月11日 | 映画鑑賞記
昨日見て来ました、映画『ホットロード』の感想を(*^^*)

子供の頃、凄く人気していたコミックスですよね。
私の周りの友達は、結構読んでる子、多かったです。
私は、『マーガレット』ではなく『なかよし』や『りぼん』派だったので、読まなかったなぁ。

という訳で、作者さんやタイトルは知っていましたが、原作は未読。

この作品も、バイクの話・・・くらいしか前知識は無かったのですが、人気作品の映画化、ということと、『あまちゃん』の能年玲奈ちゃんが見たくて、気になってました。



■映画『ホットロード』予告編



私は、昔も今も、不良や暴走族は嫌いですし、カッコイイと思ったこともないので、登場人物達に共感は出来ませんでしたが、普通に面白かったです(^^)

ジーンと来るシーンや台詞も多かったです。

そして、能年ちゃん、可愛かった~。

髪型の所為か、どうしても、あまちゃんを思い出してしまうのですが(笑)

でも、能年ちゃん演じる和希の、ぶっきらぼうな言葉使い、学校や家に居る時の無表情な目、そして、それと対比するかのように、春山と居る時の生き生きとした目、元気な表情が凄く印象的でした。



この物語の舞台となるのは、原作が書かれた80年代。

暴走族とかが全盛(?)だった頃ですよね。

制服のスカートがかな~り長めなのに「時代」を感じてしまう一方で、男主人公の登坂広臣さん演じる春山は、なんか、あまり昭和の香りがしなかった・・・というか、現代の男の子って感じがしてたのはなぜだろう??
やっぱ、髪型・・・とか??(笑)


で。

少し複雑な家庭環境にあり、母親と良い関係を築けていなかったヒロインの和希が、友達の紹介でNightsという暴走族のメンバー達と知り合い。
その中の春山という少年との恋愛を通して、そこに自分の居場所を見つけ、成長していく~~という物語な訳なんだけどね。


和希の母親。
名前は出ずに、ただ「ママ」とだけ出て来る木村佳乃さん演じるお母さんが・・・ちょっと酷いなぁって思っちゃったですよ。

あのお母さん見てると、和希が可哀想になっちゃいます。

多分、大人になりきれていない女性なんだろうなぁって。

和希が反抗的なのも、

「なんで? 私はこんなに頑張ってるのに? どうして私が悪いの? こんなに頑張ってるじゃん?」

みたいに思ってばかりだったのだろうなぁ。

恋人・・・というか、高校時代からお互いに好き合っていたけど結婚出来ず、今も交際を続けているとという鈴木氏の事も、

「高校の頃からずっと好きだったのに! なんで、お互い、別の人と結婚しなきゃいけなかったのよ~!」

ってブチ切れてたし。

そりゃ、和希が「私があの人の子だったら良かったのにね」って思うだろうよ(--;

原作読んでないから分からないけど、このお母さんは、精神的に子供なんだろうなぁって思いました。

そして、若い頃から、自分の本当の気持ちにちゃんと向き合って来なくて、周りに流されるだけで生きてきた人なのかなぁと。

鈴木氏の一件にしても、また、和希との関係にしても。

自分の事ばかり考えて、それでいて、自分からは何もしない。だから、こういう事になっちゃったのではないかなぁ。

そして、母親がちゃんと娘と向き合っていないから、娘は「自分は愛されていない」って思ってしまうのですよね。14歳・・・まだまだお母さんに甘えたい、頼りたい年齢なのに。

だーれも居ない部屋で、「ママ・・・ママ・・・」って言ってた和希が、凄く可哀想で。



そして、自分は愛されていないって思うからこそ、学校でも上手くやって行けず。

和希はどこにも居場所が無かったのですよね。

そんな中で、暴走族の中に、自分の居場所を見つけていく訳ですが。

春山も複雑な家庭の事情から、家を出て、自立していましたし。

和希の友達・えりが憧れてる宏子もまた家を出てるっぽかったですし。

彼らは、皆、何か心に傷を抱え、そして、居場所を求めて集まっていたのではないかなぁと。

でも、私自身は、暴走族とかは否定派なのでA^^;;
正直、居場所見つけるんだったら、そこじゃなくても・・・とか、現状に不満があるなら、まずトコトン勉強してみようよ・・・とか思っちゃうわけですがね、今も昔も。

とはいえ、とはいえ、和希達が孤独を抱えながらも、必死で足掻いて足掻いて、生きようとしている、その想いは凄く伝わってきましたです。

まだ10代なのに。孤独は辛いよね。凄く辛いと思う(;;)


そんな感じで、ヒロイン和希を中心に和希と母親の母子関係、和希と春山の恋愛が描かれて行きます。

それを取り巻く人達の台詞にも、ジーンと来る言葉が色々ありました。


中でも、印象に残ったのは、中3になった和希の担任・高津の言葉。

「命は、簡単になくなってしまう脆い物だ。君たちは、本当は、そのことを知っているのに、知らないふりをしているだけなんだ」

とか。

ママの恋人・鈴木氏の、

「和希ちゃんにとって春山君の命が大切なように、春山君にとっても和希ちゃんの命が大切なんだよ」

という言葉。

また、物語序盤の方で、熱を出して倒れた和希を看病した春山の母親が、脱色して傷んだ和希の髪の毛を見て、

「髪、傷んじゃったね。可哀想よ、自分の体が」

っていうのも。


和希達は世間から見たら、不良と呼ばれる若者なんだろうけど。
そんな彼らに、「自分を大切にすること」を必死に伝えようとしている大人達が居るのですよね。

凄いスピードでバイクに乗ったり、時には、喧嘩したりしてる彼らに「命」の大切さを伝えようとしている。

ジーンと来ました(;;)

っていうか、高津先生の「知っているのに、知らないふりをしている」っていうのが、凄くストンと納得できました。

本当は、誰だって、命の大切さも、脆さも知ってるんですよね。
それでも、知ってて尚、自分を危険に晒してしまう、そうしなくてはやっていられないような焦燥感を抱えているのではないかなぁと。



そして、ラスト。

春山の事故を通して、和希とママはやっと分かり合えたみたいですし。

奇跡的に命を取り留めた春山も、体にマヒが残りながらも、懸命にリハビリして、働いている。

えりは美容師さんの学校に進学したり、和希も高校生になってましたし。

Nightsの前の頭だったトオルも、どうやら宏子さんと結婚し、近々、子供が生まれる模様。
バスの中で妊婦さんに席を譲って、お礼を言われたときに、「実は、ウチももうすぐなんですよ」と幸せそうに言ってたトオルは、暴走族の頭だったとは思えないくらい凄く穏やかな顔をしてて。

皆、いろいろな事があったけど、ちゃんと自分の生き方を見つけ、大人になったんだなぁって感じました。


Nightsは、精神的にアンバランスだった青春時代の一過程だったのかも知れないですが。

でも、私個人的には、彼らにそのことを「青春時代のほろ苦い思い出」みたいに思ってほしくはないなぁと思っちゃったです。

事情はどうあれ、やっぱり、あれは犯罪ですし。
何より、自分自身を大切にしていなかった。

そのことを認識した大人になって欲しいなぁと思ったりした訳ですが、でも、彼らならきっと大丈夫!って信じられる、そんな希望のあるラストシーンでした。

過ぎ去りし80年代という時代を舞台にした、切なくて綺麗な映画だったと思います。




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