今日は関根祥人師主催の花祥会を鑑賞するために観世能楽堂まで行ってきました。5月に横浜で行われた関根家の会は体調不良は断念してしまったので、今日はその分も楽しんでまいりました。祥人さんの『道成寺』や祥人さんのご子息・祥丸君の初面もありますしね。同じ曲はまた見られるかもしれないけど、今日はまた特別なのです。それにしても最近の私の観能傾向は思いっきり偏っていますねぇ・・・(苦笑)いけない・・と思いつつも同じお金と時間をかけるなら・・・と思うと偏ってしまうのです・・・。
能 『俊成忠度』
16歳になった祥丸君の記念すべき初面の舞台です。子方は能面をつけることができないので、初めて面をつけて舞うということは、大人の能楽師の第一歩という一生に一度の機会。祥丸君も緊張いているのだろうけれど(お父さまやおじいさまはもっと!なんでしょうけど)、客席も緊張に包まれていました。子方時代の祥丸君の舞台もいくつか拝見していますが、ついに初面かぁ・・と感慨深くなってしまいます。やっぱり緊張気味?ということを感じた出でしたが、凛としていてまっすぐで・・・若者らしい舞でしたね。カケリやキリの刀を持っての舞は一つ一つが決まっていて、こういうところがお父様と似ていらして、“血”を感じました。謡は声がまだ安定していないのかな?ということも思いましたが・・・これからがとても楽しみです。
曲自体はまったく初めて見ました。同じ忠度をシテとした『忠度』も未見ですので比較はできないのですが、和歌に秀でた一面と武将の一面との二面性のうちでもとくに修羅物としての一面の方がかなり強いなと感じました。
ですが、今回は一人の若い能楽師の新たなる出発といった爽やかさも感じた舞台でした。祥丸君、これからもがんばってください!!
シテ:関根祥丸 ツレ:山階彌右衛門 トモ:清水義也 ワキ:村瀬純
笛:松田弘之 小鼓:鵜沢洋太郎 大鼓:柿原弘和
地謡:岡久広、高梨良一、津田和忠、上田公威
岡庭祥大、坂井音隆、斉藤剛、高梨万里
後見:寺井栄、観世清和
能 『道成寺』 赤頭、中之段数躙、無躙之崩、五段之舞
やっと祥人さんの『道成寺』を見る機会ができました。今回は小書き(特殊演出)を全部つけての上演となります。入場時にいただいたパンフレットを読むと、足拍子や急之舞への入り方、また急之舞も常の三段から五段に、後の装束が違う・・などの変更点があるそうです。といっても常の道成寺もあまり見慣れておりませんので、比較があまりできないのが残念ですが・・・。歌舞伎の道成寺ものは華やかな舞踊ですが、こちらは歌舞伎のような華やかさとは対極の心地よい緊張感が漂っています。道成寺の鐘が狂言方によって舞台に運ばれ吊るされる・・・シテ方などは登場いていなくてもそこから舞台は始まっている・・・。この心地よい緊張感を感じることができるお能の世界が私は好きなのかもしれません・・・。(歌舞伎も好きですけど、また別腹なので・・・。)
まず最初の見せ場は乱拍子。烏帽子をつけて舞を始め、大鼓の気迫がかったところから、一気に長時間に渡る小鼓とシテの一騎打ちの乱拍子。鼓方の掛け声(大倉と違って鋭く短い掛け声でした)や鼓に合わせて・・派手な動きではないけれど、ひとつひとつの型、動き、足裁きがとても印象的でした。一見、動きも少なく音も鼓の音と掛け声と笛のみで、見る人によっては・・・いや演じる方によってもかもしれませんけれど退屈に感じてしまうこともあるかもしれませんが・・・その動きがこの白拍子の女の情念、恨みなどを表す粘り気を感じまして、飽きることなく見ていた・・・いや・・・祥人さんの作り出す空間に吸い込まれていたといってよいでしょう・・・。ただ、とても残念だったのが・・・・急之舞に入ってから、小鼓の音も間も調子がおかしかったこと・・・。恐らく皮か調べ緒のどちらかにトラブルが起きたのだと思いますけれど、音が抜けていなかったので妙に気になってしまいました。亀井さん(忠雄さんの方)の大鼓のキレと掛け声がとってもよかっただけにかなり残念・・・。でも祥人さんの舞はすごかったですし、鐘に入る前に烏帽子を振り落とすところなんか・・・鳥肌ものでした!!もちろん鐘入りもドキドキ・・・。後場ももちろん凄かったです。(あ、後場は鼓の音は普通でした。なので、たぶん乱拍子の後でいろいろ辛かったのだと思います・・・)
本当、今日はとてもよかったです。ええ、ますます関根祥人ファンになってしまいました。終わってほしくない、ずっと見ていたい・・・と思う能楽師さんです。
シテ:関根祥人
ワキ:宝生閑 ワキツレ:高井松男、殿田謙吉 間:山本東次郎、山本則俊
笛:一噌庸二 小鼓:亀井俊一 大鼓:亀井忠雄 太鼓:助川治
地謡:関根祥六、関根知孝、浅見重好、木原康之
岡庭祥大、野村昌司、木月宣行、坂口貴信
後見:武田宗和、観世芳伸、高梨良一
鐘後見;武田尚浩、角幸二郎、藤波重彦、上田公威、関根祥丸
今日も狂言がありましたが、ごめんなさい・・・疲れていてほとんど意識を失っていました・・・。その他は一調『勧進帳』シテ:観世清和、大鼓:亀井忠雄や仕舞『姨捨』シテ:関根祥六がありました。上手な人の仕舞というものは本当に面白いということを今回も感じました。舞台の上で月の光がイメージできる・・・そんな仕舞でした。
終演後、ロビーで花束が配られていたので、遠慮なく(笑)頂きました。帰宅後、早速玄関に飾りました。
能 『俊成忠度』
16歳になった祥丸君の記念すべき初面の舞台です。子方は能面をつけることができないので、初めて面をつけて舞うということは、大人の能楽師の第一歩という一生に一度の機会。祥丸君も緊張いているのだろうけれど(お父さまやおじいさまはもっと!なんでしょうけど)、客席も緊張に包まれていました。子方時代の祥丸君の舞台もいくつか拝見していますが、ついに初面かぁ・・と感慨深くなってしまいます。やっぱり緊張気味?ということを感じた出でしたが、凛としていてまっすぐで・・・若者らしい舞でしたね。カケリやキリの刀を持っての舞は一つ一つが決まっていて、こういうところがお父様と似ていらして、“血”を感じました。謡は声がまだ安定していないのかな?ということも思いましたが・・・これからがとても楽しみです。
曲自体はまったく初めて見ました。同じ忠度をシテとした『忠度』も未見ですので比較はできないのですが、和歌に秀でた一面と武将の一面との二面性のうちでもとくに修羅物としての一面の方がかなり強いなと感じました。
ですが、今回は一人の若い能楽師の新たなる出発といった爽やかさも感じた舞台でした。祥丸君、これからもがんばってください!!
