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■「食物繊維が腸内微生物を変える!」
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みなさん、こんにちは。崎谷です。
今回は、食物繊維についての最新の研究結果をお伝えしたいと思います。
現代人は極端な食物繊維不足です。
現代人の穀物・加工食品を中心にした食事では、その食物繊維の1日摂取量はだいたい15g前後。
それに対して狩猟採集時代の食物繊維の1日摂取量は100g。
食物繊維は有益な腸内微生物を増やすことで、大腸癌、糖尿病などのメタボリックシンドロームを防ぎます。
今回の研究では、21人の健常者に対して21日間食物繊維サプリメントを加えた食事と摂取したグループとサプリメントを加えないグループの腸内細菌を比較しました。
食物繊維サプリメントを加えたグループでは、バクテロイデス属という腸内細菌がフィルミクテス属という腸内細菌よりも有意に増加しました(Am J Clin Nutr January 2015 ajcn.092064)。
腸内細菌が
○バクテロイデス属 > フィルミクテス属 の場合 体重減少
○バクテロイデス属 < フィルミクテス属 の場合 肥満
に関係していることがいままでの研究で分かっています。
したがって、食物繊維のサプリメントを加えただけでも肥満防止につながているという結果です。
しかも、この実験のあと、食物繊維のサプリメントの投与を中止したところ・・・・
すぐに腸内細菌のバランスが元に戻ったという結果でした!つまり、毎日の食物繊維の摂取が大切ということですね。
ただし、この研究内容で注意すべき点がありました。それは、この研究で使用した食物繊維のサプリメントはシリアルやコーンといった穀物から抽出したものであるという点です。
これは読者には穀物が必要という”誤解”を強く与えるものです。
原始人食(パレオダイエット)は、脂質・タンパク質・野菜・果物中心で、バラエティに富んだ繊維質の野菜・果物をかなり取り入れます。これが本来の食物繊維の摂取の仕方です。
サプリメントではなく、あくまでも「食べ物」からということですね。