MASLD(metaborlic dysfunction-associated steatotic liver disease)の診療アルゴリズムがわかりやすくなってきた気がします。
学会誌の図をスライドに起こしてみました。
脂肪肝からさらにNASHという病態が脂肪肝炎を起こしている状態として注目されて、この言葉が代謝的な性質を加えた名称になって、MASHとなってきました。具体的にどのような患者さんを消化器内科に紹介するといいかというアルゴリズムの検討がされてきていて、肝臓学会雑誌の肝臓に川中美和先生たちの論文があって、これだとわかりやすいかもと思えました。
ALT>30という条件とFib4>1.3と血小板数20万未満を組み合わせて絞り込むとより精度が上がるという考える方法なら浸透しやすい気がしました。
←この図を上の写真のように作ってみました。
川中美和,藤井英機,岩城慶大,他.奈良宣言(ALT over 30)のMASLD(metaborlic dysfunction-associated steatotic liver disease)における臨床的意義の検証. 肝臓 2024;65(4):186-191
道新の会員の方はホームページからアクセスできます。https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1001147
「生きる」しくみ コレステロール 食べ物から直接吸収せず 道新2024.4.17 より
スライドは脂肪肝の新しい略語の分類変化です。2023年6月からこの名称への変更が進んできています。
低容量アスピリンが、心筋梗塞や脳梗塞の予防に効果があるかもって話しはよく検討されているのですが、脂肪肝についての検討がされていました。炎症性疾患の背景を予防することにつながるという共通点が効果を実現させているのかも知れません。食事療法だけではなかなか改善しない方へ使える方法になっていくのかも知れませんねえ。
それにしても半年で30%の脂肪率の変化がマイナス8.8%って約40%も減少するというデータはびっくりでした。
以下ケアネットさんからのコピペですーーーーーーーーーーーーーー
低用量アスピリンは肝脂肪を減らすか?~MASLD対象RCT/JAMA
提供元:ケアネット公開日:2024/04/02
脂肪性肝疾患の1つであるMASLD(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)は、進行すると肝硬変や肝細胞がん、その他の合併症のリスクが高まるとされている。しかし、本邦においてMASLDに対する治療薬として承認されている薬剤はなく、治療法の開発が望まれている。アスピリンは前臨床研究や観察研究において、MASLDから肝線維化や肝細胞がんへの進展を抑制する可能性が示されており、MASLDの治療薬候補の1つと考えられている。そこで、米国・マサチューセッツ総合病院のTracey G. Simon氏らの研究グループは、海外第II相プラセボ対照無作為化比較試験を実施し、肝硬変を伴わないMASLDに対する低用量アスピリンの治療効果を検討した。その結果、低用量アスピリンは肝脂肪量を減少させることが示された。本研究結果は、JAMA誌2024年3月19日号にPreliminary Communicationとして掲載された。
本研究は、肝硬変のないMASLD患者80例を対象とした。対象患者を低用量アスピリン群(1日1回81mg)とプラセボ群に無作為に1対1の割合で割り付け、6ヵ月投与した。主要評価項目は、投与6ヵ月時点におけるMagnetic Resonance Spectroscopy(MRS)に基づく肝脂肪量の変化であった。主要な副次評価項目は、投与6ヵ月時点におけるMRSに基づく肝脂肪率の変化、MRSに基づく肝脂肪量30%以上減少の達成率、Magnetic Resonance Imaging-Proton Density Fat Fraction(MRI-PDFF)に基づく肝脂肪量の変化および肝脂肪率の変化であった。
主な結果は以下のとおり。
・主要評価項目の投与6ヵ月時点におけるMRSに基づく肝脂肪量の変化は、プラセボ群が3.6%であったのに対し、低用量アスピリン群は-6.6%であり、低用量アスピリン群が有意に減少した(群間差:-10.2%、95%信頼区間[CI]:-27.7~-2.6、p=0.009)。
・投与6ヵ月時点における肝脂肪率の変化は、プラセボ群が30.0%ポイントであったのに対し、低用量アスピリン群は-8.8%ポイントであり、低用量アスピリン群が有意に減少した(群間差:-38.8%ポイント、95%CI:-66.7~-10.8、p=0.007)。
・MRSに基づく肝脂肪量30%以上減少の達成率は、低用量アスピリン群がプラセボ群と比較して有意に高かった(42.5% vs.12.5%、p=0.006)。
・MRI-PDFFに基づく肝脂肪量・肝脂肪率の変化も、低用量アスピリン群がプラセボ群と比較して有意に優れた(それぞれp=0.004、p=0.003)。
(ケアネット 佐藤 亮)原著論文はこちら Simon TG, et al. JAMA. 2024;331:920-929.
