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アーヴィン・ウェルシュ著『フィルス』読み終わった~@帰省日記

2014年08月06日 | 徒然なる日常


先日から読んでました、映画『フィルス』の原作小説。


読み終わりました。

因みにこの本、映画化に合わせた新装版なので、表紙は変顔っぽいマカヴォイ様(*^◯^*)


で。

小説。

…実に重かった……。

いや、物理的にも、ほぼ600ページのボリュームなので、本自体も読む時に持ってるのが重かったですが(笑)

そういう意味ではなく(当たり前www)、内容的に、凄く重かった。

読後はかなり鬱ります。・゜・(ノД`)・゜・。


っていうか。

映画版も凄く不謹慎で、それゆえにR18だったりするんですが。

原作はそれを遥かに上回る不謹慎さ炸裂。

サイテー警察官の主人公・ブルース、やりたい放題、メチャクチャやっちゃってます。

でも。

物語の後半、そんな彼が段々と破滅に向かい、そこから、彼自身が抱える「闇」が明らかにされ。
それこそが、物語の冒頭にあった、彼が捜査中の殺人事件にも繋がる、核となる部分な訳ですが。

この部分は、映画と原作、全然違ってたです。

原作の方がよりダークというか。

より救いがない感じで。


でも、差別や犯罪、偏見など、色々と重過ぎて、原作通りの映画化は難しいんじゃないかと思われます。

だから、映画は若干、設定がソフトだったのかな???


ブルースは、原作だと映画以上に悪辣なことをやりまくってて。
憎しみさえ感じる、どうしようもない、サイテー男。

でも。

ラストに明かされる、彼の出生の秘密。幼少期の虐待体験。
これで、彼がカトリックを嫌う気持ちも理解出来ました。

ただただ、彼が気の毒で。。。。



物心ついた時から、父親に嫌われ、虐待され。どんなに、父親に好かれようと努力しても、叶わなかった。でも、弟は父親からちゃんと可愛がられてた。
そんな自分を、哀れみを込めて見つめる母親。

また周囲の大人達も、ブルース少年を嫌い、自分達の子と一切遊ばせないようにしていた。

なぜ、周りが自分だけを嫌うのか、理由が分からなかった幼少期。。。


やがて、父親が血の繋がった実の父親ではないと知り、実の父親は病気で亡くなっていると聞かされるものの。

その後、実は、血の繋がった父親は生きていて。それも、凶悪な強★魔として投獄され。母親もその被害者だったことを知る。

つまり、自分は、母親が強★魔にレ★プされて出来た子であると知るのですよね。。。

そして、周囲の人達が、幼い頃から自分を忌み嫌っていたことに納得する。


彼は、自分は実の父親とは違う!って自分に言い聞かせ、真っ当に生きようとするのに、周囲の人間は偏見で彼を見る。ブルースと犯罪者の父親を同じモノだと判断する。

彼が、自分は父親とは違うと思えば思うほど、周りは、彼が父親と同じであることを期待する。


ぶっちゃけ、人格が完全に破綻しているブルースですが。その人格を形作っちゃったのは、周りの人達の偏見が原因じゃないのかなぁと思いました。

でも、きっと、周囲は、「ブルースの人格が破綻しているのは、父親の血の所為だ」って判断するんだろうなぁ。

彼が色々、心を病んでたり、セッ★ス依存症だったりするのも。

実の父親がそうだったから~~~と言ってしまえばそれまでだけど。もしかしたら、周りの人達によって、そういう状況に追いやられたのかもしれない。

まぁ、それは医学的なことだから、真相は分からないですが。。。。。


ブルースがやらかした色々なコト、酷い犯罪も多々で。それは決して許されることじゃないです。でも、ブルースも、また、母親同様に犯罪被害者であり、周囲の偏見の被害者でもあったのではないかなぁと。

そう思うと、なんか、色々、考えさせられちゃったです。



あ!!

映画では日本留学生殺害事件だったのが、原作ではガーナ人殺害事件という違い。

ここは、私が推理した通り、原作の方が最悪な真相でした。。。

やっぱりねぇ……。



ラストシーンも。

映画では警察官の制服をビシッと着て、自ら命を絶っていたので。彼は自分が警察官であることに誇りを持ってるのかなぁと感じられたシーンだったのに。


原作では、全然違いますものね。

自ら命を絶った自分を、自分を捨てて出て行った奥さんに発見させるようにして。「お前の所為だ」と書いたTシャツを着て。。。

なのに、おそらく第一発見者は、彼が大切に思ってた幼い娘。


……どこまで救いが無いんだか。

うん。

映画より、ずっとずっとダークでした。


読後は、ズーーーーンと鬱ります(ー ー;)


まぁ、映画も、前半はクライムコメディかと思いきや、後半はシリアスで後味悪かったですがね。

嗚呼。
なんか悲しくなってきちゃった。。。

そんな訳で、次は、明るい話を読もう!!








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