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11月3日、ニュースジャパンにて,肝炎患者さんのドキュメンタリーが放映されました。
以下転載です。
http://fnn.fujitv.co.jp/news/headlines/articles/CONN00165942.html
ニュースジャパンより
ある肝炎患者の壮絶な闘病生活に密着しました。今、準備が進められている肝炎患者支援法案の必要性を考えます。
2007年、北海道・余市町の海沿いの小さな町で美容院を経営する田中郁子さん(当時54)。C型肝炎が進行して肝硬変となり、がんを抱えていた。長時間立ち続ける美容師は体力的に厳しいが、高額な治療費と、中学生の子どもを抱えて、仕事は辞められない。
そんな母を助けるため、次女・雅美さんも美容師になった。田中さんがC型肝炎ウイルスに感染したのは1976年、長男を出産した時だった。厚生労働省は2004年、血液製剤「フィブリノゲン」などを投与した医療機関名を公表した。その中に、長男を出産した病院を見つけて、田中さんは連絡を取ったという。田中さんは「記録(カルテ)はないって。全然、どうやっても、その時の先生(産科医)は死んでいるし」と話した。
しかし、田中さんの姉は、産婦人科医師の言葉を鮮明に記憶していた。田中さんの姉・本山 真紀子さんは「『出血がひどい、止まらない』って。それで『止血剤(血流製剤)と輸血をしなければならないから』って」と話した。
薬害C型肝炎訴訟の原告は、手続き上、カルテなどの記録によって、血液製剤の投与を証明できる被害者に限られている。2007年、裁判の早期決着を求め、東京で粘り強い活動を続けていた薬害肝炎の原告たちを、田中さんは入院先のベッドから応援していた。田中さんは「わたしもそこ(原告の)一員になって、やりたかったです。きっちりC型肝炎で闘っている人を救済してほしいですね。まだまだ(患者は)いっぱいいるんですよね」と話した。
田中さんは2005年から、何度も肝臓がんを繰り返している。その度に、電気熱でがんを焼く「ラジオ波治療」を受けていた。主治医の川西輝明医師が、ラジオ波の針を慎重に入れていく。その長さは、およそ20cm。エコーのモニター画面に映るわずかな影を確認しながら、針を進める。ラジオ波治療は、局所麻酔のために意識ははっきりしている。1カ所のがんを焼く時間はおよそ10分間で、その間、田中さんは痛みに耐え続ける。肝がんの治療のために、入退院を繰り返す田中さんに代わり、次女の雅美さんが店を切り盛りしていた。雅美さんは「見ているだけで、つらいのはわかるし、代わってあげられるなら、代わってあげたいと思いますね」と話した。
2007年12月、福田政権は薬害肝炎訴訟の原告を「全員一律救済」すると表明した。さらに、慢性肝炎のインターフェロン治療費助成を決定した。しかし、肝硬変に進行した田中さんは、助成の対象ではない。普段は明るく振る舞っている田中さんだが、迫りくる死の恐怖と独り闘っていた。田中さんは「こういう道(進行)をたどっていくと、最終的には駄目になるとわかっています。それがいつになるか、わたしにもわからないし。主治医の川西先生に聞けばわかるんだろうけど、聞く勇気がないです」と話した。
後の手段として、「肝臓移植」を検討するために検査を受けたところ、思いがけず、「肋間(ろっかん)」にがんが転移していると判明した。移植は中止となったが、田中さんは希望を捨てない。田中さんは「こういうふうになったら、徹底的に(治療を)やってみて、自分の納得のいく満足な方法を見つけてみたいと思います」と話した。田中さんは生き続けるために、転移したがんを切除することを決めた。2008年4月23日、長時間に及ぶ手術に耐えた田中さんを家族が迎えた。かすかに反応する田中さん。母親の状態に、戸惑いと不安の表情を浮かべる娘たち。雅美さんは、一筋の涙のあとをぬぐった。手術から3日後に容体が悪化し、田中さんは55年の生涯を終えた。
1年後、雅美さんは初めての子どもを出産した。3,000ccもの大量出血を起こしたという。雅美さんは「『輸血する』って言われたんですけど、断り続けて、食事と鉄剤の注射で乗り切りました」と話した。
田中さんのように、仕事や家庭の事情で治療に専念できず、肝炎を進行させてしまう患者が少なくない。
そのため、薬害肝炎の原告団と福田 衣里子議員らは、すべての肝炎患者を対象にした肝炎患者支援法案の成立を目指している。民主党は2日、今国会での法案提出を了承した。福田議員は「今でも元気に生きていることができたかもしれないのに、田中さんの場合は亡くなられてしまった。一般肝炎の患者支援法というものが早期に必要だと」と話した。
最後まであきらめず、C型肝炎と闘い続けた田中郁子さん。
田中さんが必要としていた法律は実現するのか、全国およそ350万人の肝炎患者が、かたずをのんで見守っている。
(11/04 01:12)
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