撮影場所 倉敷市
倉敷市の美観地区には古い民家が残る。
古い民家の屋根は基本的には日本瓦でないと似合わない。
しかも瀬戸内海沿岸は日本瓦でも本瓦が多い。
本瓦は丸瓦と平瓦を組み合わせたものだ。しかし重量があり材木に負担が掛かり垂木が下がってくる。
雪のある地方は瓦さえ使えない。雪降ろしで瓦がズレるし滑る。
暖かいおだやかな天候の地域限定だ。沖縄も本瓦だが継ぎ目をセメントや漆喰で飛ばされないようにしている。
最近の町の風景を見ると日本瓦の屋根はほとんど見ない。
私が写真を撮っていた頃と比べて大きく違うところは屋根である。
鯉幟の歌に出てきた甍の波は日本瓦であった。
まだどこの古い集落の屋根も古い日本瓦であった。
高いところや山の斜面に登り撮って置かなくてはいけなかった。
日本瓦は燻し瓦と呼ばれ煤で燻して黒く着色する長年使うと着色がはげてまだらになる。このまだらが時代が付いた証てもある。
最近の日本瓦は製法が違うのか色落ち劣化しない。色も黒瓦でない。
写真展をしたときに屋根を撮っているという人がきてこれはどこで撮ったかときく。
83歳と言ったまだ元気だ。歩けない私など羨ましい限りだ。
しかし今頃になり何で屋根など撮るのだろうかこの人なら昭和30年代の写真も撮れたのに厳しい言い方だがチコ子ちゃんに叱られてではないがボケーと生きてるんじゃないよ