肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

肝臓疾患フォーラム2009に行ってきました-。

2009年11月15日 | 学会研究会報告新聞記事など
肝臓疾患フォーラム2009が品川でありました。既に報告されている知見も多いのですが、メモ的でわかりにくい点はお許し下さい。

森脇久隆先生 岐阜大学大学院消化器病態学
BCAA顆粒剤の10年間のまとめ
肝硬変患者におけるエネルギー代謝、蛋白代謝の異常
エネルギー源としてブドウ糖を使いにくくなり脂肪が使われる。
アルブミンがなぜ増えるのか、転写因子が関与している事がわかってきてる。補充するから作られるという単純なものではないと。BCAAが刺激してると。ロイシンが特に刺激している。
肝硬変日本では60%がC型、肥満者も多い30%が有る。2%はNASHが原因と
ウイルス肝炎での肥満のほうが問題が多いのではないかと。
肝硬変での肝癌のリスク 男性、アルブミン低下、BMI高値などが上がっていました。
BMIの高い人ほどリーバクトの効果が出ていた。
肝硬変の方にはアルブミンの合成率、分解率が下がり、酸化型アルブミンが増えている。元気のないアルブミンが増えている状態であると言うこと。だから、数値だけで判断してはいけないと思うんですよね。。。
リーバクトで、還元型アルブミンが8週間で増えてくるので、意味があると。
肥満やインスリン抵抗性に改善の効果があるのではと言われている。
糖代謝の改善が言われてきている。これは、骨格筋での影響だと説明しやすい。
骨格筋でのブドウ糖の取り込みが上がり、グリコーゲンを合成して蓄える。
インスリン非依存性に進む回路がある。
このことが発癌抑制につながるかということについては、実験が行われ。つながっているとマウスの実験でわかってきたと。
他の癌ではどうなのか、大腸癌など。
清水先生の方で解説あり、インスリン抵抗性を改善して、大腸発癌も抑制する可能性が出てきた。

○BCAA肝癌抑制のメカニズムとしての血管新生阻害
肝癌の発生の伴い血管新生が伴う
Sorafenibの作用機序でもある。
 再発癌や長期予後になると、副作用がある薬であるので今後も問題は多い
ビタミンkで分析してみた 単剤の効果はみられなかった、治験も終了。
ACEIと併用すると発癌を抑制していたと。
18ヶ月以降54ヶ月までの分析で有意差がでる。
Sorafenibは、投与後のHGFの低下が著しい人が効果がいいというのもデータとしてでてきてる。
ビタミンkとACEI(高血圧の薬の仲間)で再発しない人で、VEGFが低下していることがわかったと。
BCAAが血管新生を抑制しているか、優位に抑制していたことがわかってきた。
武蔵野日赤では3回目の再発以降は抑制している。と言うデータが出ている
再発抑制で考えると辛いかも。遅めの効果か。
ACEIとBCAAを併用するとより強い阻害効果が出てきた。
肝癌治療後、耐糖能異常がある人はACEIとBCAA、ない人はACEIとビタミンkを投与していると。
インターフェロンも低用量で、血管新生阻害作用がえられる事がわかってきている。ACEIとあわせて行うとより効果的だろうと。

○BCAA肝癌抑制のメカニズムとしての脂肪肝抑制 東京大学 森屋先生
脂質代謝の内容も改善する。

○BCAA顆粒製剤の今後の展望 コホート研究結果を踏まえて
近畿大学医学部 工藤正俊先生
発癌予防 
再発予防 肝内転移が2年、その後は2次発癌とみれるようだと
生存(OS)についてもあるという結果がでてきている。
少量長期で続けることで生命予後が改善すると日本においては認められている。
アルブミンが3.6上から飲み始める肝癌の抑制の効果がある。保険適応がないので、ここが悩ましいところなんです。。。
3年以上投与した群では、発癌がないが、短期処方群では発癌があった。
再発については、予備能が低下していたのにもかかわらずBCAA投与群のほうが抑制されていた。これはすごい結果ですよ-。
って、前から報告されているんですけどね。何度聞いてもいいなあって思います。

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苫小牧肝がん検診 終了 22名受診

2009年11月15日 | 肝がん検診

23名の予約で、9:00から開始しました。最終的に22名の受診でした。
一名肝癌疑いにて精査をすすめましたが、肝癌ではないことを期待しています。
写真は本日のスタッフです。お疲れ様でした。

次回は、2月に札幌です。