■第34 回 北海道門脈圧亢進症研究会 大成功! 50名参加
動画の配信は希望される方にアドレスを送付する形としています。
医療従事者限定となります。希望される方はコメント欄から所属とメールアドレスを記入頂ければ返信いたします。
聞きながらのメモなので、誤字脱字内容間違いあり得ますことお許し下さい。(文責川西 輝明)
⽇時︓2024年3月9日(土)15:00〜17:10
形式︓ハイブリッド開催
会場︓肝臓クリニック札幌水色の木もれ陽研修センター
北海道札幌市中央区北11条⻄15丁目2-1 桑園メディカルプラザ3F
オープニング15:00-15:05
開会の辞
札幌医科大学 医学部 消化器内科学講座 講師
阿久津 典之先生
歴史有る研究会、よろしくお願いいたします。
セッションⅠ各15分|15:05-15:35
座⻑
北海道⼤学病院消化器内科助教
荘拓也先生
演者
札幌医科大学医学部消化器内科学講座助教
沼田泰尚先生
「関節リウマチ治療の影響による肝線維症が原因と考えられた
⾷道静脈瘤の⼀例」
70歳代女性 NASHからの肝硬変
メトトレキサート6年間積算量は26g
食道静脈瘤あり 画像上は肝硬変無し 肝線維化からの門亢症を考え肝生検
F2/A2相等
低容量は抗炎症作用 高容量はがん細胞の葉酸合成を阻害
副作用は代謝の早い細胞に出現しやすい
ASTALTの上昇は一般的な副作用 メタボリック的な因子は肝障害進行させると考えられている
肝線維化の機序
アデノシン経路を介して線維化促進へ
ホモシステインからメチオニンの生成を妨げることでも線維化促進
定期的な画像内視鏡チェックが必要
MTXの投与開始時は正常範囲だったよう
○どの辺から変化があったか? その後は追えてないところがある
○MTXを10年くらいだと線維化の報告はあると目安になる量や期間は有るか?
相関がないと言われている。検討が必要と考えている。
○組織学的な線維化は中止で改善する可能性はあるか
内服を止めたことで改善したという報告はある
○肝生検を見るとIPHとかもあり得るかなと思ったが脈管系の変化は?
特になかった
○6年間で26gは多いと思うがどのくらいの量からか
明確な基準はない
元々脂肪肝はあったか?
前医では指摘はあったよう
演者
勤医協中央病院消化器内科内科医⻑
古山準一 先生
「⼼膜静脈経由で逆⾏性経静脈的塞栓術に成功した
孤⽴性胃静脈瘤の1例」
80歳代女性 C型肝炎 慢性肝炎 HCCも合併
Lgcf ウイルスは陽性
EIS後の変化あり
排血路は横隔膜下静脈が考えられた
心膜静脈から胃静脈瘤造影剤の停留不良のためヒスト0.5 リピ0.5で塞栓
腹水は発生したが 塞栓は良好 1年後血流は再開無し
ヒストとの合わせ技で成功
○根性でやった素晴らしい手技 予防でヒストはしないか?
怖いので予防ではしてない
○メインの排血路を塞いだのか?1対1で飛ぶのは大丈夫か
いつもやっているので、大丈夫か 濃くすると子カテが使えなくなる方がこわいから薄めにしてる
コアキシャルからの手技なのでコイルも怖い
○EOIを入れるためのフローコントロールのためではないのか?
同じ事をしてるメインの所が止まりながらEOIの追加は不要だったかもしれない位になっていたかも充分な塞栓を得るために追加した
○排血路が複数あったのか
シャントにうまく入ってくれたから上手くたまりやすくなった
セッションⅡ各15分|15:35-16:05
座⻑
天使病院消化器内科科⻑
髙木 秀安 先生
演者
北海道⼤学病院消化器内科
目野晃光 先生
「⾷道胃静脈瘤に対し経⽪経脾静脈瘤塞栓術を施⾏した⼀例」
50代女性 上部消化管出血疑いあったがはっきりせず
食道狭窄部の潰瘍からの出血経皮的カテーテル動脈祖先術で止血
吐血で搬送 接合部胃側潰瘍あるも出血無し 門脈血栓はダナパロイドで溶けた
2回目吐血 白色栓ありEVL
3回目クリップ 4回目ははっきりせず 5回目はっきりせず 6回目もはっきりせず
強皮症25年前 プレドニゾロン10mg
抗RNP抗体陽性
CTで吻合部静脈瘤 門脈血栓 内視鏡で白色栓ありEVL
カテーテル治療を検討した BRTOは無理 PTOは門脈血栓あり
経皮経脾(PTSO)なら行けそうと言うことでチャレンジ
IPHが合併した症例はあるが合併率は明らかになっていない
○確認ですがIPHは確認してるか?
肝生検してるが明らかになっていない
○PSEしてるが脾臓が腫れてるのでPSEの追加は?コイルで塞栓したが簾状だがコイルで詰めた?脾臓刺してぬく時ヒスト詰めるのか?
