minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

師弟関係

2010年03月11日 | 家族の日常
今年は自分も大台にのってしまったが、私の大先輩方のサックス奏者がのきなみ「還暦」イヤー。梅津さんも昨年大々的に「還暦記念ライブ」をやったり、林さんもお正月に誕生日ということで小さな高田の馬場でライブをやっていた。そういえば私の師匠も・・・と思っていたら

「T師匠の還暦ライブを行います。真っ赤な衣装を着せてSaxを吹いてもらうという、またとない光景を見られる唯一のチャンスです。どうぞお誘い合わせの上ふるってご参加ください。」

という連絡が入った。膨大な数の生徒を持つ師匠だし、生徒たちのジャムセッションもある、と書いてあったので・・・丁重に私はお断りした。実は昔からジャムセッションが大の苦手。意外と引っ込み思案な私です・・・???

「真っ赤な衣装を着せてSaxを吹いてもらう」

えええ?T師匠はそんな事するタイプではないし、なんか観たくないな~。と思っていたら案の定、秘密に企画していたらしいのが師匠にバレて大もめらしい。さあどうなるのやら?

T師匠の弟子はかなりの数がプロになっている。私だけ落ちこぼれだけど(涙)同期の友人たちがみんな活躍している。師匠の教え方が上手いのか?と聞かれると決して「はい!」とは言えないw。私の通っていた頃はグループレッスンだったが、マイナスワンをかけて順番に演奏させていくやり方。ちらっと師匠を見たらウトウト・・・演奏が終わるとはっと気がつき「あ、いいんじゃない?」って寝てたくせに・・・w。

それなのに何故だろう?T師匠の大らかな人柄と色っぽい音色に魅了された20代。たまに居眠りしているが、生徒に対する面倒見の良さは人一倍。「ジャズの現場の楽しさ」をとうとうと語ってくれたアフターアワーズ。そんなミュージシャン生活に憧れた人が多かったのだろうな。

しかし、それとは逆の教え方のミュージシャンもいる。「●●音大を首席で出た女の子を教えたけど俺のところに習いに来て・・・サックスやめちゃいました。」と某サックス奏者。彼の教え方は半端なく厳しく、全員がプライドをめった切りにされて必ず一度はレッスンで泣くらしい。「何を音大で学んでいるんでしょうね?」ひえ~~~。私だってきっと辞めてしまうかも知れないなあ。「でも、ジャズってつらい。クラシック練習している時の方が全然楽しいですね。」とつぶやいた。ストイックな彼にとってはジャズは修行のようなものなのだろうか。

いろんなサックス奏者がいて、いろいろな教え方があるものだ。「所詮ジャズなんて習うもんじゃない!」と誰かに言われそうだけど(苦笑)。

ジャズが苦しいとか、クラシックが楽しいとかって考えた事がなかったなあ。あまり深く考えるタイプじゃないし、音楽っていつも楽しいものだと思って来たけど・・・・だからいつまでたっても上達しないのか。でも私は音楽って本当に楽しいよ、って伝えたい。プロになるにしてもならないにしても・・・ま、何事も本人次第だと思うのだけれど。