minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

ストレス解消法?

2008年11月01日 | 家族の日常
朝起きると息子が制服に着替えて、猫の頭を撫でながらじっと瞑想に耽っていた。

「何してんの?」
「こうやると、ストレスとかがほぐれるらしいんだ。」
何やら腹式呼吸の一つだったみたい。ふ~ん。やっぱり緊張しているんだな。朝ごはんもいつもの半分しか食べなかった。

「私も今でも時々緊張して指がこわばって動かない時があるのよ。」
「へ~、ソロ吹いていて指が動かなかったらどうするんだよ。」
「動くようになるまで、ロングトーンとかでごまかしながら・・・だんだんほぐれてくるのを待つw。」
「ふ~~~ん。緊張してお腹が痛くなったりしない?」
「緊張するって事は悪い事じゃないの。素敵な事なんだよ。だから、緊張する場面を楽しんじゃえばいいのよ。今日は最後なんだし、思い切り楽しんでサックスを吹いてらっしゃい。」


息子の最後の文化祭。今までの中学校生活のほとんどがこの吹奏楽部で過ごしてきたようなもの。そして今日が終われば明日からは完全に受験モードになる。

父兄席は一杯だったけど、要領よく一番真ん中に座れたのでビデオもしっかりセット。3年の演劇、コーラスも終わり、どんどん吹奏楽の出番が近くなる。練習は1度しか観ていない「ソーランファンク」のバリトンソロ、ちゃんと暗譜で吹けるのかなあ。などとあれこれ考えているうちに手が痺れてきた。

いよいよ吹奏楽部の出番。ミッキーマウスメドレーやコンクール曲のあと、いよいよソーランファンクだ。それまで中央の奥に隠れて全く見えなかった息子が立ち上がってステージのお立ち台に上がった。もちろん譜面台はない。長くて難しいソロだったが堂々とバリトンの太い音色をきちんと聞かせていた(完璧親ばかモード)。そしてアンコールはテキーラ。今回でこの演奏を聴くのは3回目になる。いつも緊張して高音が出せていなかったのに、今回は一つもミスなく、完璧なアルトサックスソロを聴かせてくれた。おおおお、よくやったぞ~~~~!3年間お疲れさま~!!!楽しませてくれてありがとう。

一番手に汗握って緊張していたのは・・・私だったのかも知れない。




チャイナタウンの夜は更けて

2008年11月01日 | 
ハロウィンと言えば、やはり「Double Rainbow」を録音したブルックリンのスタジオを思い出す。子供たちが黒いマントを着たり、可愛い帽子を被ったりして歩いていた。スタジオには山のように可愛らしいキャンディやらチョコレートがあったのを両手一杯にひっつかんで、子供たちにおいでおいで!とお菓子を配った。D.マレイやSteve Coleman御用達の素敵なレコーディングスタジオでフェローン達とおおはしゃぎしながらの楽しい録音だった・・・。

[Trick or Treat]なんて、通りじゃ誰も叫ぶ子供たちを見かけない。会たり前か。ここはNYのエルドリッジ・ストリートでもブルックリンでもなく、酔っぱらいの叫び声とどら猫たちのの鳴き声が響く池袋下町の商店街。

この頃、買い物で北口駅付近を通るとあまりの中国人の数に驚く。北口はすっかりチャイナタウンと化してしまった。すれ違う若者たちが中国語で話しながら楽しそうに歩いている。

私達がNYのチャイナタウンに3ヶ月間住んだ頃は東京の、しかも自分たちの街が同じような場所になるなんて夢にも思っていなかったなあ・・・。

あの時、マネジャーのシスターチャイナに連れられ、初めてレゲエのグループに遊びに行った。チャイナタウンの端っこにある地下と1階のあるレゲエのクラブだった。

「あんたはこのバンドで演奏するべきよ。」
言われるがままに飛び入り演奏して以来、翌週に行われる「人種差別反対コンサート@ユニオンスクエア」に出演を頼まれ、そのバンドのメンバーになってしまった。あの白人のオレゴンからやってきた人気歌手、ジャー・リーバイは今何をしているんだろう。

私を売り込もうと必死に奔走してくれた、マネジャーのシスターチャイナは今も元気だろうか。ビジネスの方法があまりに強引すぎる彼女に
「日本人はモデスティ(謙虚さ)を大切にする人種なのよ。」
「モデスティ(謙虚さ)なんて糞食らえよ!サチ!」
何度も何度も言い争いをしたあのチャイナタウンが懐かしい。

毎晩のように友人たちが訪れ、バイヤーたちもウロウロする危険なストリートだったけど、一番怖かったことと言えば・・・。

私とトシキがふらふらと真夜中にライブから戻る途中、ダダだ~~ッと何かが足下を横切って反対側のゴミ箱に向かって大移動した。良く見れば、大きな大きなネズミの大群。ひえええええええええええ、と声にならない悲鳴をあげて慌てて玄関に飛び込んだ。本当に恐ろしかった。池袋の街にもこんな大きなネズミたちがどこかで走り回っているのだろうか・・・(汗)。