minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

キューバ音楽旅行記18 さよなら、サンティアゴ・デ・クーバ!

2017年01月03日 | 
サンティアゴといよいよお別れの日。2時に宿に午前中に見つけた大型タクシーが迎えにくることになっている。

午前中、2時間ほどかかって荷造りをし、再びAltecでエミリオたちに会いに行き、お別れのご挨拶。



そして、最後のランチだけは、と宿のおばさんに作ってもらうことに。これが涙がでるほど美味しかった。




チキンのトマトソース煮込み

ああ、なんで最初からここで食べなかったんだろう。ろくなレストランがなく、たくさん酷い味を体験してきた私たち(苦笑)。おばさんにそういうと、ニコニコ。本当に素晴らしい宿でした。ありがとうございます。



キューバに行く人は、民泊の食事を一度試してみることをお勧めします。

そのまま飛行場へ。行きのこともあったので、今回はアルトサックスもソプラノもぐるぐる巻きw。






荷物は重量オーバーを無視して載せてくれるし、最高のプロペラ機でした。




夕方の便でハバナには8時頃に到着。約束の宿へ行ってみると(3階)、今回は2階の部屋に泊まれ、と言われる。ベッドは一つしかないけれど、明日になったら簡易ベッドを入れにくるから我慢せよ、とのこと。なんだか汚いし狭いし、いろいろと文句言いたかったが言われる通りにするしかない。

とりあえず、お腹すいたから、いつものレストラン(Biky)へ行こう、とアパートを出た途端に、つるっと滑ってすってんころりん。左手をついてしまった。

なんで晴れているのに、地面が濡れているんだ?!おそらく、アパートの室外機の水が落ちてたまったものだろう。真っ暗な公園の片隅だったのでよく見えなかったから油断していた。私としたことが・・・痛みをこらえながらBikyへ行く。なんか、最悪な状態になってきたぞ(涙)・・・・(つづく)。


キューバ音楽旅行記17 さよならSession & Party

2017年01月03日 | 
マイケルたちと別れて、そのままエミリオの家へ。手土産はいつものロン(ラム)とセルベッサ(ビール)。彼らは昼だろうが夜だろうが本当によくお酒を飲む。

私にとってエミリオの家がキューバで一番落ち着く場所だった。なぜかわからないが、この家にはいつもいろんなミュージシャンたちが立ち寄るのだ。可愛くて性格の良いエミリオの奥さんにも癒される。

家族のようになってしまった仲間たちがだんだん集まってきて自然にセッションが始まる。

セッションの動画、コンパイセグンドの「チャンチャン」






エミリートの息子(ミチェル)とAtzelおじさん。

エミリオが「これ、キューバ風のスシだから食べてみて。」



緑色の寿司???ライスとエビのボイルをしたものをレタスで巻いたものだった。「Que Rico!!!(おいしい)」持参した醤油をひとたらし。みんなが醤油を珍しそうに食べる。奥さんが気に入ったらしく「この醤油、置いていってくれない?」プレゼントすることに。

さらにエミリオが煮込んだ豚とパコの奥さんが作って持ってきてくれたコングリ(豆を一緒に炊いたごはん)にアボカドサラダ。



やはりキューバは家庭料理が一番美味しい。

遅くまで楽しい宴は続いたのであります。サンティアゴ・デ・クーバ万歳!!(つづく)







キューバ音楽旅行記16 サンティアゴの音楽事情

2017年01月03日 | 
サンティアゴ・デ・クーバのサックス吹きマイケルと知り合いになったので、音楽事情をいろいろときいてみる。

ここの音楽家たちも小さいころにハバナの音楽学校を出ていたり、勉強したりした人が多いようだ。マイケルのバンドリーダーのピアニストもいつも小さなキーボードを弾いている。普通のピアノのような88鍵もない。おもちゃに近いエレピ。家にもピアノはないそうだ。それで一生懸命アレンジなどもやってオーケストラにも所属しているらしい。

マイケルも私のソプラノを少し吹かせてあげたが、とても嬉しそうに吹きまくった。かれも決してセサルのようなプレイヤーではないが、テクニックはそこそこある。ただ、ピッチが悪い。もうそれでやり慣れてしまっているから平気なのかもしれないが、どうしてもそこだけ気持ち悪かったw。「修理とかリードはどうしてるの?」「そんなの、ここでは何もないよ。」わずかなリードをずっと使いまわしているらしい。ピッチの悪いのも楽器のせいかもしれない。いやはや、大変な状況の中でみんな必死に演奏しているのだ。アルトサックスだったらリードをたくさんあげられたのに・・・。帰国してから送ってあげるからFBで住所とか教えてね。と約束する。

エミリオも自分でベースを制作している。トシキのイタリア製の「アルターエゴ」という会社のアップライトベースにもとても興味を持って、サイズを細かく測って写真を撮りまくっていた。「次に来るときはベース持ってこなくてもいいからねw。」きっともう一台新しいベースが完成しているだろう。