汎血球減少と出血の繰り返しがあったのでPSEより静脈瘤治療を優先した。
簾状は左胃静脈にコイルとEOIでしてる
抜去はコイルを置きつつヒスト併用して抜去した
○内視鏡的にはみえてないが、矢崎先生は見えてた 噴門静脈叢出血で手強いやつ超音波内視鏡するとよく見える 出血点がわからない 病名的には噴門静脈叢出血という方がいいのではと
○PTSO第一選択なることは門脈血栓意外にあるか
門脈血栓あってもルートが厳しかったらPTOも有りと考えていた
○血栓の治療は
していない
演者
⼩林病院内科顧問
矢崎康幸先生
「門脈圧亢進症を呈したNASH肝硬変30例の検討」
除外診断しつつ集めた症例 24例 過去の経過で2例 生検で4例
女性が多かった11:19
肝がん6例 糖尿病の合併が67%
16例内視鏡的治療 NASH意外の症例は糖尿病の合併少ない
治療は急性出血10例と予防が7例
症例59歳女性 誘因なく吐血
ICG34% 当初はIPHを疑い、肝生検はNASH肝硬変だった
4回EIS 超音波内視鏡ではまだ残存あり慎重に見た F0再発あり追加EISして消失
症例68歳女性 胃孤立性静脈瘤 ヒストで治療
まとめ
NASH肝硬変の静脈瘤はまれであるが今後重大な疾患になるだろう
治療は相違点はなかった 女性に多く糖尿病の合併が多かった
○内視鏡の定期観察は決めているか
肝硬変は年一回、肝硬変でない方は得にすすめていない、しかし突然来る症例にあったりする
○治療後の再発は違いありそうか
アルコールは飲んでるとすぐ再発するが、NASHは再発はない。治療で進行がゆっくりになったり改善してるのではないかと 長期には予後が良さそうだと
特別講演16:05-17:05
座⻑
札幌医科大学 医学部 消化器内科学講座 講師
阿久津 典之 先生
演者
東京⼥⼦医科⼤学附属⾜⽴医療センター検査科・光学診療部内視鏡内科准教授
古市 好宏 先生
「門脈圧亢進症への私の挑戦
〜HCV治療の最新話題を含めて〜」
ふるいち先生
東京医科大学医学部卒業1998年
門亢症学会でも多数の賞を受けている
7年目で上司が一気に辞めて急にオーベン担当となった
試行錯誤してやってきた
留学はB型肝炎でマウス実験してきたが
臨床に戻りたくて門亢症にどっぷりつかってきた
この間講演してるがZOOMだったり骨折だったりで久しぶりの リアルは北海道
IVR時にガイドワイヤーを入れるのが辛くなって内視鏡が増えてきてると
120枚のスライド早回ししていく
研修医の閲覧
NBIを用いることでフィブリン栓は見つけやすくなるのかをしてみた
見やすい
EIS 左胃静脈まで入れたいとやっている
2回くらいでおわって半年後くらいにAPCしてる
RDIで静脈瘤の視認性がいい 注入成功率が上がりや再発率も低い
治療時間も短縮した 7人
ヘモグロビン濃度が高いところは黄色い波長が吸収されてるが、赤い波長は吸収されない為、結果的に赤くなる
ヘモグロビン濃度が低いところは、黄色い波長が吸収されずに残るため、黄色調に見える
孤立性胃静脈瘤 ヒストアクリル BRTO
特殊な静脈瘤 左側門亢症 胃体部静脈瘤Lgb
PSEもあわせた症例の紹介
再建空腸静脈瘤の治療 バルン内視鏡が適切長さの穿刺針が必要(こんかいのは長すぎた)
C型肝炎治療後の門亢症 DAA後
マヴィレットでほぼ100%
HDDはDAA後も再発しやすい
門亢症はどうなのか 脾臓の硬さは 食道静脈瘤の再発での検討
肝臓も脾臓も柔らかくなる
脾臓の大きさの変化が一番関連すると出た 少しでも小さくなっているなら再発はない
DAAの治療後でも脾臓が大きくなってる人は静脈瘤再発する
貴重な実際の治療画像が多く勉強になりました。
○門亢症の前側は脾臓の硬さではないかと思っているがどうか
脾臓の相関関係エラストなどとやってみようと思うと
○胃の静脈瘤にEVLは穿孔してたが、今は結構行ける 4mm以内の太さならいけると思ってるがどうか
矢崎先生の発表を見てるのでありがとうございます。4mm以下ならいけると思っている。ヒスト入れても上手くいかなくてEVLの症例もあるのでそのとおりだと思うと
○左側門亢のLgbについては胃壁で何処まで注入するかやめ時は ぬいたあとの後出血対応は
BRTOしても上手くいかなくて、ヒスト入れて待期的にEISを二回してるやめ時は難しくてLGVの手前で辞めたいと思っていた、左に流れるときは危ないのでストップしてた ぬくときはヒストを入れてる
○挙上空腸で苦労した経験があるが何処させばいいのか
何処さしていいかがわからない、超音波内視鏡で探すといいが、やってみないとわからない手探りな部分がある
クロージング17:05-17:10
閉会の辞 手稲渓仁会病院 副院⻑ 辻 邦彦先生
