肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

札幌肝疾患臨床研究会に行ってきました 脂肪肝からの発がん予防対策重要です。

2019年02月24日 | 学会研究会報告新聞記事など
 
札幌肝疾患研究会報告。
とても勉強になりました。聞きながらのメモなので誤字脱字内容間違いあり得ますことお許し下さい。
脂肪肝からの発がんについてはC型肝炎よりは少ないけど、日本では推計で10年で8万人がなるとのこと。年間8000人。。。予防できるならしなくてはいけない数字と思いました。肝がん検診の意義も脂肪肝からの発がんを予防するための活動になって行くんだなと実感します。

○MRさんからのアミノレバンのプレゼン
アミノレバンENは水から入れて粉を入れるとだまになりにくい
水分量は飲みやすい量に調整していい
氷を数個入れて冷やしてもよく溶けるので苦みを感じにくいので効果的
溶かすときにはふりすぎるとコーテイングがとれて苦くなることがあるのでふりすぎないように
実際に混ぜて飲んで見せてくれた、なかなか、いいプレゼンでした。

○肝疾患の栄養療法について
高齢化がもたらす栄養療法のパラダイムシフト
手稲渓仁会病院栄養部 田中智美ともみ管理栄養士
天使女子短期大学 藤女子大学卒業

食欲不振 高齢者の低家用は急速に進みます。なかなかもどらない。
食べられないのだから仕方ないと放置していませんか

GLIM基準 ヨーロッパで提唱合意されている
JAPEN日本の営業学会は世界的にも一番大きい
筋肉量や筋肉の質などがしっかりと入ってきた

アジア人の基準に補正されてる
アルブミン値だけで判断しない病態との関連で判断が必要

肝硬変では低栄養が予後に影響する
肝臓はそういう意味でも低栄養への対応が早かった

ぷろていんえねるぎーまるにゅれーしょんPEM

塩分制限は食欲を損なわない程度の緩やかなものを提案

LESにたいする考え方

自宅で低蛋白食は難しい 食事全体を下げてしまうことがままある

肝性脳症に対して、食事摂取量が充分な場合はリーバクト そうでない場合はアミノレバンなど
ご飯や麺類は多いが蛋白が少ないことが良くある

脂肪肝の栄養管理
糖質が過剰か脂肪化過剰かをまず判断

糖質制限の注意
糖尿病やCKDの人は注意
糖質も必要な栄養であること

脂肪代謝とカルニチン
脂肪からカルニチンで分解へ しないと体脂肪
脂質代謝を正常化することよくなっていくのではないか

本人がどのくらい食べているのか食べられるのかなど個別に判断していくことが病気別でも必要

○当院におけるBCAA製剤の投与の現況
札幌厚生病院山口先生
アミノレバンとリーバクトの使用状況
アミノレバン美味しくなってきてる
静脈瘤治療しないで新規処方の人3ヶ月くらいでは改善はしていないが悪くなっていない
静脈瘤治療後はアルブミンが悪化する人多い中で低下していないのはすごいと言えそう。
リーバクトとアミノレバンの併用査定は無さそう

○肝硬変患者のカルニチン欠乏症に対するカルニチン補充療法
旭川赤十字病院の消化器内科副部長阿部真美先生
カルニチン補充の意義
75%は食品から取られる残りは肝腎脳で合成
ほとんどは筋肉に蓄えられチエル
血液プールは0.6%と少ない
アンモニアの代謝の促進も行っている。

肝臓での剛性低下、経口摂取低下、筋肉減って低下など肝硬変には欠乏の原因が沢山ある

欠乏症の症状
痙攣こむら返り倦怠感脂肪肝低血糖
脳症の際は 100mg/kg 静注して低下したら経口へ
60Kで6000mg静注
DPCではきつい

こむら返りで処方するも脳症で入院した患者さん
内服の2割が入ると考える 静注の方が効率的
他の治療も併用してるので厳密にこのお陰とは言えないが。。。
さらに治療期間を短くする可能性がある

