ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

座敷用椅子 籐の座面張り

2015年07月09日 | 木工
梅雨真っ盛りです。




工房の庭に転がっている3年前ほどに切り倒したアカシアの丸太にキノコがびっしりと生えていました。







栗もかわいい実が付いてきています。





栗よりも先に花を咲かせていたクルミはもうこんなに実が大きくなっています







今まで見向きもしなかったヨウシュヤマゴボウを鹿が急に食べるようになりました。

不味いか毒があるかで食べなかったのでしょうに。
山には鹿が食べるものがないのでしょうか?






夜仕事をしていたらぶんぶんと飛んできてカブトムシかと思ったら、大きなカミキリムシでした。

ノコギリカミキリかニセノコギリカミキリか、触覚で区別するらしいんだけど、
写真ではもうわかんないよ。

虫は奥が深い。










催事の会期中に実演と称して会場で作業をしようと、定番のペーパーコードチェアを作っていたのですが、
必要な資材であるL字の釘が仕入れ先で欠品であることがわかりました。
これがないと座面を張ることができません。困りました。


もっと困るのは、この催事のために作っていたテーブルセットも作り上げることができないことです。


考えました。


この際、前からやってみたかった籐の座面張に変更してみよう。




ペーパーコードの方が籐より丈夫ですが、なんとなく野暮ったい感じがあります。
籐の方がすっきりとしててかっこいいと前から思っていました。
しかも籐の方が軽くできます。



籐の座面を作っている仲間に電話をし、仕入れや技法についてアドバイスを乞いました。







取り寄せた籐の素材です。
一束500gを二束。
幅は4mm。
これで4脚編めるのでしょうか、思ったより少ない荷物です。






洋書のテキストを解読しながら、自分なりにも考え工夫し、とりあえず一脚編んでみます。
見た目はペーパーコードの物と同じ「カノコ編み」というものですが、工程はけっこう違います。

籐は植物そのものですので長さが限られています。
表裏もあります。
強くは曲げられず、引っ張っても伸びません。

紙紐とはだいぶ勝手が違います。






とりあえず一脚仕上げることができました。


ほぼ一束使ってしまった。4脚分に足りないじゃないか。また買わないと。

しかし材料費がかかりすぎで、思っていた値段では売れなくなってしまった。



しかし自然素材とはいえ、来た籐は色もまちまちですし、カビたような染みもある。

籐とはこんなものなのだろうか?



木材も買えば染みも虫食いも諦めて切り捨てていますが、籐もそのくらい選別するのでしょうか?

白いものを見ますが、それは漂白してあるのでしょうか?




わからないことだらけです。


とりあえず、軽くて座りやすい椅子はできそうです。
コメント
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