特別講演頂いた古市先生遠路大変ありがとうございます。実践的な参考となる講演でありがとうございました。
第34回当番世話人の阿久津先生ありがとうございました。
関東に次いで2番目に長い会となっている。35回は勤医協の古山先生よろしくお願いいたします。
事務局、abbiさんありがとうございます。
代表世話⼈︓⼿稲渓仁会病院 消化器病センター辻 邦彦
当番世話⼈︓札幌医科⼤学 消化器内科学講座阿久津 典之
共催︓北海道⾨脈圧亢進症研究会、アッヴィ合同会社
(文責 川西 輝明)
CKD(慢性腎臓病)、以前は高血圧や糖尿病などがあると起きてくると言っていたころがあったのですが、いまは、腎臓だけが悪くなってくる方もいたりして、定期的な健診などで指摘される方も増えてきました。日常生活の中に腎臓に負担をかけることがきっといろいろあるのだと思うのですが、その中の食品添加物的な話や、こういった甘みのものの話しが見え隠れするようになってきてる気がします。からだにいいとされる食品も時代によって変わったりもしますが、自然に近い少食だった頃の人類の食事が理想ってことになっていくのでしょうか。一つの分析の結果として見ていただければ、人工甘味料よりは100%ジュースの方がいいでしょうし、ジュースよりも果物で撮った方がいいってのもありそうな気がしますがそこが分析の限界だったりします。自分のライフスタイルに行かせることがあればぜひご検討いただければと思います。
以下ケアネットさんからのコピペですーーーーーーーーーーーーーーー
砂糖入り飲料は1杯/日でもCKDリスク上昇
提供元:ケアネット公開日:2024/03/14
砂糖入り飲料または人工甘味料入り飲料を1日1杯(250mL)以上摂取することで、慢性腎臓病(CKD)の発症リスクが上昇し、それらの飲料を天然果汁ジュース(natural juice)または水に置き換えるとCKD発症リスクが低下したことを、韓国・延世大学校医科大学のGa Young Heo氏らが明らかにした。JAMA Network Open誌2024年2月5日号掲載の報告。
砂糖や人工甘味料の摂取と2型糖尿病や心血管系疾患との関連を示すエビデンスは増えているが、腎臓に及ぼす影響については不明な点が多い。そのため研究グループは、英国バイオバンクのデータを用いて、3種類の飲料(砂糖入り飲料、人工甘味料入り飲料、天然果汁ジュース)の摂取量とCKDの発症リスクとの関連、およびこれらの飲料を別の飲料に置き換えた場合の関連を調査するために前向きコホート研究を行った。
対象は、2006~10年に英国バイオバンクに登録し、食事アンケートに回答したCKDの既往歴のない参加者で、最長で2022年10月31日まで追跡された。主要アウトカムはCKDの発症で、多変量Cox比例ハザードモデルを用いて3種類の飲料とCKD発症との関連を推定した。飲料を別の飲料に置き換えた場合の影響の評価には代替分析法を用いた。
主な結果は以下のとおり。
●合計12万7,830人(平均年齢[SD]:55.2[8.0]歳、女性:51.8%)が解析に組み込まれた。追跡期間中央値10.5年(IQR:10.4~11.2)時点で、4,459例(3.5%)がCKDを発症した。
●砂糖入り飲料を1日1杯以上摂取している群では、砂糖入り飲料を摂取していない群と比較してCKDの発症リスクが有意に高かった(調整ハザード比[aHR]:1.19、95%信頼区間[CI]:1.05~1.34、p=0.01)。
●人工甘味料入り飲料を1日1杯以上摂取している群でも、人工甘味料入り飲料を摂取していない群と比較してCKDの発症リスクが有意に高かった(aHR:1.26、95%CI:1.12~1.43、p<0.001)。
●天然果汁ジュースの摂取とCKD発症との間に有意な関連はみられなかった(aHR:0.99、95%CI:0.87~1.11、p=0.90)。
●1日1杯分の砂糖入り飲料および人工甘味料入り飲料を、天然果汁ジュースまたは水に置き換えることは、CKDの発症リスク低下と関連していた。
・砂糖入り飲料→天然果汁ジュース HR:0.93、95%CI:0.87~0.97、p=0.04
・砂糖入り飲料→水 HR:0.93、95%CI:0.88~0.99、p=0.03
・人工甘味料入り飲料→天然果汁ジュース HR:0.90、95%CI:0.84~0.96、p=0.03
・人工甘味料入り飲料→水 HR:0.91、95%CI:0.86~0.96、p=0.001
●砂糖入り飲料を人工甘味料入り飲料に置き換えても、CKD発症との有意な関連は認められなかった。逆も同様であった。
(ケアネット 森 幸子)
原著論文はこちら
Heo GY, et al. JAMA Netw Open. 2024;7:e2356885.