エルカルチンの静注のみで改善した方もいる?
こむら返り 内服液だしたりしたら効いた方がいた
アンケート取るとNASHの人に多かった

カルニチンの血中濃度は測りはじめたらそうそう低い人はいなかった
こむら返りの前後で比較できるといいかなと 狩野先生から

○肝癌につながる怖い肝脂肪
東京女子医科大学消化器内科教授 徳重克年先生

脂肪肝は心配ないやせればいいだった時代から
NASHがでてきたことで変わってきた。

NASH 1980年のアメリカのLudwig先生が提唱

NAFLDの診断の定義
男性30g女性20gみまんを非アルコール
20gはビール中瓶1本日本酒一合ワイングラス2杯

頻度と将来予想 日本
NAFLD2000万NASH400万人くらい
NASHの割合が増えてくる
米国では深刻化してきてる

高度線維化60万人くらいが起きてきてると推定されている

NASH診断は病理
風船様変性があって炎症を伴う

門脈より中心静脈周辺に炎症や線維化が出てくる

全例に肝生検しないとならないかといえばできない。
他の肝疾患との鑑別が困難だったり線維化を伴う場合は線維化と言うようになってきてる。

AIHスコアを使うと97%疑診になる10点以上になる 男性は20%
女性はNAFLDとの鑑別が難しい
肝生検が有効と 食事で改善するかでいいような気もするが。。。

線維化のNASHを疑う所見
高齢、高度肥満、糖尿病、血小板低値 16万くらい C型は12万なので高めになる
Fib-4インデックス
年齢がバイアスになりやすいかも知れない

Fib-4は1.3以上でフォローに入れていくのがいいと思われる。と

アルコール性の基準はは60g以上になってる

NASHとNAFLは違うと思いがちだがNAFLでも線維化が少しずつ進んでいるという報告あり
結局線維化が大事となってきている。

NAFLDとして統一して線維化をみて行くのが理想だろうと提唱してる

遺伝的バックグラウンド
PNPLA3が同定されてる 肝臓の脂肪滴表面に局在する酵素 CGとGGが増える
CCは進行が少ない

HCCの糖尿病の合併率7割くらいになってきた
イングランドは肝がんどんどん増えている

NAFLDの発癌率 10年で0.4% NASHは5%くらい
10年で日本では8万人が発がんか
発がんしてこないという印象があるが日本全体ではかなりの数になってくる。

NAFLDからの発がん例の研究から
アルコールと比較すると肝硬変の合併率が低かった5割くらいだった
ピブカⅡの方があがる傾向がある C型とは違う
予後についてはそれほど変わらない
高齢でピブカⅡがたかいと予後不良
5年で7割が再発してた
肝がんは再発しやすい

再発予防対策が必要いまはないので。。。

アメリカはNAFLDが肝がんの主要原因となっている スクリーニングがちゃんとされてないので進行した形で見つかるのが問題と

認知とスクリーニング体制が重要

○スクリーニング方法と予防策
拾い上げ高度線維化 血小板18万ラインC型は12万
ヒアルロン酸50以上くらい
半年おきのエコーが必要といえるだろうと

男性の線維化の軽い郡からの発がんは特徴が有るのか
糖尿の合併率は変わらない
発見時5cmと大きいが個数も少ないパターンが多い
切除しての再発率は低い
予後はいい

HCCのなかに脂肪肝炎の因子がある群の検討
脂肪化などが50%以上にあるのを検討した
SHーHCCとして文責

糖尿病の治療
スルフォニルウレアやインスリンが肝発癌がおおそう
メトホルミンやチアゾリジンは低下させるかもと

スタチンはHCCの発がんが0.6下がると言われている
予防に使って行ける可能性があるかもと

食事内容を見て考えて行くことは大切

カロリー制限は同じ場合
低炭水化物の方が低脂肪よりも脂肪沈着率は落ちが早い48時間時点だが
体重低下は差はなかったが

NASHの薬は治験が沢山進んでいる。
エルカルチンもNASHの進展抑制効果があるとのこと

NASHでピブカⅡが高いのはなんでだろうとの質問で 小胞体のところでなんとかと言っていた

再発した人はSHHCCではどうなってるかと質問 普通のHCCになってきてる