私の腰から下は水の中にある。
それは幼いときからのこと。
その水は、冷たいときもあれば、温かいときもある。
流れもある、激しい流れのときは、立っているのが辛い。
時々、横の道を人が通る。
走り去ってしまう人、見てみぬふりする人、立ち止まって話しかけていく人、遠くから眺めている人・・・
いろんな人がいる。
「そこから出ておいで」と声を掛けてくれる人もいる。
冷たい水が流れているとき、私はここから出たいと思う。
でも、温かい水が流れているとき、ずっとここで温まっていたいと思う。
私は、人が通るたびに右手を上げる。
上げた手を見て、微笑んで近づいてくる人、バイバイをする人、「あっちへ行け」と勘違いして遠ざかる人・・・
ある日、私の横を白馬に乗った王子様が通りかかる。
いつものように右手を上げる私。
王子様は、私の手をつかみ、力強くその手を引っ張る。
水の中から引っ張り出された私は、王子にムンズと抱きかかえられ、白馬でその場から離れていく。
「いいか、水の中にはもっどってはいけないぞ。馬から落ちないように、私にしっかり捕まっていなさい」
しばらくすると、白馬から落ちないようにしっかり捕まっていた私に王子は言う。
「馬の乗り方を教えてあげるから」
怖がって、何もしない私に、
「覚えなくてはいけない」と強い口調になる。
馬の乗り方を覚えた私は、面白くて、面白くて、ひとりで遠出をする。
戻ってくると、笑顔で迎えてくれる王子。
「この花見て。綺麗でしょ」
「この花はね・・・」
いつまでも、いつまでも会話は止まらない。
それは幼いときからのこと。
その水は、冷たいときもあれば、温かいときもある。
流れもある、激しい流れのときは、立っているのが辛い。
時々、横の道を人が通る。
走り去ってしまう人、見てみぬふりする人、立ち止まって話しかけていく人、遠くから眺めている人・・・
いろんな人がいる。
「そこから出ておいで」と声を掛けてくれる人もいる。
冷たい水が流れているとき、私はここから出たいと思う。
でも、温かい水が流れているとき、ずっとここで温まっていたいと思う。
私は、人が通るたびに右手を上げる。
上げた手を見て、微笑んで近づいてくる人、バイバイをする人、「あっちへ行け」と勘違いして遠ざかる人・・・
ある日、私の横を白馬に乗った王子様が通りかかる。
いつものように右手を上げる私。
王子様は、私の手をつかみ、力強くその手を引っ張る。
水の中から引っ張り出された私は、王子にムンズと抱きかかえられ、白馬でその場から離れていく。
「いいか、水の中にはもっどってはいけないぞ。馬から落ちないように、私にしっかり捕まっていなさい」
しばらくすると、白馬から落ちないようにしっかり捕まっていた私に王子は言う。
「馬の乗り方を教えてあげるから」
怖がって、何もしない私に、
「覚えなくてはいけない」と強い口調になる。
馬の乗り方を覚えた私は、面白くて、面白くて、ひとりで遠出をする。
戻ってくると、笑顔で迎えてくれる王子。
「この花見て。綺麗でしょ」
「この花はね・・・」
いつまでも、いつまでも会話は止まらない。