第34回 北海道⾨脈圧亢進症研究会 ご案内
⽇時︓2024年3月9日(土)15:00〜17:10
形式︓ハイブリッド開催
会場︓肝臓クリニック札幌水色の木もれ陽研修センター
北海道札幌市中央区北11条⻄15丁目2-1 桑園メディカルプラザ3F
オープニング15:00-15:05
開会の辞
札幌医科大学 医学部 消化器内科学講座 講師
阿久津 典之先生
セッションⅠ各15分|15:05-15:35
座⻑
北海道⼤学病院消化器内科助教
荘拓也先生
演者
札幌医科大学医学部消化器内科学講座助教
沼田泰尚先生
「関節リウマチ治療の影響による肝線維症が原因と考えられた
⾷道静脈瘤の⼀例」
演者
勤医協中央病院消化器内科内科医⻑
古山準一 先生
「⼼膜静脈経由で逆⾏性経静脈的塞栓術に成功した
孤⽴性胃静脈瘤の1例」
セッションⅡ各15分|15:35-16:05
座⻑
天使病院消化器内科科⻑
髙木 秀安 先生
演者
北海道⼤学病院消化器内科
目野晃光 先生
「⾷道胃静脈瘤に対し経⽪経脾静脈瘤塞栓術を施⾏した⼀例」
演者
⼩林病院内科顧問
矢崎康幸先生
「門脈圧亢進症を呈したNASH肝硬変30例の検討」
特別講演16:05-17:05
座⻑
札幌医科大学 医学部 消化器内科学講座 講師
阿久津 典之 先生
演者
東京⼥⼦医科⼤学附属⾜⽴医療センター検査科・光学診療部内視鏡内科准教授
古市 好宏 先生
「門脈圧亢進症への私の挑戦
〜HCV治療の最新話題を含めて〜」
クロージング17:05-17:10
閉会の辞 手稲渓仁会病院 副院⻑ 辻 邦彦先生
代表世話⼈︓⼿稲渓仁会病院 消化器病センター辻 邦彦
当番世話⼈︓札幌医科⼤学 消化器内科学講座阿久津 典之
共催︓北海道⾨脈圧亢進症研究会、アッヴィ合同会社
第34回 北海道⾨脈圧亢進症研究会参加方法のご案内
会場参加希望
研究会参加に伴う交通費は事務局と協議の上、ご参加者のご負担となります。
本講演会は、ハイブリッド(現地聴講 or WEB聴講)にて開催予定です。
現地聴講をご希望の際は、メール又は下記にご記載のうえ、
FAX返信をお願いいたします。
宛先︓アッヴィ合同会社田倉宛
メール︓hiroki.takura@abbvie.com
ご芳名︓
ご施設名︓
WEB参加希望
本講演会は、事前登録制となっております。
下記URLもしくは二次元バーコードより事前登録をお願い致します。
アクセス後、必要項⽬をご⼊⼒下さい。
登録完了後、メールアドレスへ視聴⽤URLが送付されます。
【事前登録URL】https://x.gd/WxTXt
問い合わせ先
アッヴィ合同会社
担当者氏名田倉弘樹電話番号080-4185-9546
FAX番号 011-241-0502 mailto:メールhiroki.takura@abbvie.com
代表世話⼈︓⼿稲渓仁会病院 消化器病センター辻 邦彦
当番世話⼈︓札幌医科⼤学 消化器内科学講座阿久津 典之
共催︓北海道⾨脈圧亢進症研究会、アッヴィ合同会社
日本養鶏協会から引用
週3個以上のたまごが脂肪性肝疾患と高血圧を予防するかも?って、ケアネットさんの記事から
たまごに伴う、良い効果はいろいろ報告されてきていますが、今回は脂肪肝に絡んだ報告。実際診療で改善してる人を診てきているので、これはあるべなあと共感しております。
以下ケアネットさんからコピペ
週3個以上の卵が脂肪性肝疾患と高血圧を予防?
