肝硬変になってくると、肝臓へ流れ込む血管である、門脈の血流が、流れにくくなって圧がかかり、脇道ができてきます。これを門脈圧の亢進状態といいます。
写真の上は正常の肝臓の門脈が写っている血管造影の写真です。橙色の矢印に沿った血管が消化管からの血流を一気に肝臓の運んでくれる門脈です。
写真の下は、門脈圧が亢進した患者さんの門脈の写真です。肝臓へまっすぐ流れる血管の他に写真の右側に太くうねうねと発達した血管があります。この例では左胃静脈から食道周囲の静脈へと血流が逃げて行っている状態です。このような血管が何種類か有り、食道や胃に入りこむと静脈瘤を作ることになり治療が必要な状態となることがあります。