肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

武蔵野日赤の泉先生の講演から C型肝炎の治療情報

2009年08月08日 | 学会研究会報告新聞記事など
ペガシスでは、インターフェロン抗体ができやすいことから、使わない方がいいと言う話で、すべてのインターフェロンが使えなくなると言う話がまことしやかにいわれているが、実際には違うインターフェロンで効果があった例を経験していることから、抗体ができることと効果がなくなることは必ずしも一致していないことを理解して、治療の効果が得られやすい患者には選択していくべきではないかと話していました。

Aliniaの良いところって話題で、ウイルスが血中から一度消えて、インターフェロン療法が終了すると、そのあとの再燃率(再度ウイルスがでてくること)がとても低いということを話していました。ウイルスを減らしたあと再度増えてくることが予防されるっていうことで、免疫系のこの間の阻害薬とは違う反応が起きてるのではないかということでした。
あと、副作用の出現頻度でタンパク合成阻害剤などでは、貧血の頻度が増えるのですが、Aliniaは貧血が予防されるかのような傾向があり、さらに使いやすいと予想されるということでした。早く使えるようになって欲しい薬だなあと改めて思いました。

データマイニングの話もあり、膨大なデータを入力してこのパターンではこのくらいの効果がありますという分析が出来てるという話で、この手法は商売に用いられていたものなのですが、医学的にも役に立つという話になってきそうでおもしろかったです。

あと蛋白合成阻害剤などIFN以外のくすりを複数組み合わせていくことで、IFN無しで、ウイルスが消える可能性が無いかという検討もされているとのデータが示されて、おー、これは、IFN無しで治せる時代が近づきつつあるなと実感しました。

最後の方で、肝炎支援法が今国会で流れたことは大変なことで、予算措置という不安定な状態にされてしまったと、こういう講演会でこの手の話が出たのはびっくりでした。うれしいです。

ポチッとして頂けたら幸いです。にほんブログ村 病気ブログ 肝臓・胆嚢・すい臓の病気へにほんブログ村