提供元:ケアネット公開日:2024/03/01
卵の摂取が脂肪性肝疾患(steatotic liver disease)と高血圧症に対する保護的な効果を示し、週3個以上の摂取でそれらの発症リスクがより低くなることを、イタリア・Saverio de BellisのRossella Tatoli氏らが明らかにした。Nutrients誌2024年1月31日号掲載の報告。
卵にはミネラルやビタミンなどの豊富な栄養素が含まれているが、コレステロール含有量も卵黄1個当たり180~225mgと多いため、しばしば生活習慣病の“悪者”扱いされることがある。しかし、これまで卵の摂取と疾患、とくに脂肪性肝疾患のリスクとの関連を調査した研究は乏しく、さらにその結果には一貫性がない。そこで、研究グループは、脂肪性肝疾患や高血圧症の発症リスクに対する卵摂取の影響を調査した。
研究グループは、南イタリアの胆石症に関する多施設コホート研究であるMICOLプロジェクト(2017年開始)から60歳以上の908人を抽出して解析した。脂肪性肝疾患と高血圧症の有無によって、(1)脂肪性肝疾患なし/高血圧症なし、(2)脂肪性肝疾患なし/高血圧症あり、(3)脂肪性肝疾患あり/高血圧症なし、(4)脂肪性肝疾患あり/高血圧症ありの4つのグループに分類し、卵の摂取量との関連を調査した。
主な結果は以下のとおり。
●脂肪性肝疾患なし/高血圧なしは236例(平均年齢61.3歳、男性49.2%)、脂肪性肝疾患なし/高血圧症ありは176例(70.5歳、50.0%)、脂肪性肝疾患あり/高血圧症なしは209例(61.7歳、60.3%)、脂肪性肝疾患あり/高血圧症ありは287例(69.2歳、57.1%)であった。
●1日当たりおよび1週間当たりの卵摂取量は、脂肪性肝疾患なし/高血圧なしのグループで最も多かった。
●1週間当たり3個以上の卵の摂取は、脂肪性肝疾患なし/高血圧症あり、脂肪性肝疾患あり/高血圧症ありとなるリスクを有意に低減させた。リスク比(95%信頼区間)とp値は以下のとおり。
・脂肪性肝疾患なし/高血圧症あり:0.21(0.07~0.62)、0.005
・脂肪性肝疾患あり/高血圧症なし:0.73(0.36~1.47)、0.38
・脂肪性肝疾患あり/高血圧症あり:0.34(0.15~0.73)、0.006
●この関連は、年齢、性別、1日の摂取カロリーで調整した後も同様であった。
(ケアネット 森 幸子)
原著論文はこちら
https://pmc.carenet.com/?pmid=38337714
elafibranorがPBCに有効かも ケアネットさんから
原発性胆汁性胆管炎(PBC)に対してはウルソデオキシコール酸の効果がいいのでその薬でかなりの人が改善してくれるのですが、便秘や下痢、皮疹などで薬が飲めなかったり、効果が不十分である場合があり、より効果的な薬が検討されています。今回、elafibranorがPBCに有効かもってことで、かゆみやALPの改善がよかったデータが出ていました。この薬はNASHなどにも期待されていたのですがそちらの方は治験で効果が不十分であると言うことでした。PBCに効果有りで副作用が少なければいい薬になってくれそうです。
以下ケアネットさんからのコピペです。
原発性胆汁性胆管炎の2次治療、elafibranorが有効か/NEJM
短時間でも身体を動かすことで寿命が延びる可能性 ケアネットさんから
運動が体にいいという報告はいろいろされていますが,その強さや量によってはかえってからだに害をなすこともあり得ます。どのくらいの運動がいいのか、その人その人の背景によって違うと言うことはありますが、10分未満の短い運動でも心臓発作や脳卒中、全死亡リスクが低くなることがわかったという報告がありました。これは、子どもと遊ぶとか家事やガーデニングと言った日常生活動作であっても健康に有益であることが示唆されているもので心強いものと言えるでしょう。ちょっとでも身体を動かすこれは私たちの元気で長生きには重要なことだと言えそうですねえ。CM見ながらのグーパー運動であって侮れないと思われます。
以下ケアネットさんからのコピペです。
日常生活の中の短時間の身体活動でも寿命が延びる可能性
提供元:HealthDay News 公開日:2023/11/21
日常生活における家事などの身体活動であっても、寿命延伸につながる可能性を示唆するデータが報告された。シドニー大学(オーストラリア)のMatthew Ahmadi氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Public Health」10月号に掲載された。数分程度の身体活動でも有意な影響が認められるという。ただし、身体活動の持続時間がより長くより高強度である場合に、寿命に対してより大きな影響が認められるとのことだ。
この研究では、英国で行われている大規模疫学研究「UKバイオバンク」のデータが解析に用いられた。余暇時間に積極的な運動を行っていない成人2万5,241人(平均年齢61.8±7.6歳、女性56.2%)を7.9±0.9年間追跡。身体活動量はウェアラブルデバイスにより把握した。追跡期間中に主要心血管イベント(MACE)が824件発生し、全死亡(あらゆる原因による死亡)は1,111人だった。なお、これまでの研究で、健康アウトカムとの関連が検討されていた最も短い身体活動持続時間は10分であることから、今回の研究では持続時間10分未満の身体活動の影響が検討された。
解析の結果、中強度以上の身体活動の持続時間が10分以下であっても、その時間の長さによって心臓発作や脳卒中、および全死亡リスクに差が認められることが明らかになった。Ahmadi氏は、「われわれの研究により、従来はスポーツなどの運動によって得られると考えられていた健康上のメリットが、日常生活での身体活動でも得られることが分かった。スポーツウェアやスポーツシューズを身に着けるまでもなく、家事やガーデニング、子どもと遊ぶことも健康にとって有益だ。この結果は運動が苦手な人、または運動をしたくてもできない状況の人にとって素晴らしい知見と言える」と話している。
明らかになった主な結果は以下の通り。いずれも1日の中で観察された、最も持続時間の長い中強度以上の身体活動時間(以下、最長身体活動持続時間)が1分未満であった群(全体の5.6%)と比較した結果であり、年齢や性別、喫煙・飲酒習慣、高血圧・糖尿病・脂質異常症の既往、心血管疾患・がんの家族歴、座位行動時間、睡眠時間、教育歴、フレイル指数などの交絡因子の影響を調整済み。
・最長身体活動持続時間が5~10分未満の群(52.6%)は、早期死亡リスクが52%低く、MACEリスクが41%低い。
・最長身体活動持続時間が3~5分未満の群(26.7%)は、早期死亡リスクが44%低く、MACEリスクが38%低い。
・最長身体活動持続時間が1~3分未満の群(15.1%)は、早期死亡リスクが34%低く、MACEリスクが29%低い。
なお、このような短時間の身体活動のメリットが示唆された一方、身体活動時間が長いと健康上のメリットがより大きいことや、身体活動中の運動強度が重要であることも明らかになった。運動強度については、1機会の身体活動のうち最低15%(1分間の場合は約10秒)は、高強度の負荷のかかる身体活動とすると効果が最大化すると考えられ、その条件を満たしていれば、たとえ最長身体活動持続時間が1分未満であっても、有意な影響が観察されたとのことだ。
これらの結果を総括してAhmadi氏は、「明らかになった結果は、日常生活の中で行われる短時間の身体活動が、心血管系に対して保護的に働く可能性を示している。それらの身体活動は、血圧や血糖値のコントロール、心肺機能の強化、酸化ストレスの抑制などを介して、健康上のメリットを発揮するのではないか」と述べている。
[2023年10月3日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
原著論文はこちら
「発達障がい」って、なんだろう? #広報さっぽろ 2023年 Vol.764
札幌市の広報で、#発達障がい について取り上げていました。
「発達障がい」って、なんだろう?
