若い星を取り巻く原始惑星系円盤の中で、ガスが滝のように隙間に流れ込んでいる様子が初めて三次元的にとらえられました。
ガスの流れはどのようにしてできるのでしょうか?
若い星を回る形成中の惑星が、円盤内でガスやチリを押しのけて隙間を開けたことによって作られた可能性が高いようです。
原始惑星系円盤内の隙間はどうやって作られる
惑星は若い恒星(原始星)を取り巻くガスやチリでできた原始惑星系円盤の中で誕生します。
アルマ望遠鏡などによる観測では円盤内の隙間などがとらえられていて、こうした構造は惑星によって作られている可能性が高いと考えられています。
では、円盤内の隙間や惑星はどうやって作られるのでしょうか?
これを理解するためには、原始惑星系円盤の質量の99%を占めるガスの研究が不可欠になります。
アルマ望遠鏡によって昨年行われた観測で測定されたのは、いて座の若い恒星“HD 163296”の周りの円盤内で公転する一酸化炭素ガスの速度。
この観測データから、円盤内に惑星のような構造が3つ存在することが明らかにされています。
さらに、ミシガン大学の研究チームは、このデータを利用してガスの速度を詳しく調査。
そして、1方向だけでなく3方向のガスの流れを測定することに成功しています。
隙間は惑星がガスやチリを押しのけることで作られる
多方向のガスの動きが測定されたのは初めてのこと。
円盤内のガスは星の周りを回転したり、星に近づいたり遠ざかったり、円盤内を上下に移動したりしていました。
そして研究チームが発見したのは、円盤内の異なる3か所で上層から中層に向かって移動するガスの流れ。
この現象から、若い“HD 163296”を回る惑星が、円盤内でガスやチリを押しのけて隙間を開けている可能性が高いとみることができます。
原始惑星系円盤の表層から中層に向かうガスの流れが存在することは、1990年代後半から予測されていたことでした。
でも、実際に観測されたのは今回が初めてだったんですねー
隙間の上層にあるガスが滝のように流れ込み、円盤内でガスの回転流を引き起こしているようでした。
隙間に流れ込むガスが惑星の大気を形成する
もちろん、他の可能性も排除できません。
でも、今回とらえられたガスの流れのパターンは独特であり、惑星だけがこの現象を引き起こす可能性が非常に高いと言えます。
今回の研究で予測された3つの惑星の位置は、昨年の観測・研究結果に対応していて、位置は中心星の“HD 163296”からそれぞれ約130億キロ(太陽~海王星の約2.9倍)、約210億キロ(同約4.6倍)、約355億キロ(同約7.9倍)とみられています。
また、惑星の質量は、中心星に最も近いものが木星の半分で、中央の惑星が木星と同等、いちばん外側が木星の2倍と想定されています。
今回とらえられたようなガスの流れは、生まれたばかりの惑星を検出するのに役立つだけでなく、巨大なガス惑星がどのようにして大気を獲得するのかについての理解にもつながっていきます。
惑星は円盤の中層、星の放射から保護された寒い場所で形成されます。
なので、惑星によって引き起こされる隙間は、化学的に活性な円盤の表層からより温かいガスをもたらし、このガスが惑星の大気を形成すると考えることができるんですねー
ガスの流れを特徴づけることにより、どのようにして木星のような惑星が生まれるかの理解が進めば、惑星誕生時の化学組成を明らかにすることもできます。
惑星は形成過程を通じて移動しているので、惑星誕生の場所を追跡するためにガスの流れを利用することができるのかもしれませんね。
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原始惑星系円盤に隙間を作りながら成長中の2つの惑星をはっきりと検出
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若い星を回る形成中の惑星が、円盤内でガスやチリを押しのけて隙間を開けたことによって作られた可能性が高いようです。
原始惑星系円盤内の隙間はどうやって作られる
惑星は若い恒星(原始星)を取り巻くガスやチリでできた原始惑星系円盤の中で誕生します。
アルマ望遠鏡などによる観測では円盤内の隙間などがとらえられていて、こうした構造は惑星によって作られている可能性が高いと考えられています。
では、円盤内の隙間や惑星はどうやって作られるのでしょうか?
これを理解するためには、原始惑星系円盤の質量の99%を占めるガスの研究が不可欠になります。
アルマ望遠鏡によって昨年行われた観測で測定されたのは、いて座の若い恒星“HD 163296”の周りの円盤内で公転する一酸化炭素ガスの速度。
この観測データから、円盤内に惑星のような構造が3つ存在することが明らかにされています。
さらに、ミシガン大学の研究チームは、このデータを利用してガスの速度を詳しく調査。
そして、1方向だけでなく3方向のガスの流れを測定することに成功しています。
隙間は惑星がガスやチリを押しのけることで作られる
多方向のガスの動きが測定されたのは初めてのこと。
円盤内のガスは星の周りを回転したり、星に近づいたり遠ざかったり、円盤内を上下に移動したりしていました。
そして研究チームが発見したのは、円盤内の異なる3か所で上層から中層に向かって移動するガスの流れ。
この現象から、若い“HD 163296”を回る惑星が、円盤内でガスやチリを押しのけて隙間を開けている可能性が高いとみることができます。
原始惑星系円盤の表層から中層に向かうガスの流れが存在することは、1990年代後半から予測されていたことでした。
でも、実際に観測されたのは今回が初めてだったんですねー
隙間の上層にあるガスが滝のように流れ込み、円盤内でガスの回転流を引き起こしているようでした。
(左)原始惑星系円盤の3か所で測定したことをっ示すイメージ図。 (右)惑星がガスやチリを押しのけて隙間を開ける様子(イメージ図)。 矢印はガスの流れを表している。 |
隙間に流れ込むガスが惑星の大気を形成する
もちろん、他の可能性も排除できません。
でも、今回とらえられたガスの流れのパターンは独特であり、惑星だけがこの現象を引き起こす可能性が非常に高いと言えます。
今回の研究で予測された3つの惑星の位置は、昨年の観測・研究結果に対応していて、位置は中心星の“HD 163296”からそれぞれ約130億キロ(太陽~海王星の約2.9倍)、約210億キロ(同約4.6倍)、約355億キロ(同約7.9倍)とみられています。
また、惑星の質量は、中心星に最も近いものが木星の半分で、中央の惑星が木星と同等、いちばん外側が木星の2倍と想定されています。
今回とらえられたようなガスの流れは、生まれたばかりの惑星を検出するのに役立つだけでなく、巨大なガス惑星がどのようにして大気を獲得するのかについての理解にもつながっていきます。
惑星は円盤の中層、星の放射から保護された寒い場所で形成されます。
なので、惑星によって引き起こされる隙間は、化学的に活性な円盤の表層からより温かいガスをもたらし、このガスが惑星の大気を形成すると考えることができるんですねー
ガスの流れを特徴づけることにより、どのようにして木星のような惑星が生まれるかの理解が進めば、惑星誕生時の化学組成を明らかにすることもできます。
惑星は形成過程を通じて移動しているので、惑星誕生の場所を追跡するためにガスの流れを利用することができるのかもしれませんね。
ガスが滝のように原始惑星系円盤の隙間に流れ込んでいる(イメージ図)。 |
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