肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

なぜ診療以外に肝がん検診などの社会活動を行うのか

2023年10月21日 | 水色の木もれ陽 肝臓クリニック札幌

なぜ診療以外に肝がん検診などの社会活動を行うのか

肝臓クリニック札幌 院長・肝がん検診団 団長 川西 輝明

2022年4月、函館で開催した「医療講演」

  専門医とのフォロー関係にない人たちがつながる可能性を高めるための方法として社会活動を行っています。そのためには自分たちが出来るいろんな方法を試しながら模索していくことが自分たちの使命と思っています。

 そうすることで治療や受診の必要性のある人の病気への関心を高め、自分に治療が必要で治療をすることで肝がんになる危険がほとんど無くなると言うことにつながってほしいという願いを込めて活動しています。

肝がん検診は 問診、採血、エコー、療養相談、フォロー

 肝臓専門医が行うフォローの第1段階を行っているものです。
 治療方針、予防のために何が必要かを受診者に直接話が出来ます。
 受診した人たちに本人が気づいていないことを含め重要性など啓発が出来ます。このことが非常に重要なのです。
 検診の手軽さとそこから得られる個人個人に遭わせた情報の獲得が、専門医受診のレベルにあり、本人の労力と得られる効果が一番高いと考えています。

医療講演もきっかけ作りになるが、それだけでは不十分となることが多い

 肝臓について興味がある段階、治療法や現在の自分の置かれている状況に興味がある状況の人が参加するものと言えます。
 自分の病気について、症状もなくて気にして無い人は来ないということが課題でもあります。

無料医療相談で十分か

 
無料相談だけに来る方は、なんらかのきっかけがある人がほとんどであり病院にかかっている方が中心である。検診のように聞くことはないけど、検査を受けてみたいという人は来ない。治療などの必要性に気づいていない人は、来ることはないのが課題です。

肝炎ウイルス検診(住民検診など)

 専門医のいる医療機関にすべてが受診しているわけではなく、受診後のフォロー患者の指導が不十分になります。結果を聞くときに必要性を話された患者さんと、専門医にかかってくださいとだけ言われた人の継続受診率は明らかに違います。

 いろんな社会活動を行っていますが、肝がん検診を受けて頂くのが一番効果が高いと考えてそこにつながってほしい願いつつ活動を続けています。


寝過ぎも認知症に関係が有るかも? 卵や野菜はいいみたい ケアネットさんから

2023年10月21日 | 学会研究会報告新聞記事など

寝過ぎが認知症に関連があるかもって言う報告がありました。短くても長くてもありそうな感じがありますが、いろんな検討がされています。
食べる物は穀物を減らし、豆類、野菜、漁火いる、肉、卵、牛乳、乳製品を多く含む食事を取り入れるのがいいだろうと。シスチン、プロリン、セリンの欠乏に注するのが重要かもって結論になっていました。
地域住民とはいえ、病気まで行かなくても調子が悪くて長時間寝てる方ももちろん含まれてるでしょうし、こういう研究はなかなか難しいですねえ。

以下ケアネットさんからのコピペです。
https://www.carenet.com/news/general/carenet/57337?utm_source=m1&utm_medium=email&utm_campaign=2023101400

長時間睡眠で認知障害リスク増、特定のアミノ酸不足でさらに増~日本人での研究

提供元:ケアネット 公開日:2023/10/20


卵の栄養分析、卵もお勧めに入っていたので
 睡眠時間とアミノ酸摂取量は、独立して認知機能の低下と関連している。今回、国立長寿医療研究センターの木下 かほり氏らは、60歳以上の地域住民における睡眠時間と認知障害発症の長期的な関連と食事による19種類のアミノ酸摂取量の関与を調べた。その結果、長い睡眠時間(8時間超)が認知障害発症率と有意に関連し、さらに、長時間睡眠者でシスチン、プロリン、セリンの摂取量が少ない人は認知障害を発症しやすいことがわかった。BMC Geriatrics誌2023年10月11日号に掲載。

 本研究は地域ベースの縦断的研究で、ベースラインで認知障害のない60〜83歳の成人623人のデータを分析した。睡眠時間は自己申告質問票から、アミノ酸摂取量は3日間の食事記録から取得した。認知障害はMMSE(ミニメンタルステート検査)スコアが27以下と定義した。ベースラインの睡眠時間で、短時間睡眠群(6時間以下)、中程度睡眠群(7~8時間)、長時間睡眠群(8時間超)に分類し、認知障害発症率について中程度睡眠を基準とした短時間睡眠と長時間睡眠でのオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定した。また、19種類のアミノ酸の摂取量の性別層別四分位数(Q)で、Q1を低摂取量群、Q2~Q4を中~高摂取量群とし、各睡眠時間群の認知障害発生率について中~高摂取量を基準とした低摂取量でのORと95%CIを推定した。

 主な結果は以下のとおり。
・平均追跡期間は 6.9±2.1年だった。
・認知障害の調整後OR(95%CI)は、短時間睡眠群が0.81(0.49~1.35、p=0.423)、長時間睡眠群が1.41(1.05~1.87、p=0.020)だった。
・とくに長時間(8時間超)睡眠者では、認知障害がシスチン(調整後OR:2.17、95%CI:1.15~4.11、p=0.017)、プロリン(調整後OR:1.86、95%CI:1.07~3.23、p=0.027)、セリン(調整後OR:2.21、95%CI:1.14~4.29、p=0.019)の低摂取と有意に関連していた。

 著者らは「地域在住の60歳以上の成人において、睡眠時間が長い人は認知機能が低下する可能性が高い」とし、「長時間の睡眠をとる人は、穀物を減らし、豆類、野菜、魚介類、肉、卵、牛乳、乳製品を多く含む食事を取り入れて、シスチン、プロリン、セリンの欠乏に注意することが重要かもしれない」と考察している。

(ケアネット 金沢 浩子)
原著論文はこちら
Kinoshita K, et al. BMC Geriatr. 2023;23:653.