最近、いろんなところで見かけるようになってきた気がします。そう言う私もアスペルガー的な部分があるなあと自覚してる部分もあったり、分類がいろいろと変わっていったりややこしい部分も多いのですが、病気と言うより脳のクセと行った捉え方が会っているような気がします。これからまたいろんな話しが出てくるのでしょうが、お互いが笑顔で過ごせるようなそんな関わりが出来ることを望んでいるからなんだろうなと自分もいろんなところで役立つように勉強したいと思います。
以下札幌広報の写真です。
発達障がい虎の巻はこちらからダウンロードできます。
https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/hattatu/toranomaki.html
久しぶりのリアルな学会参加、第31回消化器関連学会週間に来ています。
肝臓の分野では、中性脂肪の薬が、脂肪肝やアルコール性肝障害に効果がありそうって言う発表もあって、いろんな薬の効果が検討されています。自分が使う薬がいろんな効果があることを知れて助かります。コレステロールの薬は、糖尿病発症の話とかがいろいろ出ていてなかなか悩ましいところもあるので引きつづき勉強していきたいと思います。
#牛乳 よりは #チーズ や #ヨーグルト の方が #骨折リスク を下げてくれそう ケアネットさんから
牛乳が骨を丈夫にするというキャンペーンは良くされているのですが、その一方で違うかもしれないというデータも出ていて、会う人合わない人がいるのかもと思いつつ、患者さんにはなかなか勧めずらい食材でもありました。他のものでCa撮るのがいいのかなあと思ったり。この論文では、チーズやヨーグルトは骨折リスクを下げてくれているようで、加工したものの方が骨折の予防には良さそうだというのは、有りのような気がします。どちらにしても自分の身体に合った食材を見つけていくって言うのは大雪なんでしょうねえ。
以下ケアネットさんからのコピペです。
牛乳を飲むほど骨折が増える?ヨーグルトやチーズは?
提供元:ケアネット公開日:2023/10/23
乳製品摂取量と大腿骨近位部骨折の発生リスクとの関連を調べた用量反応メタ解析の結果、牛乳摂取量の増加は骨折リスクの増大と関連するものの、ヨーグルトとチーズは摂取量が多いほど骨折リスクが低減したことを、米国・メリーランド大学のSuruchi Mishra氏らが報告した。Journal of Nutritional Science誌2023年9月11日号の報告。
これまで、牛乳摂取は骨折の頻度を減少させて死亡リスクも低下させるという報告1)がある一方で、牛乳摂取量が多い人ほど骨折率や死亡率が高いという報告2)もあり、一貫性はない。そこで研究グループは、乳製品の摂取と大腿骨近位部骨折の発生リスクを評価するために用量反応メタ解析を実施した。
PubMed(MEDLINE)とGoogle Scholarを用いて、1946~2021年12月に英語で発表された、乳製品摂取量と骨折リスクに関する前向きコホート研究を検索し、メタ回帰により用量反応相対リスクを導き出した。解析には13件の研究から成人48万6,950人、骨折1万5,320件を含めた。
主な結果は以下のとおり。
・牛乳の摂取は、400g/日まで段階的に大腿骨近位部骨折のリスクを増大させ、用量効果として200g/日当たり7%のリスク増大と関連していた(相対リスク[RR]:1.07、95%信頼区間[CI]:1.05~1.10、p<0.0001)。牛乳摂取量が0g/日群と比較して、400g/日群では大腿骨近位部骨折のリスクが最も高かった(RR:1.15、95%CI:1.09~1.21、p<0.0001)。
・牛乳摂取量400g/日を超えると用量リスクは低減したが、それでも0g/日群と比較して750g/日まで骨折リスクは上昇した。
・観察された牛乳摂取量のどの範囲においても、0g/日群と比較して大腿骨近位部骨折のリスクが有意に低いという解析結果は得られなかった。
・ヨーグルト摂取に関する5研究の分析では、ヨーグルト250g/日当たり大腿骨近位部骨折リスクが15%低下するという逆相関が得られた(RR:0.85、95%CI:0.82~0.89)。
・同様に、チーズ摂取に関する5研究の分析では、チーズ43g/日(参考:6Pチーズ約2.5個分)当たり大腿骨近位部骨折リスクは19%低下した(RR:0.81、95%CI:0.72~0.92)。
・すべての乳製品の総摂取量と大腿骨近位部骨折の間に明らかな関連性は認められなかった(乳製品の総摂取量250g/日当たりのRR:0.97、95%CI:0.93~1.004、p=0.079)。
研究グループは、本研究の限界として「われわれの研究には小児のデータが不足していた。乳製品が小児集団に有益な影響を及ぼす可能性はあるが、小児における大腿骨近位部骨折を評価項目とした研究が不足していることから、乳製品と骨密度に関する文献を今後慎重に評価する必要がある」ことなどを挙げた。
(ケアネット 森 幸子)
原著論文はこちら
Mishra S, et al. J Nutr Sci. 2023;12:e96.
