“プロキシマ・ケンタウリ”という太陽系から最も近い恒星の周りを回る、
地球サイズの惑星が見つかったのが、ほんの数か月前のこと。
今回、ある天体物理学者のチームが、
この系外惑星に探査機を送り込んで長期間観測を行う方法を提唱。
その方法とは“アルファ・ケンタウリ”星系に,
超小型の宇宙探査機を送り込むというものでした。
“ブレークスルー・スターショット計画”
この方法、なんか聞いたことありません?
そう、英宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士らの計画、
“ブレークスルー・スターショット”と似ているんですねー
20年で4.37光年先の星系を探査するスターショット計画って何?
“プロキシマ・ケンタウリ”の周りに地球大の惑星が発見される前から、
太陽系に最も近い“アルファ・ケンタウリ”星系を目指す
“ブレークスルー・スターショット”計画は考えられていました。
その理由は、この星系で新たに発見された惑星“プロキシマb”は、
地球から4.24光年しか離れていないことにありました。
“プロキシマb”は太陽系外惑星としては、
人間の寿命内に無人探査機で到達できる可能性が最も高いんですねー
ただ、“ブレークスルー・スターショット”計画では、
探査機は地球から照射される強力なレーザーで加速するので、
目的地の横を猛スピードで通過。
計画されているナノサイズの宇宙探査機“スターチップ”は、
反射率の高い帆を張り、地球から照射される強力なレーザーの力を借りて加速し、
最終的に探査機のスピードは光速の2割ほどまでになります。
探査機は、そのわずかな間に写真の撮影やデータを収集して、
地球に送信することになります。
この方法だと撮影できるのは数枚のスナップショットになり、
ここでカメラが目標をとらえられなければ、一巻の終わりになるんですねー
写真データを光速より速く送ることはできないので、
私たちが目にするまでに4年以上かかることになります。
でも、探査機がブレーキをかけれたら…
目的地を周回する軌道に入り、観測を続けることことも可能になります。
今回の計画では、超小型探査機を“プロキシマ”を周回する軌道に送り込むため、
恒星の光を利用した減速を考えています。
速度は“ブレークスルー・スターショット”計画の5分の1になるのですが、
星間ミッションへの技術的・エネルギー的なハードルは格段に低くなるそうです。
探査機を減速させる
遠くにある恒星の光をブレーキとして利用するアイデアは、
太陽の光で宇宙船を走らせる太陽帆“ソーラーセイル”の原理から生まれました。
5月には宇宙へ! ソーラー・セイル実験機“ライトセイル”
反射率の高り材料でできた巨大で薄い帆は、
海上の船の帆が風をとらえるのと同じように、
太陽の光子をとらえて光圧により宇宙船を進ませます。
光子を利用して宇宙船を推進することができるなら、
風を利用して帆船を加速したり減速したりできるように、
宇宙船が目的地に近づいたときに減速させるのにも使えるはずです。
計画で考えているのは、重さが石けん1個分ほどの探査機が、
大きさが9万平方メートル(およそサッカー場14面分)の帆で推進力を得ること。
探査機は太陽の光を巨大な帆に受けながら、
“アルファ・ケンタウリ”星系を目指します。
目的地に近づくと帆の向きを変え、
今度は“アルファ・ケンタウリ”から届く光子を利用して、
効率的に減速することになります。
そして探査機は、
“アルファ・ケンタウリ”の明るいA星とB星を周回する軌道にとどまることや、
2つの星の重力をうまく利用して“プロキシマ”に向かい、
その軌道に入ることも可能になります。
いずれにせよ、探査機は“プロキシマ”の間近で、慌てることなくデータの収集や撮影をし、
それを地球に送ることが可能になります。
到達時間と探査時間のどちらを選ぶ?
探査にとって、今回のアイデアはベストかもしれませんが、
目的地への到達には、人間の寿命よりも長い時間がかかってしまうことになります。
太陽光に押されて“アルファ・ケンタウリ”を目指す探査機が、
太陽系の外に出るときの速度は、光速の4.6%にしかならないからです。
この速度では、探査機が“アルファ・ケンタウリ”星系に近づくまでにかかるのは約95年。
さらに、“アルファ・ケンタウリ”からの光を利用して減速した後、
“プロキシマ”に到達するのに46年かかることになります。
つまり、探査機が集めた“プロキシマ”に関するデータを受け取るのは、
私たちの子孫ということになるんですねー
一方、“ブレークスルー・スターショット”計画のコンセプトにとって重要なのは、
人間の寿命内に“アルファ・ケンタウリ”に到達する点です。
この計画では、太陽の100万倍の光圧で帆を押すことになります。
ただ、強力なレーザーで探査機の速度は光速の2割にまで加速するので、
恒星の光だけで止めることは出来ませんが、その分はるかに早く目的地にたどり着けます。
目的地に早くたどり着き少しだけの探査にするのか?
目的地までの時間はかかっても長い探査をするのか?
