Olive☆。.:*:・'゜

つれづれなるままに・・・雑感を

「An Education」

2010-08-26 21:47:14 | 映画
14日(土)に友人とギンレイホールで邦題「17歳の肖像」を観ました。

勉強することは根気がいるし退屈なことだけれども、こつこつと積み上げていって
身に付けた知識は教養となり、血となり肉となって自分を豊かにしてくれる。
「教育」を主題にした、見ごたえのある作品でした。

低予算で撮影期間も6週間あまりだったとか。そんなことを感じさせない作りで、
60年代前半のロンドン郊外に住む中流社会の人たちの様子を知ることができました。
主人公のジェニーは成績優秀で名門オックスフォード大学を目指しているが、たとえいい大学に
進んでも教師になるか、公務員になるか、それくらいしか将来の選択肢はない。
階級社会で何かがない限り自分の所属する階級から抜け出せない閉塞感。
そんな中で憧れていた華やかな世界に連れていってくれる大人の男性デイヴィッドに出会います。
デイヴィッドの友人であるダニーとヘレンが住んでいる豪邸には美術品やら年代物のチェロが
いっぱいあるけれども彼らにとってはお金儲けや自分を飾り立てるものとしてしか捉えていない。
ジェニーの父親が大学入試で協調性を証明できるからとオーケストラを辞めることは許さない
のに、趣味のチェロの練習をもっとしたいジェニーに練習をさせないとか、パリに憧れて自ら
フランス語の勉強はするのに学校で習うラテン語が苦手のジェニーとか、人は目に見える結果に
直結するもの、実務社会で役立つものを優先してしまうものですね。。。
あんなにフランスに憧れるジェニーが大学で専攻しようとしているのが英文科。
ジェニーがデイヴィッドと付き合うようになって、大学進学よりも永久就職させた方が
いいのでは?と考えるようになるジェニーの両親を見るに経済的に余裕がないようだし、
フランス語やフランス文学を勉強するよりも英文科を卒業して国語の教師になった方が
自活出来るってことなのかも知れませんね。

ジェニーは痛い思いをして学びまた成長するわけですが、元々大人びた一面があって
オーケストラクラブで一緒のボーイフレンドよりも紳士的でお金持ちっぽいデイヴィッドを
評価する両親に対して「作家の知り合いはいなくても、 作家になれるかもしれない」と
人を見抜いているかのようなことを言ったり、大学からの合格通知をまるで何かの案内状か
ように淡々と両親に見せ、ひとり離れた場所で静かにしみじみした気持ちに浸ったり。
何よりも退学届を叩きつけた校長のところに交渉に行ったり、「死んだような」と自分が罵った
スタッブズ先生のところをジェニーが訪ねて行ったのには驚きました。
スタッブズ先生は生徒に深い愛情を持っていて、生徒を見捨てない『教育者』だったことで、
ジェニーも大学生活を送ることが出来るようになるのでした。

ジェニーを演じたキャリー・マリガン、校長役のエマ・トンプソンそれからスタッブズ先生を
演じたオリヴィア・ウィリアムズ。ジェニーのお父さん役のアルフレッド・モリーナやヘレンを
演じたロザムンド・パイクも良かったです。

今年観た映画の中では5月の時点では「孤高のメス」がダントツ1番でしたが、
今は「17歳の肖像」が1番で次が「孤高のメス」かな。
他には「ただ、ひとりの父親」、「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢
それから「新しい人生のはじめかた」が心に残っています。

公式サイト日本版英語版
コメント
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