4月に北海道で医療従事者として、薬害肝炎の原告として肝炎問題に関わって来た経験を語ってくれた、千葉の久野さんが東京新聞の記事になっていました。写真は4月の講演でのものです。
一九八八年の出産の際、医師が使用したフィブリノゲン製剤が原因でC型肝炎に感染しました。治療でウイルスは消えましたが、いつ病気が悪化するか不安は消えません。今でも月に数回通院が必要な上、二カ月に一度ほど、費用が高額な精密検査を受けます。
実名を公表して薬害肝炎訴訟に原告として参加しました。日本肝臓病患者団体協議会などの関連団体と協力して、肝炎患者の被害実態なども訴えてきました。国会で肝炎患者の支援法を制定してもらうためです。
昨年、薬害肝炎被害者救済特別措置法が施行されました。でもその後、肝炎患者をめぐる世の中の動きは止まってしまった。与野党双方が提案した感染者支援の二法案も解散で廃案に。党利党略、政局に翻弄(ほんろう)され議論が先送りにされショックでした。
肝炎問題で与野党が対立すべきではありません。完全な法律を作るためには双方の主張の良いところを採用しないと。政権選択の選挙といわれますが、どの政党が政権を取っても一刻も早く取り組んでほしい課題です。
肝炎患者は安心して暮らせる環境にありません。歯科衛生士をしていますが、治療のために常勤からパート勤務に変えました。生活と治療を両立できるか不安です。仕事を休めず治療を断念する患者がいたり、治療体制に地域格差があったりするのが現状です。
各党のマニフェストに肝炎患者対策も盛り込まれていました。選挙を経て全肝炎患者を救うための議論が再燃することを望みます。与野党が解散をめぐる駆け引きを続けた間に、亡くなった患者がいることを忘れないでほしいです。 (武田雄介)
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