すっかり仲良くなった昨日のバーに再び向かう。昼過ぎ2時からすでにお客でいっぱいだった。オーナーがニコニコ出迎えてくれて「今日はなんでも好きなものを注文していいよ。」

じゃ、お言葉に甘えて「ピニャコラーダのアルコール抜きを。」と私がいうと、オーナーがバーテンダーの女性に耳打ち。彼女がさっと外へ飛び出した。5分くらいしてもどってくると、「材料を買いに行ったのよ。あなたのために特別に作るわ。」なんと、ココナッツとミルクを買いに行ってくれたのだった。
目の前で作るピニャコラーダ。最高においしかった。心のこもったおもてなしに涙がでそうになった。


生のココナッツ(凍らせたもの)を見せてくれるバーテンダー。

結局4時近くまで演奏し、オーナーが「次にきた時はぜひこの店で演奏してくれないか?ジャズフェスにもからめたいね。」嬉しい一言。





彼らとの3日間、とても濃厚で楽しい出会いでした。マイケル、ありがとう。音楽の神様ありがとう。
もっともっと早くこの店を知っていたらなあ・・・。もう一度訪れる日が来るだろうか。(つづく)








キューバ音楽旅行記15 チャングイと雨とジャズバーライブ

2017年01月03日 | 
サンティアゴに滞在して2週間、ほとんど雨は降らず、降っても天気雨程度。ハバナもそうだったが、やはりキューバはこの季節が一番良い時期だそう。気温も日陰に入れば十分涼しい。もちろん、宿にはクーラーも完備されているがめったに使わない。

午前中にまたカサデラトローバの1階を通ると「チャングイ」というキューバの伝統音楽を演奏していた。この音楽ではベースを使わずにカホンに巨大なカリンバがついたものを叩く(マリンブラ)。ほとんどコード進行とかリズムに変化はないのだけれど面白かった。



チャングイの演奏動画

急遽TReSの参加はできなくなってしまった野外ライブの会場は、中心街から少し離れた場所だったのでエミリオたちがバスと歩きで一緒に連れて行ってくれることになった。

ここサンティアゴの街はほとんどメインのライブハウスなどは歩ける距離に密集していたので、ハバナでは毎日一万歩ほどは歩いていたのに、ここではほとんど歩かなくてすんでいた(ただし、坂道がきついけど)。

しかし今回は結構な距離を歩いたので、楽器持って歩かなくて助かった。エミリオは5メートル歩くごとに友人から声をかけられて立ち話。人柄の良い彼は本当に人気者だ。








野外ステージ


SONARTEのメンバーと。

みんなでワイワイとロン(ラム酒)を飲みつつ5時になるのを待つ。私は飲めないからジェラート。そうしているうちに一変にわかに掻き曇り・・・・。Sonarteがステージにあがって、いざ、音を出そうとした瞬間に・・・大粒の雨。あわてて楽器を片付けて雨の止むのを待つことになった。



1時間以上もこんな土砂降りの雨が降ったことなんてキューバに来て初めてだった。よりによって野外ライブの日に。結局Sonarteの演奏も中止。みんなは雨宿りをバーでしながら楽しそうにロンを飲み続けていた・・・。本当に楽器を持ってこなくて助かったなあ・・・・汗。

「じゃあ、明日のお別れパーティは4時くらいからおいでね。」エミリオがみんなを誘って私たちを招待してくれることになっている。明日はエミリオも料理を作るらしい。楽しみだ。

みんなとお別れし、雨上がりの道をてくてくと中心街まで歩いて戻った。

今度は夜の10時からマイケル(サックス奏者)たちに呼ばれてCasa Grandeのバーへ向かった。

バーカウンターの上がステージになっている。私たちが店をようやく探し当て、店内に入るや否や・・・・拍手が起こった。「待ってました〜!」
ステージで演奏しようとしていたマイケルたちも一旦やめて私たちを迎えてくれた。

「よく来たね。じゃあ、1曲演奏したらステージにあがってきてよ。」

ソロがまわってきたので吹き始めるとキャーキャーと 歓声が湧き上がった。めちゃくちゃノリの良い店だ。知っている曲になるとみんなが一緒に歌いだす。なんだ、なんだ?この店は???
1セット終わってステージを降りるとみんなが声をかけてくれる。ここのオーナーも大喜びでコーラやビールを差し入れてくれた。(こんなの今までなかった)。
さらに、2セットめはエレクトリックベースを借りてトシキと私たちTReSで何か演奏していいいよ、と言われたのでパーカッションと一緒にTicoTicoを演奏するとこれがまた大受け。

「あさって帰っちゃうの?明日の昼2時からもここで演奏するんだけれど来れないかな?」
「4時くらいにはお別れパーティに行かなくてはいけないけど、それまでならOKよ!」(つづく)




ノリノリのオーナーと。