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【週刊】企業理念 Vol.274 新日本製鉄さまから学ぶ
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経営の先輩達が悩みぬいて確立した企業理念をいろいろな
視点から読み解き、企業理念育成・経営のヒントを学びます。
──────────────【今号の所感】───────────────
グローバリゼーションが統合をさらに加速する。
原動力は業界内統合と垂直統合。
製鉄は、川上統合による鉄鋼資源確保が競争力となる。
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皆さんは、下記の発表に、何を感じたでしょうか?
鉄鋼メーカー国内最大手の新日本製鉄と同3位の住友金属工業は3日、
2012年10月をめどに合併すると発表した。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110203-OYT1T00724.htm
今週は、新日本製鉄さまの有価証券報告書から学ばせていただきます。
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◆新日本製鉄のグループ企業理念
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【グループ企業理念】
基本理念
新日鉄グループは、鉄事業を中核として、豊かな価値の創造・提供を通じ、
産業の発展と人々の暮らしに貢献します。
経営理念
1.社会と共生し、社会から信頼されるグループであり続けます。
2.たゆまず技術の創造と革新に挑戦し、技術で世界をリードします。
3.変化を先取りし、さらなる進歩を目指して、自らの変革に努めます。
4.人を育て、人を活かし、活力に溢れるグループを目指します。
以上の理念のもと、公正かつ透明な経営を行います。
(出所:http://www.nsc.co.jp/company/philosophy.html 2011/02/06)
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◆有価証券報告書からの学び
参考・出所:第85期有価証券報告書 平成21年4月1日~平成22年3月31日
http://www.nsc.co.jp/ir/data/20100628100755_1.pdf
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【業績等の概要】
●世界経済は、米国、EU等の先進諸国において、失業率の高止まり等、
厳しい状況が続いたが、各国政府の景気対策の効果もあり、特に中国やインドを
はじめとするアジア諸国が成長軌道へ回帰する等、全体として景気は回復基調が続いた。
●一方、日本経済は、建設投資の低迷や厳しい雇用・所得環境が続いたものの、
アジア諸国の経済成長や政府による景気対策の効果等を背景に、
鉱工業生産や輸出の復調に加え、消費動向にも改善の兆しが見られる等、
景気は緩やかに持ち直してきた。
●製鉄事業については、国内マーケットにおいて、主として海外需要の回復を受けて生産
が持ち直してきた自動車・電機等の製造業分野において鉄鋼需要が緩やかに回復してたが、
建築・土木分野については低迷が続いた。
●一方、海外マーケットにおいては、アジア諸国の急速な景気回復に牽引され、
第2四半期以降、鉄鋼需要は好調に推移した。
●連結業績は、
売上高は3兆4,877億円(対前期1兆2,821億円減)、
営業利益は320億円(対前期3,109億円減)、
経常利益は118億円(対前期3,243億円減)、
当期純損益は△115億円(対前期1,666億円減)となり、対前期で大幅な減収・減益。
【対処すべき課題】
●中長期的にはアジアの経済成長が継続し鉄鋼需要の拡大が見込まれることから、
中国・韓国等において鉄源工程を中心とした新規設備の稼働が本格化する等、
鉄鋼業においてはアジアを中心とした「大競争時代」が到来している。
●世界的に供給の寡占化等を背景とした資源インフレも進展しており、
国内においては温暖化ガスの排出規制強化も検討されている等、
極めて厳しい条件下でこの競争に臨まなければならない状況。
●これまで進めてきた「グローバル・プレーヤー戦略」を深化させ、
世界3極体制(日本、アジア、米州・環大西洋圏)による5,000~6,000万トンの
グローバル生産規模の構築を将来のターゲットとして視野に入れつつ、
伸びゆく海外マーケットの成長需要・地域ニーズを的確に捕捉していく。
【事業等のリスク】
●国際的な鉄鋼需給の変動が業績に影響を与える可能性がある。
●製鉄事業の需要家は、商品に加工して販売する等を前提に鋼材を大量・定期的に
購入することが多く、主要な需要家の購買方針の変更は業績に影響を与える可能性がある。
●鉄鉱石、石炭、合金、スクラップ等、主に製鉄事業に用いる原燃料の価格や
その海上輸送にかかる運賃は、国際的な資源需給に連動している。
今後も、経済情勢や鋼材生産等を反映した鉄鋼原料の需給バランスにより
大きく変動する可能性がある。
【研究開発活動】
●中期経営計画において「技術先進性」の拡大を基軸に、製造実力を強化し、
高級鋼主体の総合力No.1サプライヤーを目指すことを方針に掲げ、
需要家ニーズを踏まえた差別化商品の開発や新たなソリューション技術の提案を行うとともに、
国際コスト競争力の強化に向けて製造・販売・技術・研究一体となって取り組んでいる。
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◆今号の所感
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グローバリゼーションが統合をさらに促進する。
原動力は業界内統合と垂直統合。
製鉄は、川上統合による鉄鋼資源確保が競争力となる。
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◆参考資料・書籍
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□新日本製鐵㈱と住友金属工業㈱の経営統合に向けた検討開始について
http://www.nsc.co.jp/news/data/20110203105009_1.pdf
□地盤沈下する日本の「鉄は国家なり」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100603/214754/
□鉱業と鉄鋼:今後の統合の展望 =2つの業界における内部統合の分析=
http://www.atkearney.co.jp/pdf/Mining_Steel-J.pdf
□平成23年度中期連結経営計画(2010年1月28日)
http://www.nsc.co.jp/ir/data/20110106134616_1.pdf
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*株式会社等の敬称は省略させて頂いております。
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