参考文献・参考サイトはこちら
https://pmc.carenet.com/?pmid=25327185
https://pmc.carenet.com/?pmid=25352269
寝過ぎが認知症に関連があるかもって言う報告がありました。短くても長くてもありそうな感じがありますが、いろんな検討がされています。
食べる物は穀物を減らし、豆類、野菜、漁火いる、肉、卵、牛乳、乳製品を多く含む食事を取り入れるのがいいだろうと。シスチン、プロリン、セリンの欠乏に注するのが重要かもって結論になっていました。
地域住民とはいえ、病気まで行かなくても調子が悪くて長時間寝てる方ももちろん含まれてるでしょうし、こういう研究はなかなか難しいですねえ。
以下ケアネットさんからのコピペです。
https://www.carenet.com/news/general/carenet/57337?utm_source=m1&utm_medium=email&utm_campaign=2023101400
長時間睡眠で認知障害リスク増、特定のアミノ酸不足でさらに増~日本人での研究
卵の栄養分析、卵もお勧めに入っていたので
睡眠時間とアミノ酸摂取量は、独立して認知機能の低下と関連している。今回、国立長寿医療研究センターの木下 かほり氏らは、60歳以上の地域住民における睡眠時間と認知障害発症の長期的な関連と食事による19種類のアミノ酸摂取量の関与を調べた。その結果、長い睡眠時間(8時間超)が認知障害発症率と有意に関連し、さらに、長時間睡眠者でシスチン、プロリン、セリンの摂取量が少ない人は認知障害を発症しやすいことがわかった。BMC Geriatrics誌2023年10月11日号に掲載。
本研究は地域ベースの縦断的研究で、ベースラインで認知障害のない60〜83歳の成人623人のデータを分析した。睡眠時間は自己申告質問票から、アミノ酸摂取量は3日間の食事記録から取得した。認知障害はMMSE(ミニメンタルステート検査)スコアが27以下と定義した。ベースラインの睡眠時間で、短時間睡眠群(6時間以下)、中程度睡眠群(7~8時間)、長時間睡眠群(8時間超)に分類し、認知障害発症率について中程度睡眠を基準とした短時間睡眠と長時間睡眠でのオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定した。また、19種類のアミノ酸の摂取量の性別層別四分位数(Q)で、Q1を低摂取量群、Q2~Q4を中~高摂取量群とし、各睡眠時間群の認知障害発生率について中~高摂取量を基準とした低摂取量でのORと95%CIを推定した。
主な結果は以下のとおり。
・平均追跡期間は 6.9±2.1年だった。
・認知障害の調整後OR(95%CI)は、短時間睡眠群が0.81(0.49~1.35、p=0.423)、長時間睡眠群が1.41(1.05~1.87、p=0.020)だった。
・とくに長時間(8時間超)睡眠者では、認知障害がシスチン(調整後OR:2.17、95%CI:1.15~4.11、p=0.017)、プロリン(調整後OR:1.86、95%CI:1.07~3.23、p=0.027)、セリン(調整後OR:2.21、95%CI:1.14~4.29、p=0.019)の低摂取と有意に関連していた。
著者らは「地域在住の60歳以上の成人において、睡眠時間が長い人は認知機能が低下する可能性が高い」とし、「長時間の睡眠をとる人は、穀物を減らし、豆類、野菜、魚介類、肉、卵、牛乳、乳製品を多く含む食事を取り入れて、シスチン、プロリン、セリンの欠乏に注意することが重要かもしれない」と考察している。
(ケアネット 金沢 浩子)
原著論文はこちら
Kinoshita K, et al. BMC Geriatr. 2023;23:653.