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やっぱり第9惑星の存在を示している? すばる望遠鏡が太陽系の外縁部で発見したのは偏った軌道を持つ天体

2018年10月12日 | 宇宙 space
太陽の周りを1周するのに3万年以上もかかる氷の天体が、太陽系の外縁部で発見されました。

この天体の名前は“2015 TG387”といい愛称は“ゴブリン”。
彗星を除くと、これまで知られていた太陽系の天体としては、太陽から最も遠くまで旅をする天体になるんですねー

最後に太陽に最も接近したときには、地球ではマンモスやホラアナグマがユーラシア大陸の草原を歩き、人類は石から道具を作っていたそうです。

さらに、コンピュータシミュレーションからは“2015 TG387”の軌道が極端に偏っていることも分かってきます。
その軌道の偏りは、他の一部の太陽系外縁天体と同様に、未知の第9惑星の存在を示している可能性があるそうですよ。
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まだ存在が確認されていない第9惑星(イメージ図)。
新たに発見された“2015 TG387”を含む小さな天体の軌道に影響を与えているのかも…


3万年以上をかけて太陽を一周する小天体

アメリカ・カーネギー研究所の研究チームが、すばる望遠鏡による観測から太陽系の外縁部に天体“2015 TG387”を発見しました。

“2015 TG387”の直径はおよそ290キロ、球状の小天体と見られています。
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すばる望遠鏡が2015年10月13日に撮影した新天体“2015 TG387”の発見画像。
3時間ごとに撮影された画像から“2015 TG387”の動きが見て取れる。
公転周期が長く、とてもゆっくりとしか移動しないので、
他の望遠鏡で追観測して軌道を精度良く決めるのに数年が費やされている。
現在は北の空のうお座近くに位置し、太陽からの距離は約80天文単位あります。
  1天文単位は太陽から地球までの距離、太陽から冥王星までの2倍の距離。

太陽に向って移動中で、軌道上で最も太陽に近づく位置“近日点”の距離は65天文単位、海王星の2倍以上も遠くになるそうです。

発見されている天体の中では近日点距離約80天文単位の“2012 VP113”と、近日点距離約76天文単位の“セドナ”に次いで3番目に太陽から遠い天体になります。

最も遠ざかると太陽からの距離は2300天文単位。
この距離は“2012 VP113”や“セドナ”よりもはるかに遠く、公転周期は3万年以上になるんですねー
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“2015 TG387”の軌道を“2012 VP113”及び“セドナ”の軌道と比較した図。
右端の明るい点が太陽。彗星を除くと、これまで知られていた太陽系の天体としては、
太陽から最も遠くまで離れる。


やっぱり極端な軌道の偏りには未知の第9惑星が関わっている?

太陽系外縁部の天体は、長い公転周期のうち太陽に近づくほんの少しの間しか地球から見ることができません。

なので、太陽系内部の海王星や木星などの巨大惑星の重力をあまり受けない“2015 TG387”や“2012 VP113”、“セドナ”などの天体は、太陽系の彼方にどんな天体がどれだけあるかを知る手がかりになります。

これらの3天体の近日点はすべて似た方向に集まっていて、未知の第9惑星がこれらの天体を似た軌道に押しやったということが示唆されてきました。

このことを検証するため研究チームはコンピュータシミュレーションを実施。
仮想の未知の第9惑星が“2015 TG387”の軌道にどのような影響を及ぼすかを調べたんですねー

すると、未知の第9惑星が他の太陽系外縁天体と同様に“2015 TG387”の軌道にも影響を及ぼすことが分かります。

今回の研究結果は第9惑星の存在を証明するものではありません。
でも、太陽系の外縁部には何か大きな天体が存在する っということを示唆するものになります。

“2015 TG387”などの遠く離れた小さな天体が見つかるたびに、第9惑星の発見が近づいているのかもしれません。

太陽系外縁部の理解を進めていけば 、まだ見ぬ第9惑星の姿が浮かび上がってくると信じたいですね。


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