「家電のお話」
昨日とはがらっと代わり家電の話です。
画像は1969年、昭和44年のナショナルのカタログをスキャンしたものだ。
横20cm、立10センチほどのカタログで88ページあり時計から井戸用ポンプまで
ナショナルのありとあらゆる商品が載っている。井戸用ポンプまであるところが時代を感じるのだが見ているとなかなか面白い。
冷蔵庫を見てみると「使いやすい冷凍時代の普及機種」と書いてある。容量は100㍑になっているが
今の標準的な大きさは400㍑前後だからいかに小さいかがわかる。
価格は52500円。
電子レンジを見てみると「電波で調理しますので秒速のスピードで調理できます」「栄養価を逃さず殺菌効果もあります」などとなんか怖ささえ感じるコピーが書いてある。
当時の価格で138000円とは恐ろしいほど高価格の商品だっただろう。
この名前は「パナクック」となっているが、以後ナショナルは「エレックさん」になった。他は三菱「ダイヤクック」、シャープ「ハイクッカー」、東芝「アラカルト」、サンヨー「コックさん」となっている。
テレビは19型がメインで販売されていたようだ。
あのパナカラーであるが流石に家具調だ。価格は一番安いもので178000円となっている。
電子レンジとあまり変わらない価格なのだからどれだけ高級品かがわかる。
もちろん白黒テレビも併売されており白黒の19型は59800円とぐんと価格が下がる。
もっと恐ろしく高いものとしてビデオだ。
この頃はVHSなどというカセットではなくオープンリール式のビデオだ。
中学校にこのタイプが置いてあったのだが、でかいイメージがあった。
価格は220000円!。カメラも載っていて94000円の高価格な上にもちろんカメラだけなので
撮影するにはこの馬鹿でかいオープンリールの本体に接続しなければならず、外には持ち出せない仕様
となっている。カメラには液晶ファインダーなどないから撮影にはカメラ、ビデオデッキ、モニターの3点が必要ですと
注釈も載っている。
この時代にビデオがあったのかと驚くが一般家庭には普及してなかっただろう。普及価格帯テレビより高いのだから。
洗濯機は有名な「うず潮」だ。ウチの洗濯機もうず潮だった。「2.3キロも洗える大型設計」とあるが今は9キロくらいまで洗えるものもあるのでこれも弱小だ。超大型と書いてあるものでも3.2キロとある。
画像ではわからないだろうが一番右の機種は絞る部分がハンドル式になっている。
昔はハンドルを回してローラーに挟み込み絞るという恐ろしい方式だったのだ。
子供の頃祖母の家にあったのがこれだったがこのローラーに草とか挟んで汁を絞ったりして遊んだ記憶がある。
価格は超大型で47800円。
洗濯機はナショナルが「うず潮」東芝が「銀河」三菱「千曲」サンヨーは「びわ湖」日立「青空」となっている。びわ湖ってなんて名前だ!
ちなみに掃除機の名前はナショナルが「隼」、三菱が「風神」、東芝「魔女」となっている。
隼も家にあったなぁ。
エアコンなどあるわけなく、当時はクーラーという名前だ。ナショナルは「樹氷」というネーミングがついている。
大阪万博のある前の年の1969年といえば私は3歳だ。
白黒テレビからカラーテレビが普及して行ったこの時代。私も子供の頃は白黒テレビが
あったなぁ。