どちらが良いのか決めるより、
どちらも実施してみた方がよい結果が出そうですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 太陽系に最も近い恒星に地球サイズの惑星を発見
地球サイズの惑星が見つかったのが、ほんの数か月前のこと。
今回、ある天体物理学者のチームが、
この系外惑星に探査機を送り込んで長期間観測を行う方法を提唱。
その方法とは“アルファ・ケンタウリ”星系に,
超小型の宇宙探査機を送り込むというものでした。
プロキシマbから見たプロキシマ・ケンタウリ(イメージ図)。 |
“ブレークスルー・スターショット計画”
この方法、なんか聞いたことありません?
そう、英宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士らの計画、
“ブレークスルー・スターショット”と似ているんですねー
20年で4.37光年先の星系を探査するスターショット計画って何?
“プロキシマ・ケンタウリ”の周りに地球大の惑星が発見される前から、
太陽系に最も近い“アルファ・ケンタウリ”星系を目指す
“ブレークスルー・スターショット”計画は考えられていました。
その理由は、この星系で新たに発見された惑星“プロキシマb”は、
地球から4.24光年しか離れていないことにありました。
“プロキシマb”は太陽系外惑星としては、
人間の寿命内に無人探査機で到達できる可能性が最も高いんですねー
太陽系から最も近い恒星“プロキシマ・ケンタウリ”を周回する、 惑星“プロキシマb”(イメージ図)。 |
ただ、“ブレークスルー・スターショット”計画では、
探査機は地球から照射される強力なレーザーで加速するので、
目的地の横を猛スピードで通過。
計画されているナノサイズの宇宙探査機“スターチップ”は、
反射率の高い帆を張り、地球から照射される強力なレーザーの力を借りて加速し、
最終的に探査機のスピードは光速の2割ほどまでになります。
探査機は、そのわずかな間に写真の撮影やデータを収集して、
地球に送信することになります。
この方法だと撮影できるのは数枚のスナップショットになり、
ここでカメラが目標をとらえられなければ、一巻の終わりになるんですねー
写真データを光速より速く送ることはできないので、
私たちが目にするまでに4年以上かかることになります。
でも、探査機がブレーキをかけれたら…
目的地を周回する軌道に入り、観測を続けることことも可能になります。
今回の計画では、超小型探査機を“プロキシマ”を周回する軌道に送り込むため、
恒星の光を利用した減速を考えています。
速度は“ブレークスルー・スターショット”計画の5分の1になるのですが、
星間ミッションへの技術的・エネルギー的なハードルは格段に低くなるそうです。
探査機を減速させる
遠くにある恒星の光をブレーキとして利用するアイデアは、
太陽の光で宇宙船を走らせる太陽帆“ソーラーセイル”の原理から生まれました。
5月には宇宙へ! ソーラー・セイル実験機“ライトセイル”
反射率の高り材料でできた巨大で薄い帆は、
海上の船の帆が風をとらえるのと同じように、
太陽の光子をとらえて光圧により宇宙船を進ませます。
光子を利用して宇宙船を推進することができるなら、
風を利用して帆船を加速したり減速したりできるように、
宇宙船が目的地に近づいたときに減速させるのにも使えるはずです。
計画で考えているのは、重さが石けん1個分ほどの探査機が、
大きさが9万平方メートル(およそサッカー場14面分)の帆で推進力を得ること。
“アルファ・ケンタウリ”は、 南半球からよく見える青みがかった明るい星で、 地球からわずか4光年のところにある三重連星。 |
探査機は太陽の光を巨大な帆に受けながら、
“アルファ・ケンタウリ”星系を目指します。
目的地に近づくと帆の向きを変え、
今度は“アルファ・ケンタウリ”から届く光子を利用して、
効率的に減速することになります。
そして探査機は、
“アルファ・ケンタウリ”の明るいA星とB星を周回する軌道にとどまることや、
2つの星の重力をうまく利用して“プロキシマ”に向かい、
その軌道に入ることも可能になります。
いずれにせよ、探査機は“プロキシマ”の間近で、慌てることなくデータの収集や撮影をし、
それを地球に送ることが可能になります。
到達時間と探査時間のどちらを選ぶ?
探査にとって、今回のアイデアはベストかもしれませんが、
目的地への到達には、人間の寿命よりも長い時間がかかってしまうことになります。
太陽光に押されて“アルファ・ケンタウリ”を目指す探査機が、
太陽系の外に出るときの速度は、光速の4.6%にしかならないからです。
この速度では、探査機が“アルファ・ケンタウリ”星系に近づくまでにかかるのは約95年。
さらに、“アルファ・ケンタウリ”からの光を利用して減速した後、
“プロキシマ”に到達するのに46年かかることになります。
つまり、探査機が集めた“プロキシマ”に関するデータを受け取るのは、
私たちの子孫ということになるんですねー
一方、“ブレークスルー・スターショット”計画のコンセプトにとって重要なのは、
人間の寿命内に“アルファ・ケンタウリ”に到達する点です。
この計画では、太陽の100万倍の光圧で帆を押すことになります。
ただ、強力なレーザーで探査機の速度は光速の2割にまで加速するので、
恒星の光だけで止めることは出来ませんが、その分はるかに早く目的地にたどり着けます。
目的地に早くたどり着き少しだけの探査にするのか?
目的地までの時間はかかっても長い探査をするのか?
どちらが良いのか決めるより、
どちらも実施してみた方がよい結果が出そうですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 太陽系に最も近い恒星に地球サイズの惑星を発見