シテ:関根祥丸 ツレ:山階彌右衛門 トモ:清水義也 ワキ:村瀬純
笛:松田弘之 小鼓:鵜沢洋太郎 大鼓:柿原弘和
地謡:岡久広、高梨良一、津田和忠、上田公威
岡庭祥大、坂井音隆、斉藤剛、高梨万里
後見:寺井栄、観世清和
能 『道成寺』 赤頭、中之段数躙、無躙之崩、五段之舞
やっと祥人さんの『道成寺』を見る機会ができました。今回は小書き(特殊演出)を全部つけての上演となります。入場時にいただいたパンフレットを読むと、足拍子や急之舞への入り方、また急之舞も常の三段から五段に、後の装束が違う・・などの変更点があるそうです。といっても常の道成寺もあまり見慣れておりませんので、比較があまりできないのが残念ですが・・・。歌舞伎の道成寺ものは華やかな舞踊ですが、こちらは歌舞伎のような華やかさとは対極の心地よい緊張感が漂っています。道成寺の鐘が狂言方によって舞台に運ばれ吊るされる・・・シテ方などは登場いていなくてもそこから舞台は始まっている・・・。この心地よい緊張感を感じることができるお能の世界が私は好きなのかもしれません・・・。(歌舞伎も好きですけど、また別腹なので・・・。)
まず最初の見せ場は乱拍子。烏帽子をつけて舞を始め、大鼓の気迫がかったところから、一気に長時間に渡る小鼓とシテの一騎打ちの乱拍子。鼓方の掛け声(大倉と違って鋭く短い掛け声でした)や鼓に合わせて・・派手な動きではないけれど、ひとつひとつの型、動き、足裁きがとても印象的でした。一見、動きも少なく音も鼓の音と掛け声と笛のみで、見る人によっては・・・いや演じる方によってもかもしれませんけれど退屈に感じてしまうこともあるかもしれませんが・・・その動きがこの白拍子の女の情念、恨みなどを表す粘り気を感じまして、飽きることなく見ていた・・・いや・・・祥人さんの作り出す空間に吸い込まれていたといってよいでしょう・・・。ただ、とても残念だったのが・・・・急之舞に入ってから、小鼓の音も間も調子がおかしかったこと・・・。恐らく皮か調べ緒のどちらかにトラブルが起きたのだと思いますけれど、音が抜けていなかったので妙に気になってしまいました。亀井さん(忠雄さんの方)の大鼓のキレと掛け声がとってもよかっただけにかなり残念・・・。でも祥人さんの舞はすごかったですし、鐘に入る前に烏帽子を振り落とすところなんか・・・鳥肌ものでした!!もちろん鐘入りもドキドキ・・・。後場ももちろん凄かったです。(あ、後場は鼓の音は普通でした。なので、たぶん乱拍子の後でいろいろ辛かったのだと思います・・・)
本当、今日はとてもよかったです。ええ、ますます関根祥人ファンになってしまいました。終わってほしくない、ずっと見ていたい・・・と思う能楽師さんです。
シテ:関根祥人
ワキ:宝生閑 ワキツレ:高井松男、殿田謙吉 間:山本東次郎、山本則俊
笛:一噌庸二 小鼓:亀井俊一 大鼓:亀井忠雄 太鼓:助川治
地謡:関根祥六、関根知孝、浅見重好、木原康之
岡庭祥大、野村昌司、木月宣行、坂口貴信
後見:武田宗和、観世芳伸、高梨良一
鐘後見;武田尚浩、角幸二郎、藤波重彦、上田公威、関根祥丸
今日も狂言がありましたが、ごめんなさい・・・疲れていてほとんど意識を失っていました・・・。その他は一調『勧進帳』シテ:観世清和、大鼓:亀井忠雄や仕舞『姨捨』シテ:関根祥六がありました。上手な人の仕舞というものは本当に面白いということを今回も感じました。舞台の上で月の光がイメージできる・・・そんな仕舞でした。
終演後、ロビーで花束が配られていたので、遠慮なく(笑)頂きました。帰宅後、早速玄関に飾りました。